サモワールを囲んで

日本ユーラシア協会愛知県連ブログ

第95回ロシア語サロン報告

2017年03月09日 | ロシア語サロン
2月に続いて 3月5日(日)午後2時から第95回ロシア語サロンが開かれました。
今回のゲストはポルタワ出身のウクライナ人 リジア・ダツェンコさんです。

リジアさんはウクライナ語講座のイーゴリ・ダツェンコ先生のお母様、高校でロシア語の先生をしておられたそうですが、とても物静かで
まじめな感じの方です。今回はキリスト教徒にとって最も重要な行事である復活祭をテーマにお話ししていただきました。

復活祭(ロシア語では пасха)はいったいいつお祝いするのでしょう?

今年は4月16日です。
復活祭は「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われるため、毎年日付が変わります。
またカトリックでは別の暦を使っているため、ロシア正教とは日にちが異なることが多いのですが今年はたまたま同じ日になりました。

リジアさんのお話:

信者たちは復活祭の週までの7週間を大斎(おおものいみ・великий пост)と呼び祈祷、食事の節制、許し、慈善などを心掛けます
なぜ7週間かというとこれはキリストが荒野で悪魔の試みに耐え、
磔になって死ぬまでの7週間にちなんでいるのです。

ウクライナで復活祭を祝うようになったのは10世紀末のことです。
聖書によればキリストが亡くなって三日目に その遺体に香油を塗る
ために訪れた三人の女性の前に天使が現れ、キリストの復活を告げた
ということです。


Пасха(パスハ 復活祭)という言葉はユダヤ人たちがエジプトでの奴隷生活から逃れたことを祝う「過ぎ越しの祭」という非常に古い祝日がもとに
なっています。キリストの復活もちょうどこの時だったのでした。

復活祭前の最後の日曜日は特別な日で「ネコヤナギの日曜日」です。
これはキリストがエルサレムに入場した時に町の人々が棕櫚の枝を
振って歓迎したことを記念する日です。ウクライナには棕櫚はあり
ませんから 昔からウクライナのシンボルでもあり、特別な魔法の
力を持っていると考えられていたネコヤナギを使うのです。

この日にはネコヤナギの枝を教会に持って行ってお清めしてもらい、
持ち帰った枝で家族や親族の体を軽く叩いて健康と長寿を祈ります。

復活祭前の最後の一週間は最も厳しく食事を制限し、清らかにすごさ
なればなりません。特に木曜日はキリストが弟子たちと最後の晩餐を
した日であり、「清めの木曜日」と呼ばれています。この日には
信者たちは可能な限り教会に行って聖体拝受します。教会では
福音書の朗読があります。こうして魂を清めるだけでなく 家の大掃除も
し、また夜明け前に入浴して体もきれいにします。

翌日は受難の金曜日、キリストが磔にされた最も悲しい日です。
この日には信者は断食します。
家々では復活祭のための食事の用意が整えられます。

パスカという特別なパンです。レーズンを入れて焼き、上に砂糖と卵で
作ったアイシングをかけます。
このパスカはリジアさんのお手製。

きれいに飾ったゆで卵。ХВ という文字が見えますが これは Христос воскрес.(キリストは復活したまえり)と言う言葉の頭文字です。

これらの他に肉料理やサラミ、豚肉の脂身の塩漬け、などを用意して
きれいに飾り付けたかごに入れ教会に持って行きます。

教会での復活祭のお祈りは終夜続きます。一番感動的なのは真夜中に
神父が「キリストは復活したまえり!」と高らかに告げ、信者たちが
喜びに満ちて「まことに復活したまえり!」と答える瞬間です。
その後で信者たちは神父を先頭にして教会の周りを三回廻り、この後で
教会に持って来られた食べ物のお清めの儀式があります。

こうして朝になって家に帰った信者たちは 教会で清められた食べ物で
朝食をとるのです。長い節制の後での豊かな食卓は春の喜びのシンボル
でもあります。

復活祭の御祝は1週間続き、最後は亡くなった家族や親族をしのぶ
集まりや墓地に行ってピクニックのように食事をすることで終わります。
この時は墓地におかしやたべもの入れた袋を置いてくることになって
います。子どもたちはそれをもらうことができます。

