クライマックスシリーズは、昨日ヤクルトが日本シリーズ進出を決め、セ・パとも優勝チームが日本シリーズに進出することになりました。落ち着くこところに落ち着き、やれやれです。
本来であれば、日本シリーズが終わってから、ストーブリーグは始まるものでしょうが、昨日巨人が敗れるとともに、原監督が辞意を表明したことから、早くも監督人事のストーブリーグが開幕です。今年は、両リーグとも新前監督がリーグを制覇しました。特に、ヤクルト真中監督は、内部登用で年棒も高くなく、2年連続最下位に沈んだチームを再建するつもりがないなどど揶揄されたものです。しかし、結果がどうかというと、チームの実力は必ずしも、監督や選手の年棒と比例しないということです。
以下は、今シーズンの各球団の年棒総額とレギュラーシーズンの成績です。
ソフトバンク 46.3億円 ⇒ 優勝
オリックス 37.5億円 ⇒ 5位
ロッテ 24.5億円 ⇒ 3位
西武 24.4億円 ⇒ 4位
日本ハム 23.0億円 ⇒ 2位
楽天 22.5億円 ⇒ 6位
巨人 44.5億円 ⇒ 2位
阪神 33.7億円 ⇒ 3位
ヤクルト 28.1億円 ⇒ 優勝
中日 25.3億円 ⇒ 5位
広島 25.0億円 ⇒ 4位
DeNA 22.3億円 ⇒ 6位
両リーグとも、1位のソフトバンク、巨人が突出し、2位のオリックス、阪神が頭一つ抜けていて、3位以降はどんぐりの背比べです。
年棒総額から見ると、コストパフォーマンスが良かったのが、ヤクルトや日本ハムであり、悪かったのは、オリックスや巨人ということになるでしょう。一方、楽天やDeNAは、もう少しメリハリをつけた補強をしても良いのかもしれませんね。
そして、10月22日にはドラフト会議があります。新人選手は、上限があるので、チームごとの年棒総額にあまり影響しません。つまり、コストパフォーマンスが良いチームは、ここでのスカウティングが優れているとも言えます。
広島の選手育成には定評がありますし、セ・リーグを征したヤクルトも山田哲人などを見出し育成した賜物でしょうね。
そして、スポーツニュースで、2011年の日大三高の優勝メンバーのドラフトを特集していました。その筆頭は、もちろん六大学最多安打記録を作った高山俊(明大)です。次に、慶應の横尾もここへ来て本塁打を量産し、ドラフト候補に躍り出ました。しかし、高山と比べると、微妙な立場を本人も分かっていました。そして、もっとも明暗をわけているのが、法政の畔上翔です。高校時代はキャプテンで、野手の中では高山や横尾よりもセンスが光っていましたが、大学に入ってからはすっかり影が霞んでいました。本人の口から語られたのは、誰よりも練習しながらも、考え過ぎて打てなくなり、さらに考えるという悪循環に陥るスランプというものでした。しかし、ここへ来て、ようやくその実力を発揮し始めました。今日現在で17本のヒットを放ち、.395で打率2位に躍り出ました。通算65本と高山のほぼ半分ですが、ドラフトのリストアップに間に合ったでしょうか。そして、高校からそのままプロに入っても通用しそうだった吉永健太朗(早大)も、ケガやフォーム修正からスランプに陥り、こちらは社会人入りを決めているそうです。4年前は前途洋々だった彼らも、いろいろな道を歩んでいます(「四年後が楽しみ!」)。
そんなことを含めて、どのように見極めるかがスカウトの腕の見せ所です。4年前の堂々のプロ候補生だった、4人のその後を見ていると、本当にそう思います。