恥を知れ

サディスティック・サディーの生かさず殺さず日記

8/25

2024-08-25 21:19:07 | art

8日間で3美術鑑賞
新記録かも

そんなことより鳥獣戯画展3期(丙丁巻)ですよイェーイ
リアル繁忙期との兼ね合い的に今日しかないと判断したよイェーイ
ちなみに浮世絵の方は微妙に会期がズレてるのでもう1回行かなきゃだよイェーイ
まあ芸森にもう1回行くってなったら考えるけど近美なら誤差の範囲だからいいやイェーイ
実際今日もだいぶグダグダしたのち行ったしな
近いって素晴らしい
国芳くんだから絶対観たいよイェーイ

今回の展示は人物戯画中心
甲巻や乙巻で展示されていたような
擬人化された動物をさらに人間が真似るようなパラドックス
という説明だけでゾッとして
以降すべてがどことなく不気味でグロテスクに思えてしまったのが今回のハイライト

そう思いながら見ると
あんなにユーモラスで楽しげだった前半の鳥獣戯画さえ
そこはかとなく不気味でグロテスクに感じられてしまうのだから
人間の感性ってあやふやで面白い

あれほんと誰が何のために描いたんだろうね
永遠にわからないからこそこのぞわぞわした感じは永遠に続くのだろうな
それが魅力ってとこまであるし

図録買うつもりなかったのに買っちゃったわ
入れ替え多すぎて3期通し券でも見られてないのあったし
鎌倉時代のお坊さんである明恵上人がなんでこんなに大人気なのかもまだよくわかってないし
私が生きてるうちにこの国宝を生で見ることはもうないかもしれないから
あとやっぱ鬼好きとして百鬼夜行も鳥獣戯画も外せないのよ
特に乙巻の架空動物のあたりさ
解説はなかったけど山海経の影響がなかったとはいえないよね?ね?

あと南方熊楠が書簡で描いてたゆるすぎる猫の絵が忘れられなくて
いやあれ時々眺めて癒やされたいわ
話の内容全然入ってこなくて申し訳ないけど


 

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8/21

2024-08-21 23:51:30 | art

初めて夏季休暇なるものを取得してみた
有休との違いがよくわかんないけど
代休もしぬほど余ってるけど

そんなことより芸森である
行ってきたよ水木しげるの妖怪百鬼夜行展
土日は絶対大混雑でやる気が出ないと判断したので
あと鳥獣戯画展の3期も考えると土日どっちも外出するのは嫌なので
抜け目なく平日に休みをとった私の慧眼よ()
出かける前に自分も衣類も洗って今日はスーパーえらかったな()

盛りだくさんで見応えのある展示だった
生原稿とか昔のマガジンとかも
でもあの原稿写植があったりなかったりしたけど本物なんだろうか
バチバチに描き込んで修正の跡もあって本物ぽいけど
それゆえ中途半端な写植の状態が気になった
もしかしてボツ原稿だったのかなあ
でもそうならそうと説明がありそうなもんだけど
昔の少年マガジン薄かったなあ
今の半分か1/3くらいじゃなかろうか
雑誌掲載時の様子も興味深かったが他の連載陣が豪華すぎてヒョエーとなった

私は鬼太郎と悪魔くんをアニメで見たことある程度のものだけど
ゲゲゲの女房は見といてよかった
なぜか録画までして欠かさず見た唯一の朝ドラ

荒俣宏や京極夏彦のインタビューVTRもよかった
一緒に神田の古本屋に行こうってなるんだけど
喫茶店に誘われて2~3軒連れて行かれて
クリームソーダ7杯くらい飲んでナポリタン食べて
結局古本屋は行かずに終わった荒俣宏先生のお話は笑った

妖怪研究家でもあり貴重な資料を収集していたこと
そういうのって運良く残っていても散逸しがちだから
誰かどえらいマニアが一箇所に集めてくれると助かるんだよね
博物館にしてくれたらなおよし
境港の記念館にあるのかなそういうのは

鳥山石燕って狩野派なのね
弟子に喜多川歌麿もいたというから
おそらく他のジャンルも描くちゃんとした絵師だったんだろうけど
3冊1組もの妖怪画をものすというのはやっぱり情熱がないとできないよね
好きだったんだろうなあ
水木先生が親友を見つけた気分になったというのもわかる気がする