復活祭はウクライナで一番聖なる祝日です。イエスキリストが自分自身で
死に対する生の勝利を示してくださったのです。またこの祝日は家族や
親族の絆を確かめ、いやなことやうらみを忘れて、亡くなった人々を
思い出す日でもあります。この春の祝日はよりよい幸せな人生への
希望をあたえてくれるのです。

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この日のテーブルには 「復活祭」をイメージしてカラフルに飾られました。

リジアさんお手製の「パスカ」もあり

ウクライナ製の卵用シールで飾ったゆでたまごも登場!
参加者のお土産に配られました。

ティータイムにはリジアさんのパスカを切って試食。
今回はリジアさんとダツェンコ先生の他に、前回のゲストだった
サエンコ先生、去年から会員になってくださったウズベク人のカマロフ
さんも参加され いろいろな話が出ました。

仏教とロシア正教、どんな共通点、違いがあるのか?
日本でも 四十九日という風習があり、キリストの受難習慣も7週間。
7という数字の持つ意味は?
こんなに厳しい精進をきっちり守る人たちの割合は?
など難しい質問が出ましたが 簡単に答えられませんね。

この日はサロンに先立って 中日新聞の記者がイーゴリ・ダツェンコ先生
のインタビューに来られました。こちらの記事は来週か再来週、中日新聞に
掲載されるとのことです。
お楽しみに。

インタビューを受けるダツェンコ先生とリジアさん。


第95回ロシア語サロン開催のお知らせ

2017年02月13日 | ロシア語サロン
3月のロシア語サロンのお知らせです。

3月5日(日)午後2時からロシア語教室で第95回ロシア語サロンが開かれます。
ゲストはリジア・ダツェンコさんです。リジアさんは ウクライナ語講座の講師
イーゴリ・ダツェンコ先生のお母様です。現在息子さんの家族を訪ねて名古屋に
来られていますので ゲストをお願いしました。

お話のテーマは 「復活祭」です。ロシア正教では一番重要な祭日とされているとの
ことですが 日本人にはなじみが薄いので 今回はその意味や 祝日にむけての
家庭での準備や教会でのお祝い、特別な行事食などについて いろいろと
お話していただく予定です。


ロシア語サロンはロシア語教室で開かれる小さな集まりです。毎回ネイティブスピーカー
をゲストにお招きして短いスピーチをしていただき、紅茶とお菓子でくつろぎながら
気軽におしゃべりしています。スピーチやロシア語の発言は日本語に訳されますし
ロシアにあまり自信のない方もご心配はいりません。毎回和気あいあいと楽しい
おしゃべりをしております。ぜひご参加ください。


1.時   2017年3月5日(日) 午後2時―4時
2.場所 愛知民主会館 3階ロシア語教室
            (地下鉄東山線新栄町駅2番出口より徒歩2分)

3.ゲスト  リジア・ダツェンコ さん
           ウクライナのポルタワ近郊生まれ、教育大学卒業後
           中学;高校のロシア語教師となる。家では2匹の犬、
            猫と鶏を飼い、花や野菜を育てている。日ユ協会の
            ウクライナ語講座のダツェンコ先生のお母様。
                         
4.お話のテーマ  「復活祭」

5. 参加費 1200円(ユーラシア協会員は800円)
お申し込み : 日本ユーラシア協会愛知県連合会
名古屋市東区葵1丁目22-26
電話 :052-932-7122
                 Mail: kokoshka2011@gmail.com
(お申し込みはできるだけメールでお願いします。)

*都合により、都合によりゲストやテーマを変更することがあります。

第94回ロシア語サロン報告

2017年02月13日 | ロシア語サロン
2月5日(日)午後2時から第94回ロシア語サロンが開かれました。

久しぶりのサロンのゲストはタチアナ・サエンコさんです。キエフ出身のウクライナ人で国立キエフ大学、
キエフ言語大学などで教鞭をとられ、現在は名古屋に住んで名古屋大学で教えておられます。彼女は今年の
7月のロシア語特別講座の講師も引き受けてくださっています。



