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死にたいという言葉を使わずに死にたいと表す試み
みたいなことを続けていた時期があって
当時の臨床心理学の教授に文章を見せたら
生まれ変わりたいの？って言われたけど
いやそんなことないですって素で答えてた

やり直す気力なんてなかった
ただ理想の断片があって
かけ離れた自分があって
もう見たくなかった
ただ消えたかった
そもそも始まりたくなんてなかった

人生で一番やべー時期だったけど
今思い返しても本気で死ぬ気なんてなかった
はじめからなにもかもなかったことになればいいのに
なんて願ったってそんなこと叶うはずもなく
敗れた現実の続きを今も惰性で生きてる

去年一番売れたのは自殺がモチーフの歌
なんてことを聞くたびにそんな思い出が蘇る

今を打破したい人が多いのかな
それ自体はとても健全なことと思う

もっと世界が単純なうちに死んでおけばよかったと
またいつか思うのかな
でも不思議なんだ
歳を取るとまた世界がだんだん簡素になってくる
夢だとかキラキラしたものに勝手に縛られることもなく
おばさんが一人ひっそりと死んだってどうということもない
それはなんてほっとする
気楽な世界だろうか
やっと許されたような心地さえする

今いる私は本当の私じゃないと
ずっと思いながら死んでゆくとしても
それはそれで