鳥山石燕の百鬼夜行は絵のみで解説がなく
柳田國男の妖怪談義は文章しかない
このほか子供の頃に聞いた話や体験したこと
戦争で南方へ行った時に現地の人から聞いた話や体験したこと
日本の民俗学
世界中の民話や伝説や道具
そういった断片的な情報をまとめると1つの妖怪が浮かび上がる
口で言うのは簡単だけれども
これって実はとんでもなく重大な功績ではなかろうか
能が一種の整理文学と呼ばれていることを想起させられる
しかも採用基準が
 祖霊がいいと言うかどうか
っていうのがね
自分の体感で腹落ちするかどうかではあるんだけど
そこに祖霊を降ろしてたたんだなと
 キャラクターを作るんじゃない
 妖怪は見えないけど絶対にいるんだから
 いろんな人がいろんな情報を残してる
 そこから掴み出してくるだけ(だいぶ意訳)
というスタンスも合わせると
本当に妖怪へのまなざしが真摯で愛にあふれてる

ビジュアルに元ネタがあるものはびっくりするほど原画に忠実でびっくりした
ものすごいリスペクトだ
と同時に原画のユニークさエキセントリックさに改めてびっくりする
震々(ぶるぶる)なんて妖怪の輪郭自体が波打ってて髪の毛もソバージュみたいで
これの原画って……
と目を移したら石燕もすんごいぷるぷるした線で描いてて笑っちゃった
ただ忠実なだけだった
いやあ江戸時代にこんなぷるぷるした線描いてた人ほかにいたのかなあ
わかんないけどクッソ面白いなあ

古事記も日本書紀も読んだことない不勉強者ですけど
鬼の研究と蟲師を好きでよかった

たぶん自然現象なんだろうなとか
さすがに気のせいでしょとか
それはもうそういう人だったのでは……?とか
感じることはいっぱいあるんだけど
それに妖怪○○と名前をつけて畏れることは
ものごとの折り合いの付け方のひとつだったんだと思う
凄惨な事件を鬼と呼んで処理したように

たとえば山で転ばす系の妖怪いっぱいいるんだけど
山は道が悪いからしょっちゅう転ぶのは当たり前だったわけで
でもそれに名前を付けて妖怪にしちゃう
自然への畏怖でもあり
どこかユーモラスで人間味のある解決の仕方
やれやれしょうがないなって苦笑や諦念も含んでいる気がする

それはなんて豊かで愛おしい世界の見え方だろうか
私は鬼のいる世界は豊かだと信ずるものだから
妖怪のいる世界は豊かだという主張も完全に肯定するし首がもげるほど頷くよ

鬼好きとして一番アガったのは三吉鬼かな
酒屋の酒を盗み飲んで
代金を請求しようとすると仇をなしてくるが
黙って飲ませて返すと夜に酒代の10倍分くらいの薪を持ってきてくれる
秋田の人間臭い鬼神
ということだったんだけど
それはもうただの酒癖の悪いおっさんなのではなかろうか
ほんとに鬼なの……?ましてや神……?
って内心クッソ笑った
頑張って鬼っぽいところを探すとすれば蓑を着てたことかな
帰ってきた祖霊の雰囲気はちょっとある
あと善いことも悪いこともするあたりは少し昔の神様っぽさを感じる

アマメハギっていう年替わりの晩に出る能登の妖怪もいて
神の使いともいわれてるらしいが
これなんかまんま大晦日に帰ってきた祖霊だよね
各地に似たような伝承がありそう

一つ目の妖怪もちらほらいて
全部ではないにしろ
阿用の一つ目鬼のように片目を潰された人もいたんだろうなと

岩魚坊主は僧に化けて殺生しないよう諭してくる魚の妖怪
これなんかはめちゃめちゃ能を思い出す
殺生を咎めてくるのは善知鳥か
求塚もそうかな
狂言の魚説教てのもあったね
時々過剰なくらいものすごく殺生に厳しいんよね能って
仏教思想の普及にともなうものか
時代の根底に共通する罪の意識があったのかなとぼんやり思いを馳せたりして