サエンコさんはノートパソコンを持参、プロジェクターを使ってたくさんの画像を見せてくださいました。
最初の画像はヨーロッパ地図の中のウクライナでした。ヨーロッパの国々の中でのウクライナの国土の広さに
改めて驚かされます。キエフは現在もその大きな国の首都ですが、最初に町ができたのは5世紀、さらに
9世紀からキエフ・ルーシという国の首都となり、町には歴史的な建物が多く残っています。

キエヴァペチェルスキー大修道院、聖ソフィア聖堂、アンドレイ教会などの美しい写真をたくさん見せて
いただいてから、面白い美術館の紹介がありました。展示品がすべて顕微鏡で見なければ見えないほど
小さいミニチュアばかりの美術館です。

栗とライラックの花が咲き乱れる初夏のキエフの写真を見て、くるみのケーキと紅茶で休憩した後で
後半の質問タイム。2014年のウクライナの政変とロシア正教会の立場についての質問がきっかけとなって
 ヴィザンチン帝国崩壊後その宗教はロシアに引き継がれたこと、モスクワの大司教とウクライナ司教、共産党
による正教会のコントロールなどが話題となり、雄弁なサエンコ先生の口からよどみなく流れ出るロシア語の
あまりの速さと量の多さに参加者はびっくり。まさにロシア語のシャワーを浴びるサロンとなったのでした。






第94回ロシア語サロン開催のお知らせ

2017年01月16日 | ロシア語サロン
2月5日(日)午後2時から4時までロシア語サロンが開かれます。
ゲストはタチアナ・サエンコ先生です。

お話のテーマは「キエフ」


ウクライナの首都であるキエフは歴史のある町です。ロシア文化のゆりかごでもあるこの町は
今では新しいウクライナの政治経済文化の中心としての顔をもっています。

キエフ出身のウクライナ人のサエンコ先生にこの町の歴史や魅力をたっぷり語っていただきます。


1.時   2017年2月5日(日) 午後2時―4時
2.場所 愛知民主会館 3階ロシア語教室
            (地下鉄東山線新栄町駅2番出口より徒歩2分)

3.ゲスト  タチアナ・サエンコ さん
キエフ出身のウクライナ人。キエフ言語大学助教授となり
フルブライト研究員としてペンシルヴェニア大学で研究
キエフで外国人学生にロシア語を教えた経験もあり。
現在は名古屋大学 文学部非常勤講師。
             
4.お話のテーマ  「キエフ、昔と今」

5. 参加費 1000円(ユーラシア協会員は600円)
お申し込み : 日本ユーラシア協会愛知県連合会
名古屋市東区葵1丁目22-26
電話 :052-932-7122

                 Mail: kokoshka2011@gmail.com
                   (お申込みはできるだけメールでお願いします。)

*都合により、都合によりゲストやテーマを変更することがあります。

ロシア語サロン番外編「バックパッカーがゆくロシア」報告

2016年03月02日 | ロシア語サロン
2月28日(日)午後2時からロシア語サロン番外編が開催されました。
今回のゲストスピーカーは 京都出身のバックパッカー 蜷川明子さんです。
今までバックパッカーとして一人旅した国は20か国以上になるという彼女は
去年の9月からロシアを約一か月旅してきました。宿泊は主としてユースホステル。
ごく安い料金で宿泊でき、ロシア人と交流もできるユースホステルの実情やロシアを自由に
旅するノウハウなどを聞かせていただきたく 今回のサロンを企画しました。

長年愛用のバックパックを背に蜷川さん登場!


