恥を知れ

サディスティック・サディーの生かさず殺さず日記

8/18

2024-08-18 22:21:19 | art

本日まったり美術館DAY
7月はPMFとオリンピックで忙しかったから
繁忙期明けたら美術のターン
なにしろ鳥獣戯画展は謎に張り切って3期通し券買っちゃったし
芸森の百鬼夜行展も行かなきゃいけないからね
気付いたらいろんな締切が迫ってて8月もクッソ忙しい

今日は近美
京都高山寺展の2期(乙巻)最終日に滑り込み
前回が超大混雑だったので今回も整理券もらう気満々で行ったのだが
全然スムーズに入れてちょっと肩透かし
やっぱり甲巻が一番有名で人気ってことだったのかなあ
あの兎と蛙と猿でびじゅチューンにもなってるし

甲巻の複製は全期通して見られるということで
何回見ても面白いな
後編のつながりがちょっとおかしくなってるのはどこかで修正したの見られないかな
お坊さんにいろんなお供え物を捧げてるとこね
複製とても精巧にできてるんだけど
やっぱり実物を見てしまうと紙の古び方とか絶妙なヨレ方とか
それでいてついこの間描いたかのような鮮やかな筆致に息を呑んでしまうな
乙巻後半は架空の動物や当時日本にいなかった動物
いきなり犀が甲羅しょってて
霊亀とか玄武って犀のことだったの?
いや犀は甲羅ねぇし!
ってのっけから度肝抜かれましたね
豹とか虎とか獅子とか大型猫科動物の描き分けが意外とできてるの面白かった
まあ獅子はライオンというより架空寄りかなと思うけど
他には麒麟とか白象とか獏とか居並ぶ中でヤギが個人的にツボった
ヤギて
当時日本にいなかったとはいえヤギて
虎とか象とかは強そうだったり大きかったりで憧れるのわかる気がするけど
なんでヤギ
しかも結構写実的だった
当時日本にいなかったのになぜ
おそらくインドや中国から伝わった絵をさらに模写してるんだろうと推測するが
言うて小さな馬みたいな感じじゃん
家畜感あるじゃん
このラインナップに加わって描かれるのすげえなって

もうだいたいヤギに持ってかれてるんですけど
篆隷万象名義(てんれいばんしょうめいぎ)は何度見ても面白い
あと響きがかっこいい

あとハイライトを挙げるとすればやっぱり曼荼羅かな
色褪せても美しい構図なんだけれども
それより盧遮那仏を囲むの4柱がなんか統一感なくて
毘沙門天と持国天はわかるが
あとナントカ菩薩とナントカ菩薩みたいな感じで
増長天と広目天の別名だったりしたんだろうか
ちょっと調べられなかったけど
古のCLAMP脳が呼び覚まされてどうしようかと

曼荼羅自体は後半の南方曼荼羅に通ずるものもあって興味深い
2回目だけどじっくり見ちゃった
だって1回じゃ覚えきれないもんね
土宜法龍(明治時代の住職)と南方熊楠が手紙でケンカしてたのやっぱクッソ面白い
そのあと仲直りして南方曼荼羅を至上の宝と激賞してるのも面白い
私にはぐしゃぐしゃの落書きにしか見えなかったが
あと熊楠が遺伝かなんかの話をしてるんだけど
大きい猫と小さい猫とさらに小さい猫のイラストがあまりにもゆるすぎて
何度戻って見返しても話が全然入ってこないの面白すぎた

小川義章(昭和の住職)来訪録も面白かったな
ハイライトされている以外にも読める文字を片っ端からぐぐると
まあ出てくる華族やら芸術家やら
丹下健三の隣のページに黛敏郎一家がいたり
岡本太郎の隣のページに雙葉高等学校修学旅行団がいたりね
美の巨人たちで知った写真家の土門拳も心酔していたようだが
今こういう宗教家というか存在っているのだろうかね

茶恩という考え方も初めて知ったな
イベント化したいだけではという気もしないではないが
まあ茶道も普段飲むお茶も文化として根付いてるし
これだけ由来がはっきりしていれば感謝したくもなるか
今調べて知ったけどお茶を飲むと目が覚めるから修行僧の味方だったのね
カフェイン感謝祭じゃん

2階でしばし休憩して
後半は浮世絵のターン
国貞兄さんの江戸名所百人美女

江戸の風俗面白い
知識があればもっと楽しいんだろうなあ
とりあえず食べ物が描かれてると無性に気になってしまう食いしん坊で面目ないことですよ
タコ足食べてる?!と思ったがイカゲソかもしれない
江戸前では何がとれたのかなあ

あとはとにかく着物の柄が凝ってて多彩で豊富すぎる
幾何学的な文様や伝統的な文様もあれば
何それ?!って奇想天外なのもある
どう見てもタコみたいな模様があったり
囲碁みたいな柄はポップで現代でも可愛いと思う

あと花魁ってウィッグつけてたの?!てのもびっくりしたな
よく考えれば別にそう不思議ではないのだが
考えたことがなかったもので

あと当時のお祭りで売られていたと思しきお面に興奮してしまった
お面!当時のお面!O・ME・N!
鬼っぽいのは風神雷神的な何かか
金太郎みたいな童子
遊女風
助六的な男子
黒地に赤丸の帽子は閻魔大王ですかね
いずれも目から上だけなのが西洋の仮面舞踏会と同じくらいの被覆度で興味深い

今回も面白かった
浮世絵の3期はいよいよ国芳くん
また高山寺展の3期と合わせて見るつもりだけど
会期微妙に違うの何なん……
どうせなら合わせてよ……
またこれだけリピートしても全然いいけどさ……


 

コメント
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