砂かけ婆のビジュアルは地方のお祭りの鬼の面と装束を参考にしているとか
子泣き爺も郷土芸能の舞踊で使う仮面を参考にしているとかもワクワクしちゃう
あの野生の能面みたいなやつ好きなんよね
洗練された能面とはまた違うプリミティヴな魅力があって

河童にあんなに種類がいるなんて知らなかったし
山にいる小さきものの集団という概念も各地にありそう
もののけ姫のコダマみたいなやつ

久し振りの芸森
体力的にはめちゃくちゃ疲れたけど
天気も晴れたし気温もちょうどよくて南区の自然を満喫し申した
よき休日であった

---

考えてみたらうちにも妖怪いるもんな
妖怪リモコン隠しっていうんだけど


 

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8/18

2024-08-18 22:21:19 | art

本日まったり美術館DAY
7月はPMFとオリンピックで忙しかったから
繁忙期明けたら美術のターン
なにしろ鳥獣戯画展は謎に張り切って3期通し券買っちゃったし
芸森の百鬼夜行展も行かなきゃいけないからね
気付いたらいろんな締切が迫ってて8月もクッソ忙しい

今日は近美
京都高山寺展の2期(乙巻)最終日に滑り込み
前回が超大混雑だったので今回も整理券もらう気満々で行ったのだが
全然スムーズに入れてちょっと肩透かし
やっぱり甲巻が一番有名で人気ってことだったのかなあ
あの兎と蛙と猿でびじゅチューンにもなってるし

甲巻の複製は全期通して見られるということで
何回見ても面白いな
後編のつながりがちょっとおかしくなってるのはどこかで修正したの見られないかな
お坊さんにいろんなお供え物を捧げてるとこね
複製とても精巧にできてるんだけど
やっぱり実物を見てしまうと紙の古び方とか絶妙なヨレ方とか
それでいてついこの間描いたかのような鮮やかな筆致に息を呑んでしまうな
乙巻後半は架空の動物や当時日本にいなかった動物
いきなり犀が甲羅しょってて
霊亀とか玄武って犀のことだったの?
いや犀は甲羅ねぇし!
ってのっけから度肝抜かれましたね
豹とか虎とか獅子とか大型猫科動物の描き分けが意外とできてるの面白かった
まあ獅子はライオンというより架空寄りかなと思うけど
他には麒麟とか白象とか獏とか居並ぶ中でヤギが個人的にツボった
ヤギて
当時日本にいなかったとはいえヤギて
虎とか象とかは強そうだったり大きかったりで憧れるのわかる気がするけど
なんでヤギ
しかも結構写実的だった
当時日本にいなかったのになぜ
おそらくインドや中国から伝わった絵をさらに模写してるんだろうと推測するが
言うて小さな馬みたいな感じじゃん
家畜感あるじゃん
このラインナップに加わって描かれるのすげえなって

もうだいたいヤギに持ってかれてるんですけど
篆隷万象名義(てんれいばんしょうめいぎ)は何度見ても面白い
あと響きがかっこいい

あとハイライトを挙げるとすればやっぱり曼荼羅かな
色褪せても美しい構図なんだけれども
それより盧遮那仏を囲むの4柱がなんか統一感なくて
毘沙門天と持国天はわかるが
あとナントカ菩薩とナントカ菩薩みたいな感じで
増長天と広目天の別名だったりしたんだろうか
ちょっと調べられなかったけど
古のCLAMP脳が呼び覚まされてどうしようかと

曼荼羅自体は後半の南方曼荼羅に通ずるものもあって興味深い
2回目だけどじっくり見ちゃった
だって1回じゃ覚えきれないもんね
土宜法龍(明治時代の住職)と南方熊楠が手紙でケンカしてたのやっぱクッソ面白い
そのあと仲直りして南方曼荼羅を至上の宝と激賞してるのも面白い
私にはぐしゃぐしゃの落書きにしか見えなかったが
あと熊楠が遺伝かなんかの話をしてるんだけど
大きい猫と小さい猫とさらに小さい猫のイラストがあまりにもゆるすぎて
何度戻って見返しても話が全然入ってこないの面白すぎた