ビザが必要なこと、言葉で困りそう、情報が少ない、などの理由でロシアはバックパッカーに敬遠される国だ
そうです。彼女がそんなロシアへ行ってみようと思ったのはロシアに行って来たバックパッカー仲間が
「ロシアはヤバイ!びっくり仰天」というので興味をそそられたからだとか。

またフィンランドからエストニアに向かう船で隣にいたフィンランド人に「フィンランドからエストニアも近くて
良いけど、サンクトペテルブルクも近いのよ」と言われて 今まで入り辛いイメージだったロシアが急に実感を
持って近づいた感じがしたのもロシアに行くきっかけのひとつだったとのことでした。


今まで行った国の中ではインドとロシアが好きという彼女の最初のロシア旅行は2014年の
夏でした。この時はロシアとバルト三国を3か月旅しました。この旅の後で ユーラシア協会
愛知県連のロシア語講座初級クラスでロシア語の勉強を始め、現在は中級クラスで勉強しています。
「キリル文字が読めると便利だし、心強い。片言でもロシア語ができるとロシアの人たちは喜んで
くれて、ぐっと反応がよくなり、楽しかった」とのことでした。

サロンでのお話はまずビザの取り方から始まりました。名古屋からだと大阪の領事館に申請書を
出しに行き、(申請書、パスポート、写真、招待状持参)ビザがもらえたら受け取りに行かなくては
なりません。招待状は 「ロシア、ビザ、旅行社」などのキーワードでインターネット検索し
ロシアの旅行社を探して、だいたいの旅程を決めて 3000円程度の手数料を払って依頼し
招待状を出してもらいます。このメールのコピーも領事館に持参します。

旅行の計画の第一歩からインターネットが必要、どころか不可欠なわけです。
同じくネットを通じて「ロシアビザセンター」に依頼するという方法も紹介していただきました。

次は宿探しですが booking.com などホテル探しのサイトで 国名と町の名前を入れて検索すると
安い順番でユースホステルやホテルなどが出てきます。場所や泊まった人の評価などをチェックして
宿を予約します。蜷川さんはたいていは最初の宿だけ決めておいて後は現地で考えるのだそうです。

彼女が泊まったホステルとはどんなものかといいますと、ほとんどは2段ベッドの8人部屋、
男女の区別なし、トイレやシャワーは共用、共用のキッチン付き、施設内は禁酒、禁煙、、
という感じで宿泊費は1000円+アルファくらいと驚きの安さです。
あたりはずれはあるものの、だいたいは清潔で快適だそうです。また高いホテルに泊まらない
普通のロシア人がいっぱいいるのもロシア語を話す旅行者にとってはいい条件かもしれません。
旅行者だけでなく ここに長期滞在して学校に通ったり仕事に行ったりしているロシア人も
いるそうです。
外国人旅行者が困ることは こういうホステルはたいてい大きな建物の一部を改装して
作られていることが多くて看板もなく、近くまで行ってもどこから入れるのかわからなか
たっりすること。

ユースホステルの他に今のロシアでは Air B&B (一般住宅にホームステイ)することも
できますし, カウチサーフィン(couchsurfingー友達を自分の部屋のカウチに泊めて
あげるような気持で見知らぬ旅行者を自宅に泊めること。サイトに登録している人のみが
対象で原則宿泊費は無料)を利用することもできます。
蜷川さんはカウチサーフィンで連絡してきた外国人を京都の自宅に泊めた経験もあり、ご自分も
ロシアでカウチサーフィンで探した人のお宅に泊めてもらったとのことです。

「ロシアは怖くないですか?」「治安が悪いのでは?」「テロはありませんか?」などはよく
聞かれる質問ですが、、、

スリはどこでもいるので お財布は肩掛けポシェットに入れて 上から薄手のパーカーを
はおり、薄いストールを首から前にかけてわかりにくくするなどの工夫をしたり、
ホステル内でもシャワーの時も貴重品を部屋に置きっぱなしにしない、寝る時は胸に抱いて
寝るなど用心していたとのことでした。酔っ払いやドラッグ中毒らしき人も見かけたそうで
すが 身の危険を感じるようなことはなかった、悪徳警官にも会ったことはないと話して
おられました。

こういう旅行に不可欠なものはスマートホンなどネットにつながるもの、
持って行って便利に使えるものは指さし会話帳、爪切り、
蜷川さんが必ず持って行くものはミネラル、ビタミンなどのサプリメント
(野菜や魚など思うような食事がとれないこともあるので)

