八王子市散田町在住のスポーツ好き親父の戯言!

八王子市の学童野球チーム散田ドラゴンズ元管理人(2007年3月~2016年2月)のブログです。

甲野善紀・田中聡著『身体から革命を起こす』新潮文庫

2008年01月27日 21時53分27秒 | スポーツ

以前、散ドラ諸君に「もっと足で地面をつかんで走った方がいい」と書きましたが、その時にトップアスリートの末続選手は、足を前に投げだすような走り方の取り組んでいるとも書きました。末続選手(及び高野コーチ)と直接関係はないですが、「ナンバ走り」に代表される日本伝統の武術の身体の使い方に取り組んでいる第一人者が、標記の甲野善紀氏です。甲野氏はウェートトレーニングを始め近代的トレーニング方法に批判的で、走り方も所謂陸上界の指導法を批判しています。但し、「ある程度まで」は、こうした近代的トレーニングは効果をあげ、甲野氏が取り組んでいることは誰でも出来ることではない「術」だとも言っています。ですから、管理人が散ドラ諸君に言ったことは、あながち間違いではないと思いますが、甲野氏の考え方は私たちの「思い込み」「常識」や「浅薄な知識」「固定概念」を考えさせられるという点で非常に有益です。今の散ドラ諸君にはちょっと早いけど、中学や高校で真剣にスポーツをする頃は、良い本です。指導らしきことに足を突っ込んでいる散ドラ父にも良い本です。

甲野氏(日本古来の武術の)考え方は、近代スポーツの考え方の対極にあります。近代スポーツは、テコの原理のように、体のどこかを支点にして、体をねじったり踏ん張ったり、足を蹴ったりして力を出すように理論構築されています。野球でもピッチング、バッティング、ランニング、フィールディングみなそうです。しかし、このようにどこかに力が集中するような体の使い方は負担がかかります。野球でも肩やヒジを痛めるケースが多いのはそこに力が集中するような力の使い方をしているからです。これに対して、甲野氏の考え方は、体のどこか一か所だけに力を集中させるのではなく、全身のいろんな部分をうまくバランスさせて使うことで、身体に負担をかけずに威力やスピードある体の使い方をしようというものです。こうした身体の使い方は、それぞれのスポーツでの所謂「正しい」動きとは違って見えるようですが、体に力は入っておらず、しかもスピード、威力に勝るといいます。武術は命に関わる技術ですから、どんな状況でも素早く動けなければいけませんし、攻める時もどこかに力が入っていたり、体をねじったりして相手に動きを悟られるといけないからです。しかし、そんな都合のいいことが出来るかよと普通は思います。だからこそ、甲野氏が実際に動いて見せると、驚き、感動を呼び、評判となっているのです。

とは言え、さっき言ったようにこれは簡単に出来ることではないようです。ですので、散ドラ諸君はまずは基本に忠実に練習してほしいと思います。そして、中学・高校などで一生懸命やっているのに結果が出ないなんて時にはいいかもしれませんね。

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