小川義章(昭和の住職)来訪録も面白かったな
ハイライトされている以外にも読める文字を片っ端からぐぐると
まあ出てくる華族やら芸術家やら
丹下健三の隣のページに黛敏郎一家がいたり
岡本太郎の隣のページに雙葉高等学校修学旅行団がいたりね
美の巨人たちで知った写真家の土門拳も心酔していたようだが
今こういう宗教家というか存在っているのだろうかね

茶恩という考え方も初めて知ったな
イベント化したいだけではという気もしないではないが
まあ茶道も普段飲むお茶も文化として根付いてるし
これだけ由来がはっきりしていれば感謝したくもなるか
今調べて知ったけどお茶を飲むと目が覚めるから修行僧の味方だったのね
カフェイン感謝祭じゃん

2階でしばし休憩して
後半は浮世絵のターン
国貞兄さんの江戸名所百人美女

江戸の風俗面白い
知識があればもっと楽しいんだろうなあ
とりあえず食べ物が描かれてると無性に気になってしまう食いしん坊で面目ないことですよ
タコ足食べてる?!と思ったがイカゲソかもしれない
江戸前では何がとれたのかなあ

あとはとにかく着物の柄が凝ってて多彩で豊富すぎる
幾何学的な文様や伝統的な文様もあれば
何それ?!って奇想天外なのもある
どう見てもタコみたいな模様があったり
囲碁みたいな柄はポップで現代でも可愛いと思う

あと花魁ってウィッグつけてたの?!てのもびっくりしたな
よく考えれば別にそう不思議ではないのだが
考えたことがなかったもので

あと当時のお祭りで売られていたと思しきお面に興奮してしまった
お面!当時のお面!O・ME・N!
鬼っぽいのは風神雷神的な何かか
金太郎みたいな童子
遊女風
助六的な男子
黒地に赤丸の帽子は閻魔大王ですかね
いずれも目から上だけなのが西洋の仮面舞踏会と同じくらいの被覆度で興味深い

今回も面白かった
浮世絵の3期はいよいよ国芳くん
また高山寺展の3期と合わせて見るつもりだけど
会期微妙に違うの何なん……
どうせなら合わせてよ……
またこれだけリピートしても全然いいけどさ……


 

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8/12

2024-08-12 12:37:16 | paris2024
新競技のブレイキン
さっそくスポーツとしての最初の試練に出くわした感

違うスポーツだから同列に語れることではないけれど
あーこれ好きだけど競技会向きではないよねとか
あーこれかっこいいけど減点なんだよねショーでやろうねとか
フィギュアスケートでもよくあることで
採点競技の宿命ともいえるし
スポーツになるってそういうことだと
ため息にもならないため息を何度も吐いてきた気がする

例えば私は足がピンとまっすぐ伸びたプレーンなキャメルが好きなのだけれど
変則的なポジションの方が加点されるから
トップ選手の大会ではほとんど見られなくなってしまった
(たまにEXとかでお目にかかるとうれしくて\コンニチハー!/って気持ちになる)

そこそこ有名になったからなんとなく受け入れられているが
回転不足っていうのも正直意味わかんないし
だいたい跳べてりゃいいじゃん
転倒の二重減点もいまだに納得いってはいない

何が言いたいかというと
スポーツだからルールは改正していけるし
知名度が上がれば難しいルールも浸透していく可能性はあるということ
ルール改正まどろっこしいけどね
失敗することもあるし
でもスポーツとして成熟していくにはそこを耐えて続けていくしかないと思う
フィギュアスケートだって新採点になってからたかだか20年
まだ育っている最中なんよね

芸術やエンタメと近い距離にいて
自分含めた素人にも親しみやすいからこそ
すごいのになんで?って起こりがち仲間だと勝手に思うから
オリンピック競技として一歩踏み出したばかりのブレイキンには
すくすく育ってほしいと親戚のおばちゃんみたいな謎目線になってしまう