バックパッカーとしての旅行で大切なことは「疲れないこと」だそうでした。
疲れていてはいざという時に正しい判断ができなかったり、不注意になったり
して困ったことになりがちです。「疲れないことが身を守るのです。」と蜷川さん。
具体的には 一日のスケジュールをタイトにし過ぎないことです。名所見物は
一日2か所までにして早めに切り上げ、明るいうちにホステルに着くということも
大切なことです。ホステルはみつけにくいところにあることが多いので そこに
たどり着くまでも冒険のようなもの。

彼女はこの3月末から再び旅に出ます。今回はイランからトルクメニスタン、ウズベキスタン、
キルギス、カザフスタン、タジクスタン、中国を3か月かけて旅する予定だそうです。
安全で楽しい旅になりますように!

情報満載の楽しいお話でした。様々な質問にも丁寧に答えてくださってありがとうございました。
最後に彼女を囲んで記念撮影を。



蜷川さんの旅のブログはこちら

ロシア語サロン番外編 「バックパッカーがゆくロシア」開催のお知らせ

2016年02月12日 | ロシア語サロン
久しぶりにロシア語サロン番外編を企画しました。

今回のゲストは蜷川明子さん、現在はロシア語講座中級クラスの受講生です。
彼女は今までに旅行した国は20か国以上という経験豊かなバックパッカー
で、去年9月には約1か月ロシアを一人旅してきたそうです。

ビザが必要なことや、他の国に比べて情報が乏しいこと、ロシア語がはなせないと
大変そう、、などでロシアはバックパッカーに敬遠されている国だそうですが
彼女は大変楽しい旅をしてきたということで その体験談をしていただくことに
しました。宿泊したのはユースホステル、ゲストハウス、ホームステイなどで
なんと一泊600円の宿もあったとか!

ロシアと旧ソ連諸国を自由旅行する方法、ビザについて、宿の取り方、
ロシアでホームステイする方法、電車の乗り方、旅行の持ち物など
様々な体験談やアドヴァイスなどを語っていただきます。

一度ロシアの一人旅がしてみたい方、まだ行ったことのない方、ぜひ
おでかけください。

1.時   2月28日(日) 午後2時~4時

2.場所 日本ユーラシア協会・ロシア語教室
                (地下鉄東山線「新栄町」2番出口から徒歩2分)

3.ゲスト    蜷川明子(にながわ あきこ)さん
               京都市出身のバックパッカー。一人旅した国は20か国を越え
               る。特に好きな国はロシア(渡航2回)とインド。現在は宿泊施   
               設スタッフ、絵画教室講師。次は旧ソ連圏シルクロードの国々を
               3か月周遊する予定。愛知県連ロシア語講座中級を受講中。
                
4.お話のテーマ   「バックパッカーがゆくロシア」

5. 参加費  1000円(日本ユーラシア協会員は600円)

  連絡先 : 日本ユーラシア協会愛知県連合会
  名古屋市東区葵1丁目22-26
                      電話 052―932-7211
                      Mail:kokoshka2011@gmail.com
(お申し込みはできるだけメールでお願いします)

第93回ロシア語サロン報告

2015年11月17日 | ロシア語サロン
11月8日(日)午後2時から第93回ロシア語サロンが開催されました。
ゲストはナタリア・カズミナさん。


今回は「今のロシア―話題人々」と題して 3人の有名人を紹介していただきました。
この人選にも彼女の個性を感じます。

まず最初はクセーニア・サプチャク です。
彼女は1981年生まれのテレビ司会者、ジャーナリスト、社会活動家。

彼女の父アナトーリー・サプチャクはソ連崩壊後の最初のサンクトペテルブルク市長でした。ソ連時代
レニングラードとよばれていたこの町をもとの「サンクトペテルブルク」という名前に戻したのも彼なのだそう
です。まだまったく無名だったプーチンを彼がパリから呼び寄せて自分の側近にした時から政治家としてプーチンの
キャリアが始まりました。プーチンが大統領になれたのもアナトーリー・サプチャクと(ボリス・ベレゾフスキー
と共に)の応援があったからでプーチンの恩人と言えるでしょう。


