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こまちのさすけね亭

ひだまりを 拾って歩く お年寄り

2024年4月の映画

2024-05-15 | 映画
毎月恒例の映画記事です。

2024年4月に劇場で鑑賞した作品の中から、ぜひ観ていただきたいおすすめ作品をご紹介します。

4月は、行きつけの映画館のうち1館の閉館後初めての月でしたが、これまでと変わらず本数を稼ぎました。


◎藤田直哉監督『瞼の転校生』(日本、2023)

大衆演劇がテーマの作品。

昨年、同じく大衆演劇を扱った『邯鄲の夢』がとても良かったので、期待して鑑賞しました。

結果、本作も素晴らしかったです。

主人公は、演劇の世界で生きていくことを既に心に決めている男子中学生です。

まっすぐな思いに心打たれました。

単なる友情とも呼べない、友達との関係性も絶妙に描かれ、素直に胸に入ってきます。

主演の松藤史恩さんが小動物のようにキュートで、いかにも舞台化粧が似合う涼し気な目元とすっきりした顔立ちでした。

大衆演劇の世界にいたら売れっ子になっていたことでしょう。


◎セルジオ・レオーネ監督『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』(イタリア/スペイン/西ドイツ、1966)

マカロニ・ウエスタン誕生60周年を記念して上演されていました。

私はイーストウッドファンですが、ドル3部作の中では『荒野の用心棒』しか観たことがありませんでした。

今回、夕陽のガンマンを2本鑑賞しました。

どちらかといえば、続の方が私は好きでした。

前作の続き物ではありません。

上映時間は178分もありますが、次々と場面が変わるので気になりませんでした。

間違いなく名作です。

エンニオ・モリコーネの音楽も素晴らしかったです。


◎山下敦弘監督『カラオケ行こ!』(日本、2024)

邦画でここまで笑えた作品は久し振りでした。

合唱部の男子中学生がヤクザにカラオケ指導をするお話です。

ふたりがお互いを変なフィルターで見ることなく、ひとりの人間として尊重して接していて、徐々に絆が深まっていくところが良かったです。

『瞼の転校生』にも出演していた聡実役の齋藤潤さんの歌唱が素晴らしい!

「紅」を聴いて泣きそうになったのは初めてでした。

後日、たまたま美容院にあった原作漫画を読みました。

シュールな感じで、原作の世界観が劇場版でうまく表現されていました。

原作にはないエピソードなども追加されていたようでした。

私のようにカラオケ好きであれば、きっと劇場版も楽しめると思います。



2024年3月の映画

2024-04-11 | 映画
3月は忙しかったので、映画を息抜きにがんばりました。

忙しさのわりには多めに鑑賞できたと思います。

今回も、劇場で鑑賞して気に入った作品をご紹介します。

なぜか3本ともフランスが関わっている作品になりました。


◎カール・テオドア・ドライヤー監督『裁かるゝジャンヌ』(フランス、1928)

なんと、約100年前の作品です。

モノクロサイレント映画。

久し振りに、映画を観て衝撃を受けました。

100年前に既にこんなに完璧な作品があったのかと。

芸術の域に達していると感じました。


◎ドミニク・モル『12日の殺人』(フランス/ベルギー、2022)

あまり評価されていないのが不思議。

実在の未解決事件をモチーフにした作品です。

未解決なので、すっきりとは終わらないですが、淡々とした中にドラマ性があり、それぞれのキャラクターが立っていて良かったです。

『悪なき殺人』が好きだったなら楽しく観られると思います。


◎リュック・ベッソン監督『DOGMAN ドッグマン』(アメリカ/フランス、2023)

久し振りに、何回も観たい!と思える作品に出会いました。

犬とケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、まさに私のための作品です。

ほとんどのシーンにケイレブが出ていて、彼の演技を堪能できます。

本当に素晴らしくて、観ていてまったく飽きません。

もっとずっと観ていたかった。

アクションシーンは少なめで、ヒューマンドラマと言えると思います。

犬が傷付けられるシーンはないので、ご安心を。

グッズを買える映画館が近くになくてとても残念でした。

円盤化されたら買います!!