SNS時代ってのが怖いけどねぇ
どんな影響があるかまったく読めない

男子準決勝の判定はね
テレビの解説もFLAVA JAPANの解説もShigekix勝ったでしょ!って言ってたから
もちろん期待も込みだろうけど
私も普通に乗ったし信じたかったしその通りになってほしかったな
でもどっちの解説もすぐに(あーそうですか……そっちですか……)みたいなリアクションだったから
技術より多様性が重視される可能性もまったく想定できないものではなかったんだなと
ドラゴンさんも国内の試合を裁いてた方だけど
オリンピックはまた何か違う方針が話し合われたのかもしれない

それにしてもドラゴンさんのお話面白すぎて
テレビの解説も聞きたいし完全に耳が足りなさすぎた
アーカイブあるのが救いだが振り返る時間があるかどうか

ジャッジは公平
不正とかない
お金で動くような人たちじゃない
それは絶対
だ っ て 全 員 知 り 合 い だ か ら

の説得力がすごすぎて笑っちゃった
あんま笑い事でもないんだけど
オマリーさんやドラゴンさんが言うならそうなんでしょう
これ以上信頼できる根拠はない
私はジャッジの方々を存じ上げないがドラゴンさんのことを信頼してるから


 
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8/11

2024-08-11 17:45:09 | music

今日は亀井聖矢くんのピアノリサイタルに行ってきたのだ
Kitaraは今季5回目かな?
この街で一番好きな場所だからたくさん行けてうれしい

P席まで埋まっててさすがの人気
出遅れたけどチケット取れてほんとよかった
いやあぶなかった

仕事とオリンピック(テレビ観るだけ)で忙しくてなんも予習できなかったけど
ちょうど1年前くらいに買ったVIRTUOZOを開封して聴いただけでも
私にしては上出来なので自分を褒めたい
会場で新しいCD売ってたらどうしよう周回遅れになっちゃうと内心危惧したが
そんなことはなくて少し安堵した
まあクラシックで毎年新盤出すなんてことそうそうないか
ともあれギリついていけてるようでほっとした

私にとっては結構テレビの中の人という印象なので
直前まで本当に生で見られるのかな本当に北海道なんぞに来てるのかなと
謎に半信半疑だったのだけど実在したね
なんかあまり大きい人のイメージなかったんだけど
手足長くてスタイルよくて顔ちっちゃくて現代っ子って感じ

音がとにかく美しくてびっくりした
輝きをまとったピュアな響きが雲間を突き抜ける光のようにまっすぐ飛んでくる
名前の通り本当に聖なる矢のよう
ピアノってこんなでかい音が鳴るんだっけ?ってびっくりしたし
残響ちょっと多めな感じが
一夜漬けで聴いたサントリーホールの音に似てる!ってびっくりした
Kitaraでピアノのソロリサイタル聴くの久しぶりだけど全部こんなだっけ?違うよね?
明確に狙って作ってる音だよねやっぱり
これが今の彼の一番好きな理想の音なんだろうなあ
おもしろい

3階席からでもわかる手の大きさ
力強いffの打鍵
突き抜けるような透明感
超絶技巧で有名になってVIRTUOZOもまさにその路線で売ってるけど
ppもとてもよくて
個人的には特にショパンの中低音
やわらかくてやさしくて
なのになぜあんなにまっすぐ3階席まで届くんだろ
静かな音なのに波を感じてびっくりした
きらびやかな高音との対比も映える
どうやったらあんな音が鳴らせるんだろ
ピアノの蓋大きめに開けてたけど絶対それだけじゃないよな
楽器とホールと調律と演奏と
全部こだわって作り上げた音なんだろうなって

大好きなホールって何度も言ってくれてリップサービスでもうれしい

でもまあ実際会場の雑音がひどすぎて前半の演奏の記憶があまりない
よりによって静かめの曲で咳連発するやつらはなんなの
何しにきてんの?咳しにきてんの?チケット代払って
あと前から思ってたけどだれかが咳したら続出する現象あるけど
別に最初の一発があったからってだれひとりなにひとつ許されてないからな?
あまりにも咳が重なりすぎてそういう協奏曲かと思ったわ
まったく笑えねえ
演奏者もやんわり言及するレベル
咳大丈夫ですか?健康に気をつけて元気にいきましょうねって
優しい言葉選んでくれてる配慮が泣けるわ