サンクトペテルブルク国立大学国際関係学科とモスクワ国際関係大学で学んだインテリであり、有名人の娘であり、
美人でもある彼女は最初はテレ司会者として活躍していましたが 次第に政治的発言をするようになり、特に
2012年の大統領選の際に反プーチンのデモに参加、大胆にプーチ批判をする彼女はテレビ界から締め出されて
しまいました。
しかしその後も 活発に政治活動を続け、プーチンに対してもほかのジャーナリストが恐れて聞けないような質問
も平気でするので人気が上昇、強く、賢く、勇敢な女性として尊敬されているとのことです。
プーチンは恩人の娘ということで彼女に遠慮があるので国外追放したり、迫害したりしないで黙認しているよう
ですが、彼女の政治活動を「甘やかされたセレブ娘のお遊び」くらいにしか思ってないのかもしれません。

二人目はアンドレイ・ベルチェニエフです。
一つのジャンルに閉じ込めることができない芸術家、パーフォーマーです。
服のデザインもしていますが彼の作る服はロシアでは「服ではない!」という評価を受けたこともある奇抜なもの。

彼は世界で最も寒い町のひとつであるノリリスクに生まれ、貧しい少年時代を過ごした後、クラスノダールの
演劇大学で学びました。彼のパーフォーマンスもロシアでの評価は今一つで、現在はモスクワとロンドンと
ニューヨークを行き来しながら活動を続けています。

彼の芸術にあふれるのは喜びと春の感覚です。彼は「私のやり方はだれにでも愛されるものではない。
でも私はこの道を行くしかない」と語っています。

最近の彼のニューヨークでのパーフォーマンスを見てみましょう。
舞台には何人も女性のオペラ歌手が並んでいます。でも彼らが歌わされるのは カバや犬の鳴き声の
入ったアリア、舞台の脇では実際に料理が作られていて、パスタを茹でる音、キャベツを刻む音、
そしてガラス瓶が落ちる音などもしています。
ベルチェニフェフによれば これらの音はエモーションを沸き立たせるのだそうです。

三人目は 心臓外科医のキリル・バルブハチです。
サンクトペテルブルクで生まれ育った優秀な外科医で 若干28歳の時に非常に難しい小さい子どもの
心臓の手術を成功させて一躍有名になりました。90年代にはモスクワに移り、心臓の移植を始め、多くの
難しい手術をしました。外科医として優秀なことに加えて、手術にあたって金品を受け取らず、患者のために
つくす彼の治療が有名になり深く尊敬されています。

現在はクバン心臓治療センターの所長として働いていますが、センターのまわりは彼によって救われた
患者や家族がひとことお礼を言おうと列をなしているということです。

ベルブハチ先生はいろいろ問題の多い今のロシアの現状も悲観的に見ておらず、むしろロシア人が
健康を見直すチャンスになるのではと考えているそうです。ロシア人は昔からサラミソーセージや
肉をたくさん食べてきたのですが、先生は肉は週に1回にして、サラミはもっと減らすべきだし、
もっとスポーツをすべきだと主張しています。

バルブハチ先生はグルジア人で世界で一番すばらしいのは女性たちだと考えています。そして男女は
お互いにもっと異性を意識し、女性は鏡で自分をじっくり見てうつくしさを追求すること、毎日を
楽しくすごすこと、それが健康にもつながるとおっしゃっているそうです。


チョコレートと紅茶で休憩した後(9月にエストニアに行ってきたばかりの林さんから
エストニアのチョコレートの差し入れもありました)
質問の時間になりましたが、上記の三人の中で一番みんなの興味を引いたのはクセーニア・サプチャク。
これに関連して ロシアの政治やプーチン大統領についての話が続きました。

ロシア人はプーチンのどこに魅力を感じているのか、という質問に対してナターシャさんからは
「彼はロシア人としては小柄でルックスも今一つだが、非常に強い自我を持っていて思うところを
迷いなく推し進めていく。そういうところに彼の魅力を感じる人が多いのでは?」という答えでした。



