Sooner or Later

アンテナ3本たってます lll

考えることだらけです。

2006年05月11日 10時42分44秒 | 休日
 昨日は、私のカナダのママである、エイミーママの家に行ってきました。
以前もここに書いたのだけど、彼女は85歳にもかかわらず、一人で暮らして
、生活しています。

 その彼女の息子さんが、先日、癌で亡くなりました。
59歳という若さでした。癌と宣告されたのが、去年の秋・・・・。
あまりに早い死に、何が起きたのか理解できなかったのが、本当の気持ちです。
ママの家に住んでから、家族パーティーになるといつも招いてくれて、英語の下手な私をサポートして「君は家族の一員だよ」といってくれた優しいおじさんでした。

 昨日まで、ママ達は忙しくてゆっくり話せなかったのですが、
昨日「彼が、レコーディングしたテープがあるけど、聞く?」と聞かれて、
初めて、そのテープを聞きました。
歌の大好きなおじさんが、30分間、家族や息子、友達にあてて歌ったテープでした。色々なところに力をいれて、踏ん張ったけど、勝手に涙が後から後から・・。
講習で、色々なこと考えて、もっとましな事言えると思ったのに、
ただ、ママにギュッと抱きしめてもらって、泣いていました。
本当は、ママが泣きたかったかもしれない・・・。
「本当にいい、声よね・・・」そういって、幸せそうに歌声をきいている姿は
本当に、強いなぁと思いました。
来週、300人くらい彼の友人や、親戚が集まって、パーティーをします。
みんなで、彼のことを集う会なのだそうです。

 カナダでは、香典という形ではなく、カードやお花を、残った家族のために送ります。ママのリビングには、友達からの心のこもったカードでいっぱいでした。
みんな、残った家族をいたわって、「どうかあなたが笑顔でありますように」
と手紙を書きます。
もしお金をおくるとしても、癌をサポートするボランティア達などへの、寄付金として、渡します。素晴らしいなぁと思いました。
やっぱり、ふとした時に彼を思い出して、辛くなったり・・・だけど、たくさんの人が支えてくれて、こういう優しさがまた人を強くさせるんだと思いました。

 ママは「彼は本当に、いい人生だったのよ!最後まで質のあるライフのために、彼が、薬をやめて、死ぬことを決めたこと。私は誇りに思うし、とっても幸せだなと思うのよ。」といいました。
 人の死は、本当につらく、なんといっていいのかわからないけど、
どういう死を迎えるか。それは、その人にとって幸せなのか・・・。 
クオリティオブライフ(質のある人生)本当に考えさせられます。

 日本の医療はとても優れているけど、それなのにまだまだ、この事について、考える人が少ないことが悲しいです。
私も医療に携わる、仕事の一員として、もっともっと考えなければと思いました。