あと個人的に隣の席にミソフォニアの敵がいて
じっとしていられなくてずっともぞもぞしてるタイプのおばさんで
あと呼吸も下手なタイプのおばさんで
ずっと小さなあくびとゲップと息こらえとンッフーていう吐息と腹の音を断続的に吐き散らかしていて最悪だった
お前は本当にそれでいいのか
自らそれらの音を発しているわけだが実際うるさくないのか
ちゃんと音楽を聴けているのかと問い詰めたくなった
いかんこのままではせっかく楽しみにしていた亀井聖矢くんのリサイタルなのに胃もたれおばさんの記憶しか残らない
体調悪いですか?大丈夫ですか?なにかお手伝いできることありますか?
って声かけの具体例を考えるとこまでいった
休憩はさんで後半になったらいなくなってたので実際体調が悪かったのかもしれない
ちょっと遅いが帰宅はいい判断だ
おうちでゆっくり療養して健康になってくれ

疫病が流行る前から足が遠のきはじめていた理由をはっきり思い出したわ
とくにピアノリサイタルは静かな時間が多いからダメージが大きい

でも今回は音の美しさがギリ勝ったかな
ピアノのはずなのに金管やパイプオルガンみたいに力強く光り輝くバッハもおもしろかったし
繊細でひたひたと感情がに滲むようなマズルカもすばらしかった
ポロネーズでいっそう華とパワーが際立つんだけど
なんていうかな
ショパンはこんなふうには弾かなかっただろなと思うんだけど
時代や楽器や自身のフィジカルが許せば
もしかしたらこんなふうに弾きたいと思ってたかもしれないし
なんていうかね
リストが弾いたらこんな感じだったかもとか
あれこれ想像しちゃうおもしろさがあった
横山幸雄先生の理知的なクールさともユンディの色彩豊かな甘みともブーニンの鋼のような説得力ともちがう
いわゆるショパン弾きが奏でるショパンとはちがう
楽譜通りではあるんだろうけど
今俺が出したい音で表したい感情を弾きたいように弾くんだっていう意志を
ビシバシ感じてしまって
それはそれでなんだかとても新鮮で痛快だった

昔聴いたブーニンのベートーヴェンプログラムを思い出したな
全然ベートーヴェンぽくなくてむしろショパンみたいに揺らしてて
なんだこれ?って思ったけど自由ですごくおもしろかった
こうしていまだに覚えてるくらい

後半バラード3番と4番
すばらしかった
より自由に
より繊細に
ことばにならない思いを音にかえて

プログラムの冒頭の挨拶がとってもいい文章で
解決のつかない心の状態を素直にそのまま綴っている
言語化能力すごい
こんなにすぐれた演奏家でこんなに文筆も上手いのかよ
エッセイ本とか出してください
すでに出してる気がしてたけどなんか調べてもなかったわ
だれと間違えたんだろ
話が逸れたけど
おっしゃるとおりショパンは曲に表題をつけることを好まなかったから
ただそこにある音の連なりでなにかが起こせたら
という発想にはとても共感するし
聴く側としてもそのつもりで臨めたのはよかった

既存の曲に自分の感情を乗せて吐き出すんだ
私は作ることはできないから
言語以外のことばに乗っかれる
乗っかっていいという救いに
救われたことが確かにあったよ

自分がKitaraに通い出した若い頃ならキラキラした高音の方にめちゃくちゃ惹かれただろなと思う
でも今は年老いてやわらかな中低音の方もグッとくるようになったな
いやどうかな
アルト出身だから昔も中低音気にしてたよな
全然成長してない可能性も十分あるな
なんの話だっけ

プロコフィエフの戦争ソナタ
悲鳴のような嵐のような激しい音のうねり
選曲の意図を想像すると言葉もない
圧倒的な力に突然殴られる理不尽さをこれでもかと
音楽でぶつけてくる作曲家と演奏家のえぐさよ