2024年2月の映画

2024-03-04 | 映画
2月もがんばって映画館に通い、29日間しかなくても10本以上の作品を鑑賞することができました。

おすすめは1本だけですが、かなり好きな作品です。


◎石橋夕帆監督『朝がくるとむなしくなる』(日本、2022)

主演は、唐田えりかさん。

唐田さんといえば、個人的に美脚のイメージが強いですが、本作では封印しています。

武器に頼らず、透明感ある役を演じていました。

あざとかったり癖の強い役のイメージがありますが、こんな普通の役もはまってしまうのはさすがです。

唐田さんには今後も期待しています。


優しくて、可愛らしくて、いつまでも観ていたくなるような何気ない日常を描いたお話。

繊細な作風です。

不器用だったり、つい気を遣いすぎてしまったり、日々生きづらさを感じている人はかなり共感できるのではないでしょうか。

自然な会話のやり取りがかなりおもしろくて、キラリと光るセンスを感じました。

石橋監督にも今後注目していきたいです。






2024年1月の映画

2024-02-29 | 映画
2024年は1月1日から映画館に赴き、今年も素敵な映画ライフのはじまりとなりました。

その後もがんばって通った結果、10本以上の映画を鑑賞することができました。

その中から、おすすめの作品をご紹介します。

◎アキ・カウリスマキ監督『枯れ葉』(フィンランド/ドイツ、2023)

一度は引退を表明した、大好きな監督の新作!

ザ・北欧映画という感じで、淡々としていてシュールな、味わい深い作品です。

ドリンクに寿司のマドラーが添えられていたように見えました。

探してみてください。


◎平野陽三監督『僕が宇宙に行った理由』(日本、2023)

宇宙もの好きにおすすめしたいドキュメンタリー。

民間人で史上初となる宇宙旅行を成し遂げた前澤友作氏が主人公です。

彼を必要以上に持ち上げるようなことはなく、フラットな視点でとても観やすかったです。

宇宙へはとても行けそうにないけれど、いつかロケットの打ち上げをこの目で見るという夢ができました。

前澤氏が帰還した2ヶ月後、ウクライナ侵攻が始まり、宇宙旅行している場合ではなくなりした。

運の強い人だと思います。


以上、2本のご紹介でした。

私の通う映画館のうち1館の閉館が発表されたのは1月でした。

4月からは、今までのように順調に鑑賞することはできなくなると思います。

もしかしたら、紹介できる作品も減ってしまうかもしれませんが、3月までは今まで通りのペースで突き進みます。

2023年12月の映画

2024-01-01 | 映画

あけましておめでとうございます。

2024年も引き続き映画の記録などを書いていきます。

先月は、大晦日も映画館に行っていました。

ギリギリまで粘った結果、2023年で2番目に多く映画を鑑賞した月になりました。

それなのに、「この映画、好きだ!」と大きな声で言える作品にまた出会えなかったのです。

一定の基準をクリアした作品には出会えたため、その3本をご紹介します。

◎グレゴル・ボジッチ監督『栗の森のものがたり』(スロベニア/イタリア、2019)

ファンタジックで絵になる映像は昔の映画のようで、世界観が好きだと思えた作品です。

ストーリーは理解できませんでしたが、雰囲気が良かったです。

真冬に観たい作品。

◎アクタン・アリム・クバト監督『父は憶えている』(キルギス/日本/オランダ/フランス、2022)

監督が主演、実の息子が息子役。

派手ではないけれど良質な作品でした。

視覚的・聴覚的に素朴な暮らしが伝わってきます。

言葉数の少ない作品で、その分洗練された台詞が際立ちます。

ワードセンスが抜群。

日本語訳が秀逸なのでしょうか。

そして、母親がとにかく美しいです。

夫との離婚後や死別後など、女性が弱っているときに男たちが近付いてくるのは万国共通。

十分に注意されたし!

話がそれました。

ご馳走を振る舞うシーンでは、部屋いっぱいにレジャーシートのようなものを敷いて食べ物を大量に用意していたことに驚きました。

キルギスのおもてなしはすごい!!

ラストシーンは切なくて綺麗でした。

◎ヴィム・ヴェンダース監督『PERFECT DAYS』(日本、2023)

第76回カンヌ国際映画祭で主演の役所広司が男優賞を獲った作品です。

日本とドイツの合同製作だそうです。

舞台は東京の中心部。

すれ違う女性たちに時折心乱されながら、日々を生きていく清掃員の話。

無駄が削ぎ落され、残ったのは監督のセンスの塊でした。

台詞はそれほど多くなく、感覚的な作品。

英語の字幕付きで観てみたいと感じました。

予告の映像に対し多少違和感のあった音楽は、平山の洋楽好きの設定で自然に馴染んでいました。

前日に『台風クラブ』を鑑賞したばかりだったので、まさか時代を超えて2日連続で三浦友和に出会うとは!

ふたりのおじさんがちょっと語り合うシーンは微笑ましくて良かったです。

紙の本やカセットテープや銭湯など、アナログ&昭和なものたちが、昔を懐かしく思い起こさせます。

便利な時代になりましたが、昔は昔の良さがありました。

石川さゆりファン、あがた森魚ファンは必見です。

10月以降、なかなか「好き!」と心から言える作品に出会えていません。

無意識のうちに自分の中の基準が変わったのかもしれません。

とりあえず上記の3本は良かったので、ぜひご覧ください。