いつもおしゃれなナターシャさん。秋らしくシックな装い、かわいいパールのピアスでした。

第93回ロシア語サロン開催のお知らせ

2015年10月21日 | ロシア語サロン
久しぶりのロシア語サロン開催です。

ゲストはナタリア・カーズミナさんです。クラスノダール出身のロシア人で現在は瀬戸と名古屋で英語と
ロシア語を教えている彼女には今までにもロシア語サロン
お茶会ののゲストに来ていただいています。



今回は 今のロシアで話題の人たちについてお話していただきます。元レニングラード市長の娘でジャーナリストのクセーニア・サプチャクや
ユニークなパーフォーマンスで知られるアンドレイ・ベルチェネフなど政界、美術、スポーツ関連の有名人について、そして一般のロシア人の
彼らへの視線についてお聞きしましょう。


時   11月8日(日) 午後2時―4時

場所 愛知民主会館 3階ロシア語教室
          (地下鉄東山線新栄町駅2番出口より徒歩2分)

参加費 1000円(ユーラシア協会員は600円)

お申し込み : 日本ユーラシア協会愛知県連合会
名古屋市東区葵1丁目22-26

電話 :052-932-7122
              Mail: kokoshka2011@gmail.com
                (お申し込みはできるだけメールでお願いします。)

ロシア語サロン番外編「ロシア語で人形作り」に参加して

2015年02月26日 | ロシア語サロン
2月22日のロシア語サロン番外編「ロシア語でお人形作り」に参加された
林菜々子さんから感想文をいただきましたので掲載します。
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人形を作るのに針やハサミなどの裁縫道具を持参する必要もなく、しかも"女性だけの集まり"
というので少し不思議に思いながら参加しました。

お茶と甘いものを食べながらのいわゆる”女子会”の様なほのぼのとした集まりになるのでは、
と勝手に期待していたのですが、期待に反してなかなか人形作りは大変な作業で、お茶どころ
ではありませんでした。
私は不器用で周りの人が進めていくのを見て真似しながら進めていたのですが、人形が
ぐちゃぐちゃになってしまいました。しかし、ナタリア先生が手伝ってくださったおかげで、
なんとか作り上げることができました。

苦労しながら、そして助けてもらいながら人形を作ったのは、ほのぼのとした"女子会"よりも
記憶に残りそうです。


そして、針やハサミを持参する必要がなく、女性だけの理由も興味深いものでした。昔からの
考え方、風習が関係しているとは!

ロシアやその周りの国々に住む方は迷信や魔女を信じる人が多いので、そういう考え方、
風習を知るのは大切なことだと私は思います。

そういう面でもこの"女子会"は勉強になりました!


ロシア語サロン番外編「ロシア語でお人形作り」報告 その3

2015年02月25日 | ロシア語サロン
女子ばかりで集まるということで 「さっとお人形を作って 後半はおしゃべりしながら
お茶会ね!」なんて甘いことも考えていたのですが、前半の30分でそれどころではない
ことが判明しました。

みんな真剣!おしゃべりも途絶えてシーン。集中しないとできません!


「針と糸で縫った方が楽かも~~~」と弱音を吐く声も聞こえてきました。きっちりと糸で縛って
きれいに形を作っていくのは結構難しいのでした。

時間がないので とりあえず紅茶とお菓子をお出ししたのですが、作業中の方はそれどころではなく、
お茶も冷めてしまいました。

今日のお茶菓子です。

アイシングをかけた甘酸っぱいレモンのケーキ 「ウィークエンド」と ウクライナの「ロシェン」の
ミルクチョコレート。ちなみに 「ロシェン」はウクライナの大統領 ポロシェンコさんの会社です。



ナタリアさんからは カラメル風味のマフィンの差し入れもありました。


時間ははるかに過ぎてしまいましたが 最後にお茶を入れなおしてお菓子も食べました。

13歳の中学生から 孫のある方まで 参加された女性は8名。
ナタリアさんのお嬢さんの未来ちゃんとお友達のソフィーナちゃんも来てくれました。
最後に 作ったお人形を持って先生と記念撮影です。


ナタリアさんのレパートリーはまだいろいろありそうです。
「マトリョーシカの絵付けとかもやりたいですね。」「お料理やお菓子作りもいいわね~」とか
いろいろご希望も出ていました。