ずっと苦しみや悲しみを叫んでいるのに
不思議と救われる思いがする
ことばを超えて心に共鳴してくる響きがある

プログラムを決めたのはだいぶ前だと思うけど
脳裏にあったのは国際情勢だと思うけど
それすらきっと演奏会までに目まぐるしく変わっているし
年明けの地震は想定してなかったと思う
しかしなんとなく全部対応できてしまう音楽の懐の広さよ
戦争でも災害でも
個人的な病気や困難でも
苦しんだことのある人乗り越えたことのある人はぐっときたんではなかろうか
現在進行形の人はどうだろね
より苦しくなったかもしれないし同じく癒やされたかもしれないしわからんね
ともかく自分でも気付いてなかったことばにならないモヤモヤを
彼のピアノが叫んでくれているような感覚になったんだ
表題のない
ショパンが徹底的に意図や物語を排除した純粋な音楽を
彼が自分の思いを乗せて弾いている姿に
こちらも勝手にいろんな気持ちを呼び起こされて勝手に感動したり癒やされたりしてるんだ
一種の祈りのような奇跡のような体験
だから私はクラシックを生で聴くのが好きなんだな

最後だけ明るい和音で終わるのはあれピカルディ終止というやつかな
ほのかに匂い立つ光

華々しい閃光や
雲間を突き抜けるまっすぐな光
いろんな光をピアノの音色から感じた演奏会だった

最後が荒れ狂う曲だったのでって
自分で「荒れ狂う」って言っちゃったよ
そのとおりだったけど
クールダウンも兼ねてアンコール1曲目はショパンのノクターン
美しかった
やっぱり弱音がやわらかくていいね
ちょくちょく椅子から立ち上がっちゃうくらいアグレッシブな演奏スタイルの子が
こんなに繊細でやさしい音も出せるというね
ギャップ萌え乙と言われれば認めざるを得ない

圧巻はアンコール2曲目のラ・カンパネラ
超絶技巧で一番イキイキしだすのさすがにおもろい
水を得た魚のようだった
もう呼吸のように手足のように曲が染み付いてるのな
なんていうかね
悪魔を完全に手懐けて自在に使役している魔王
みたいな貫禄とドヤ感があってたいへんよかったですね
すごすぎて笑っちゃうラ・カンパネラは初めての体験かも
人生2度目のスタオベさせていただきました

意外と低くて渋いお声でちょっとびっくりした
高いと思ってたわけじゃないけど
テレビ見ててもそんなイメージなかったので
背高そうだから不思議ではないけど
SNSでよくどこそこの美味しいもの食べたとか何キロ太ったとか言ってるけど
北海道の美味しいものはなにか食べてくれたろうか
少しでも楽しんでいただけたらうれしい

あとずっと思ってたんだけど
ファーストアルバムの名前がVIRTUOZO(=巨匠)なの
LOVE PSYCHEDELICOのTHE GREATEST HITSみがあっていいよね
好き

ずっと思ってたついでにもうひとつ
ショパンが作品にタイトルとかつけるの嫌いだったのはわりと有名な話だと思うけど
そのわりにいかにもタイトルつけたくなりそうな色彩豊かで想像くすぐる作品ばっか書きすぎなんよ
というのは後世の人間もひとこと言いたくなるところだと思う
だからって勝手につけていいわけではないけど
なんかつけたくなっちゃう気持ちはよくわかるし
結局生きてる人間が好き勝手するのはある程度致し方ないことなので
ごめんねショパン


 

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8/2

2024-08-03 00:52:14 | paris2024

うーん、JUDOって感じ
でもルールの範囲内であるわけだし
世界にはこういう種類の強い人もいるんだよって感じ
3決も勝利はならなかったが
なんだかこのひとの柔道は爽やかだな
負ける時もきちんときれいに技で負けるからかな
それが勝負事の世界で良いのか悪いのかはわからないけど
斉藤立選手おつかれさまでした
このままピュアでいてほしい気もするし
世界の荒波に揉まれて強くなる姿も見たいし
わがままなにわかですみませんね
無視していいですからね

リネール技で金メダルとれるんだ?!
強いんだ?!
びっくりしちゃった
こういうのを東京2020でも見たかったなあ
とか言ったら怒られるかな
団体戦のさ
ウルフアロン対リネール
負けちゃったけどすごく面白かったんだよな
そんなこと滅多にないからさ


 

