恥を知れ

サディスティック・サディーの生かさず殺さず日記

12/2

2023-12-03 00:27:25 | oni

黒塚の女はどんなにか恥ずかしく怖ろしく悔しかったろうな
見られたくない部屋を急に暴かれて
そりゃ自分が死ぬか相手を殺すしかないよな
しかも殺せてない悲しみ
彼女も自分の心が部屋に反映されるタイプの人間だったとしたら
堆く積み上がった屍体は比喩にせよとりもなおさず彼女の破滅しきった心だ
生きることも死ぬこともできずただ腐ってゆくしかない絶望だ
自分ひとりなら目を背けてやりすごせたはずの醜さを無理やり突きつけられて
どんなにか傷つき打ちのめされたろう
いずれ露呈する破綻だったとしても

私は踏み込まれるまで数日の猶予があると知れたからまだよかった
廃墟を汚部屋にクラスチェンジするチャンスが与えられた
実質1日だけど
残りの日はフル残業確定でほぼ何もできない
自分より運の悪い人を想像して優越感に浸りたいとかではなく
大掃除のしんどさから逃避して思いを馳せたくなっただけ


 

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8/24

2023-08-24 21:29:29 | oni

というわけで行ってきたよ能楽キャラバン!in札幌
めっっっちゃ楽しかったあああ

かでる行ったの初めて
おれたちの教文様は現在改修工事中ですんで
方向音痴を遺憾なく発揮して迷いかけたりもしたが
めずらしく時間に余裕があったので事なきを得た
いやあれ地下から地上に出た瞬間が一番むずいんよね
アクセスマップに目印はたくさんあれど
それを見つけられない
出口から見える範囲にないんだもの
まずどっちを向けばいいのか
ここから見えるものだけで教えてくれ話はそれからだ

キャパは教文の半分程度ということで満員御礼
そのせいか今までで一番近かった気がする
あるいは単純に久し振りすぎて感覚を忘れただけかもしれないがもうよくわからない
いろんな音がよく聞こえて迫力と臨場感でワクワクした
客席や通路が狭いのは難儀したが結果プラマイゼロくらいかな
ほんと私の周りには誰もいないのに
普段どこに隠れてるんだろうね蝦夷地の能楽ファン

屋根がないのはぶっちゃけとても見やすかった
能楽堂っぽさが減るのは痛し痒しであるが
客席の傾斜がきつめだったので
もし屋根があったら今回のような後方席からは何も見えなかったろう
おかげで音はよく通った
真ん中よりちょい左という優良アングルだったのもよかった

まずは観世喜正先生の楽しいプレトーク
立て板に水を流すが如き名調子
何度か聞いたことあるけどほんとしゃべり慣れすぎてて
あまりの軽快さにちょっと笑っちゃう

敦盛を選んだのは今は小学校や中学校の国語や古文で平家物語を習うから
とおっしゃっていたが
ちょっと待って
私も中学校の古文で敦盛の最後を学んだと記憶しているが
もっと上の世代はそうじゃなかったのか
ていうか「今」の範囲がだいぶ広いなと思ったけど
元をたどれば1300年くらい演じ続けられている能楽の歴史から見ればまあ一瞬かと
妙な説得力で自己完結した

他の演目もそういうことなのかな
もとより土蜘蛛はわかりやすく面白いし
仕舞の曲もある程度タイトルから予想がつく内容だったし
狂言は長尺のコントみたいなものだし
わかりやすさ重視で選んでくれたのかな
ありがたいことです

敦盛(喜多流)
ワキ僧の蓮生法師こと出家した熊谷直実がとてもエエお声
とろんとするのも束の間
半能ということで後シテもすぐ出てくる
あ、敦盛キュンンンーーー!
ロンゲェェェーーー!
サラツヤストレートォォォーーー!
こ、これは融様以来のキタ━━━━(゚∀゚)━━━━感!
顔ちっちゃ!ほんでかわいい!
なにこれビジュ爆発してない?大丈夫?
などと頭悪くブチ上がる一方
なるほどなあ
十六の面をかけて黒髪を垂らせば
どんなオッサンでも小顔の美少年というわけか
よくできてるなあ
などと冷静に分析する自分も他方にはおり情緒が過労死寸前
でも今回のシテ方様は本当にすらっとしてスタイルよく
佇んでいるだけで凛とした高貴さを纏っていて
ゆっくりきれいに動くって相当難しいはずなのに
あの優雅さはただごとではない
舞も所作もほんっっっとうに美しかった

