山本容子の半生記をあけっぴろげに展開しています。
その内容は夕刊紙的にスキャンダラスです。
以前、テレビで山本のアトリエと飼っていた犬(ルーカス)の写真を見ました。
しかし、そこでは男性関係は微塵も描かれていませんでした。
本は後半になるほど筆のスピードが上がります。
人生に迷いがなくなってきているのが伝わってきます。
でも不倫関係で同居生活していた話が切なく最後まで響いています。
ベースにスーザンソンタグのラディカルな思想もあります。
無防備にしてハイテンションな後半が面白いだけに、
前半のラブストーリーが本当に切ない感じです。
人によっておそらくその受け止め方は違うはずです。
芸術家(画家)がその生き方に迷いをもちつつ振り切る瞬間。
凡人では理解できない境地があるようです。
マイ・ストーリー 新潮社
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