イチローが9年連続ゴールドグラブ賞を受賞しました。たしか今年は、らしからぬエラーもあったように記憶していますが、ニュースでまとめたダイジェストはやはり見事なプレー満載でした。彼が渡米した頃は、派手な空中戦ばかりの大味なプレーが喝采を浴びていたメジャーリーグで、小粒な彼はさほど注目されなかったように思いますが、その卓越した打撃技術はもちろんですが、華麗な守備と機敏な走塁でもメジャーに新風を吹き込みましたね。
FA宣言した松井秀喜も、守備をしないと選手生命が縮まるとして守備をすることを契約の条件としているようです。一方、優先交渉権があるヤンキースのキャッシュマンGMは「マツイにはDHしか考えていない」と明言し、ヤンキースは来シーズンはジーター、ポサダ、ロドリゲスらベテランの休養のためにDHを充てる構想を持っています。ということで、松井秀喜がピンストライプを去る可能性も高くなってきましたが、それも仕方のないところでしょう。アメリカでの恩師トーリ監督が松井を高く評価していたのも、イチローのような華麗さはなくとも、常にチームの勝利優先で守備や走塁を全力で行っていたからこそであり、松井の魅力は、打つことであることはもちろんですが、それだけではなく、チームのために守り、走ることにもあるのですから。
日本のゴールデングラブ賞では、巨人の日本一に貢献した育成枠出身の松本哲也が初受賞しました。果敢に前の飛球を突っ込んで捕球し何度も投手を助けていましたし、先の日本シリーズでは、何球も粘りに粘って最終的にヒットにしたり、優勝を決めた一戦では、稲葉のもたつきをついて一塁から一気にホームインするなど走塁でも魅せました。4番打者ばかりを並べていた頃の巨人と比べて、試合を見たいと思わせてくれる選手です。レギュラーシーズンでの巨人戦の中継はめっきり減ってしまいましたが、こういう選手たちが増えてくれば、また試合が見られる日が来るかもしれませんね。
ということで、散ドラ諸君もバッティング練習が好きですし、見る立場でも打撃戦は面白いものですが、ずっとそればかりではつまらないし、野球の魅力の一端でしかないですよね。打つにしても、松本のようにしぶとく粘って最後に渋く転がしてヒットを打った時、守りでいいプレーをした時、果敢に次を狙って塁を陥れた時こそ、野球の魅力を実感します。
そんなプレーが出来るような練習をしていきましょう!