意外と激しめの踊りにドキドキ
すいすいと流れるように舞っていたかと思えば
足や膝を踏み鳴らしたり
ジャンプもするし
急にきれいなターンとか決めるから能は侮れない
それにしても型の美しいこと
一拍で完璧なシルエットにもっていくんよね
すごすぎて驚嘆してしまう
どんなジャンルでも踊りの上手さってそういうことなんだなって

装束は左右で色が違ったのが印象的
右は月の光のように輝く金色
左は夜の海に似て少しくすんだ青色
袴は柔らかな白地に控えめな金色で波の模様
紐は橙色
よく見れば金色の装束の上から青色の衣を片袖だけ通しているようだった
扇の柄は波に入り日に見えた
負修羅扇
ああ
ぐっときちゃう

ラストの男舞というやつで
戦いの前夜から最期までを再現して舞うのだが
途中で小太刀を抜くんだけれども
最後にそれをぽとりと放って
直実に向き合って
弔いを依頼するんですな

憎んだり恨んだりしていたわけではなく
たまたま戦争中だったから
立場が敵同士だったから
出会ってしまった以上
どちらかが討ち討たれねばならなかった
無骨なオッサンは自分の子ほどの若者を涙ながらに手にかけ
戦場に笛を持ち込み奏でるほどの風雅な美少年は武人として誇り高く散った
その笛の音を実は聞いていた
命を奪った方が発心して出家するところまでは原作通りだが
奪われた方が真摯な弔いに応じてむしろ成仏を願い出てくるとか
赦しとでも仏道の友とでも
どんなオブラートで包んでもらっても構わんが個人的にはやっぱり
そ れ な ん て B L ?
としか言いようがないのである
だってなんかこんなん見たことあるもん
一次か二次かも覚えてないけど
絶対見たことあるもん
解説も運命的な二人とか絆で結ばれとか書いちゃってるし
しかも絶妙に気になるところでスパッと終わるのな
これは当時の人々もえっと思ったのでは
室町時代にも腐女子は絶対いたはずなので(断言)
残っていないだけでさぞ捗ったことだろうなと思いを馳せてみたりして

敦盛って太鼓がいないのね
最初から大鼓小鼓能管の3人だけだった
そんな編成もあるんだな
あとでわかることだが太鼓が加わると躍動感とか疾走感が出ちゃうので
なるほどなあと

清水(大蔵流)
人間国宝の爪先立ちとか
とぼけた声や表情がなんともゆるくて愛らしい
客席も自然と笑いがこぼれちゃう
いつも思うけど翻案して現代の芸人さんにやってみてほしい
コント師の狂言再現シリーズ
最近のお笑いが全然わからなくて誰とは挙げられないのが面目ない

休憩を挟んで
宝生流の仕舞3つ
難波は神様とかが出てきて
天下泰平を言祝ぐというおめでたい感じの曲
脇能かな
神男女狂鬼の神ですな
野宮は六条御息所が出てくる
もしかしてとは思ったがやっぱり
鬼の研究でもちらりと触れられた曲だ
葵上では生霊で
野宮では亡霊で
忙しいっすねというか大人気っすねというか
六条御息所で2曲もあるんだということにちょっとびっくり
実在の英雄でもなく
小説の主人公でもなく
言ってみればハーレムもののサブキャラの1人で
この扱いというのは深読みしたくなっちゃう
そうすることで救われる人がいつの世も一定数いたから
これらの曲が作られ現在まで残ってきたのだろう
と思うにつけ感慨深い
鞍馬天狗は牛若丸伝説とかのあれ
仕舞なので囃子方はなく謡5人のみ
1人が前に出てきて舞い他の4人が歌う
それを3交代
まあそれぞれにエエお声のイケオジ揃いでうっとり
本当に動きがなめらかでたおやかで
流れるような心地よさに見惚れているうちに終わっちゃう
仕舞でこんなに感動するとは思わなかった
これが生舞台のチカラか