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8/2

2024-08-03 00:12:34 | paris2024

うう……輝ちゃん……
敗復を負傷棄権……
わしまだ一試合も観れてないのに……
いやそんなことはどうでもよくて
多少の怪我なら出ちゃうだろうから
相当な怪我ということだよ……
古傷という噂……
東京2020のあと手術したってのもさっき知ったにわかだけどさ
これからの柔道のための棄権だよねってコメント見た
そういうことなんだと信じたい

うたちゃんあきらちゃんにはいつも笑っててほしい
勝負の世界だからそうはいかないのはわかってるけど
あのこたちには笑っててほしいんだ

女子3決
IPPONを見るとそれだけでおおっと思っちゃう
それくらい近年のJUDOはモヤモヤ
本当に酷かった時よりは多少ましになったけどさ
韓国の子強くて可愛かったな
しかし相手のトルコ選手36歳で3五輪連続5位というのもつらすぎて
そこは同情しそうになっちゃう

決勝ブラジル対イスラエル
ソーザさん強かったしおめでとうやけど
技ありとったあと特に終盤は時間切れ狙いだったなあ
輝ちゃんなら体力も機動力もあるし一本とるまで攻め続けただろうなあなんて
最重量級としてはちっちゃな体で大きな海外選手に勝つところを見たかったなあなんて
にわかのくせに未練がましい

どうか今は心身を癒やして
また強い姿と可愛い笑顔を見せてほしい


 

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8/2

2024-08-02 23:49:07 | paris2024

リネールって技で一本取れるんだ?!ってびっくりしちゃった
はなはだ失礼なのはわかってるけどさ
対日本選手の試合しか見たことなかったからか
相手に指導を与えるのがうまいだけのモヤモヤするJUDOという印象しかなかった
日本選手が強いから技で勝てなくてそうなってただけなんだな

準決勝もう一試合
礼の前に煽んな
せっかくきれいな一本勝ちだったのに
斉藤仁さんの息子さん
悔しいが気持ちいいくらいの完敗だったわ
解説穴井さんの「実力ですね」が厳しくて優しい


 

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7/29

2024-07-29 06:54:20 | paris2024

明日からはそうはいかないと言ったな
あれは嘘だ

なぜかほんとに直前に目覚めて
つけっぱにしてたテレビでフェンシング勝つ瞬間を見た
夢かと思った

加納虹輝くんおめ


 

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7/28

2024-07-29 01:53:20 | paris2024

NHK内村航平
「初めて見たんですよ日本人が金メダル獲るところ生で」

ああ……
いつも自分が獲ってるもんね……
他人のシーンなんて見たことないよね……

「あと所作が美しかった」
「礼に始まり礼に終わる」

さすが体操選手
ビジュアルに敏感

あの感動をまた味わいたいなんて
まさかの復帰宣言?!
からのスタジオへ無茶振り
金メダリスト3人の高度なお戯れ
野村「いや最後にオリンピック出たの20年前だしあの緊張感とても無理」
松本「右に同じ」
内村「あー、アイスを作ってたいと」

そうこうしてたら表彰式
プレゼンター太田雄貴くん?
まじか!
うれしいな!

現地解説フェアリー大野
「いいですねぇ金メダルはいつ見ても」

野村忠宏先輩への挑戦権をこれでやっと得た段階か
あらためてしみじみ先輩ヤベーな

詩ちゃんショックはまだ個人的に見てもいなければ拭えてもいないけど
スケボー女子ストリートも日本勢が金銀入賞で
一二三くんも二連覇で
今宵もしかも連続の君が代ありがとう
今のところメダルの瞬間全部目撃してる
明日からはそうはいかないのはわかってるので別に狙ってはいない

「妹の分まで兄として頑張らないと」って
期待されているコメントに応えるプロ意識ももちろんあろうが
まったく心にも無いことを言うような人には到底思えないわけで
先輩後輩とか兄弟姉妹とかの関係性に弱い者としては
お、おにいちゃーーーん(魂の叫び)
ありがとうございますとしか言いようがない

ハグして頭ぽんぽんして
その後は目線を合わせず離れる
この絶妙さよ
家族だけど戦友みたいな
だけどやっぱり家族っていう距離感と愛情
尊い


 

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