Une petite esquisse

日々の雑事の中で考えたこと、感じたことを徒然に書き綴ります。

ラオスに何があるか考えてみた!

2019年06月20日 | 旅の情報
村上春樹への手紙


プー・タートの黄金色に輝く仏像、(ウドムサイ)

村上春樹様

 あなた様には理解し難い事でしょうが、ラオスにはみずみずしい自然があります。
自然保護が行き届いていて、森林地域のおよそ半分は天然の熱帯雨林、
そこには ベンガルヤマネコやドウクラングール(オナガザル科のサル)などの
多様な野生の動物や、野生の植物の棲息が確認されています。
化学肥料や農薬を使わない新鮮な有機野菜とハーブを使ったヘルシーで美味しいラオス料理があります。
そして何よりも貧しくとも、笑顔を絶やさないラオスの人々がいます。
 巨大洞窟や滝が至る所にあり、滝や洞窟マニアにとってはたまらない魅力です。
ラオス最北部のルアンナムータには、トレッキングやカヤックでの川下りを目当てに欧米人の旅行者が詰めかけます。
 日本にも優れた手工芸品があるように、ラオスには手紡ぎでの草木染、金銀細工、竹かごに籐製品、
手漉き紙を使ったランプシェードなどの紙工芸品やシルク織物などの優れた伝統工芸品があります。 
それらはルアンパバーンのナイトマーケットでも目にすることができます。

「街そのものより街外れにある飛行場の方がたぶん大きいだろう」とルアンパバーンを玄関だけが立派で部屋数の少ない、
小さな家に例えられていますが、銀座の街そのものより、東京の玄関口の成田空港の方が大きいからと言って、
玄関だけが立派で部屋数の少ない家と、誰が例えるでしょうか?
成田空港の大きさと銀座の価値が何の関係もないように、
街外れにある飛行場の大きさとルアンパバーンの街の価値は何の関係もないと思います。
自転車をレンタルされて、ラオス織物のシエンレック村や紙漉のサンコーン村、銀細工のパノム村を訪問されてはいかがでしょうか、
いかにルアンパバーンが大きい街か、村上様でも理解できると思います。

 村上様は「托鉢」と「喜捨」の意味が充分に御理解されていない様ですね。
僧侶が托鉢で喜捨されたものは、再び道端に座っている貧しい人たちに分け与えられます。
それに朝の托鉢をよく観察すれば、必ずしも列の先頭に位の高い僧侶が立っているとは限りません。
 「袈裟と日傘を同色にすれば色彩の統一感が際立ち、ルアンパバーンの風景は、今にも増して印象的なものになるに違いない、
僧侶としての彼らのアイデンティティも、より揺るぎないものになる」と本気でお考えでしょうか?
「ヤクルトスワローズの熱心なフアンが緑色の傘を携えて勇んで神宮球場に行くみたいに」にいたつては
全く同一性がなく笑うしかありません。
 ラオスの風景として、日傘と袈裟が同色の方がルアンパバーンに似合っていると思われるなら、
セレブ御用達の「アマンタカホテル」にお泊りのようで、お金はあり余るほどお持ちでしょうから、
ご自身がルアンパバーンのすべてのお坊さんに日傘を「喜捨」されるのが良いかと思います。

 素敵なレストランでゆっくりディナーを楽しんだ、メコン川で採れた魚料理を注文して美味しかったが、
次の日に「朝市」をぶらぶら歩いて、店頭に並べられている魚の姿を目にしたとき、
思わず息を呑んでしまった。「ええ、こんな魚を僕はこれまで食べていたのか!」と軽いショックに襲われることになった。
ある店では、串に刺したネズミだかリスみたいなものを売っていて、とにかく食べてみたいという気を起こさせる代物ではない、
食べてみたら美味しいかもしれないけれど、と述べられてます。
 ニューヨークにいた頃、知人のエクアドル人に最高の御馳走と思って、日本料理店でSashimiを食べようと言ったら、
「え~、生の魚?を食べるの?」と身震いされて拒絶された事を思い出した。
 サカナを生で食べる習慣の国もあれば、カエルの串刺しを食べる国もあり、ナメクジに似た「カタツムリ」を食べる国もある。
それぞれの国の食文化、食習慣は「いかにグロテスクに感じ、自分が食べる気にならなくとも」尊重すべきだと考えます。
 何かを探すためと言いつつ、何も探そうとはせず、ラオスに「後発開発途上国」のレッテルを貼り、
野蛮さを印象づけようとしているようにしか思えません。

 村上様の著書の中で「ノルウェーの森」と読者の受け狙いとしか思えない、タイトルの小説がありますが、
不倫エロ小説に「ノルウェー」などというタイトルをつけるなとノルウェーの人は言っていると聞いています。

まず、旅をするなら少なくともガイドブックなどで、その国について調べられた方がよいと思います。
そして、その国の習慣、食生活、文化を尊重するようにお勧めします。



パークウー洞窟、(ルアンパバーン)



ナムカン川に架かる竹橋(乾期のみ)、(ルアンパバーン)


サンコーン村の紙漉、(ルアンパバーン)


メコン川に夕陽が沈む瞬間、プーシーの丘(ルアンパバーン)


ナイトマーケット、工芸品のランプシェード(ルアンパバーン)


ラオス伝統舞踊、レストラン「クア・ラーオ」、(ビエンチャン)



ラオスに海がある「雲海」、(ポンサーリー)


ワット・パワット、ベトナム戦争で無残に破壊された仏像、(ムアンクーン)


雨の日の朝の托鉢、(ムアンクア)


揺れる吊り橋、(ムアンクア)