土蜘蛛(観世流)
みんな大好き土蜘蛛さん
個人的には16年ぶり2回目であるが
持ち前の忘却力により初見のごとく楽しめたので優勝です

太鼓も揃ってなんだか安心感
出番は後場からだけど

トモ従者が若い女性だった
存在は知ってたが生観劇で出会うのは初めてだ女性能楽師さん
しかも可愛らしいお声でおじさんだらけの能舞台に斬新な風が吹く
いつもは美女だろうが美少年だろうがすべからくおじさんボイスで演じられることに
なんの疑問も抱かない程度には順応していたので
そこに本物の女の子の声が混ざるとめっちゃ目立つなあ
でもまあケルビーノみたいなもんか
と思うことで自分の中ではすぐ納得した
ありがとうモーツァルト
ありがとうフィガロの結婚
他の曲だとどんな役で登場するのかなあ
女性だけで上演ってのもEテレで見かけたことある

詞章や解説の字幕助かる
教えてもらえなければ気付けなかったであろうこといっぱい
あんなピアニッシモな地謡もあるのね
通奏低音みたい
モニター位置の正解はわからんなあ
そこだけアンケート答えられなかった
舞台から目を離したくない人もいるだろうし
近すぎると目障りと感じる人もいるだろうし
マタイなら離れてても全然いいんだけどね
音楽だけだから
演劇はむずかしいね

病床の頼光がちゃんと元気のない声してて
わかりやすく弱ってる感がよかった

さっそく怪僧登場
千筋の糸すごい!
質感やばい!
本当に蜘蛛の糸みたいなクオリティ
思わずどよめきが沸いたよ
繊細で軽くてブワッと広がって
ゆっくりじわじわと落ちてきて
いつのまにか絡まっている

剣を抜いて応戦する頼光
お前メッチャ元気やん
さっきまであんなに弱ってたのに
まあそういうことあるよね
なにくそと奮起すると案外パワー出たりしてね
独武者にもノリノリで蜘蛛切に改名しようとか言い出してるし
やっぱりここのくだりはなんかちょっと笑っちゃう
剣の威徳とか
君の威光とか
なんとむなしい響きだろうか
どこか滑稽ですらある
そういうふうに作った曲なんだなって
そういう演出なんだなってはっきりわかる
ちょっとおちょくってる?と感じる時さえあったりして

頼光や四天王の物語もあるけれど
これはそうじゃない
徹底して土蜘蛛さんが主役なんだな

だって応援したくなっちゃう
塚を崩したり火を放ったりと聞くと
やめてそんなに土蜘蛛さんをいじめないでと思っちゃう

後場は蜘蛛の巣の作リ物を突き破っての登場に始まり
見た目も華やかな赤頭に
金銀ビビッドカラーのど派手な柄on柄の装束で
千筋の糸をこれでもかと繰り出して
銀テープか花火かってくらい圧巻のショーを魅せてくれる
こんなの応援せずにはいられない

演劇だから最後は申し訳程度に調伏されるけど
本当にギリギリ直前まで千筋の糸を放ちまくっていて
いつ倒されたのかわからなかったくらい
悲しむ隙も与えないくらい
ほとんど土蜘蛛さんの活躍を堪能する幸せな時間だった

気付けば舞台はもっしゃもしゃで真っ白
皆さんが糸くっつけたまま真顔で退場してゆくシュールな光景を見守るところまでがエンターテインメント

それにしても
あれだけの糸に絡まれながらの斬り組みは本当にすごい
シテなんか視界も悪いのに
一歩間違えばたいへん危険なことになりそうで
見ててハラハラしちゃうけどそこがまたスリリングで魅力的なのかな
糸もちゃんと計算して投げないとアクシデントが怖いから
あれ相当練習するんだろうなあなんて
何気にすごい技術だと思う
でも上演中は
えっいくつ仕込んでるの?
えっいつ投げたの?
って疑問を抱く暇もないくらい
息もつかせぬ怒涛の攻撃でただただ圧倒されたな

最後に附祝言というのをやりますということで
えっこの舞台で?
ハビエルマンの後くらいはちゃめちゃに荒らされたこの舞台でまだなんかやるの?
と慄いたのだが謡だけということで安心した
最後におめでたい歌でお口直しして晴れやかに締め
ああ楽しかったなあ
演目もいろいろ盛りだくさんで贅沢なひとときでした

プログラムがとても立派で
もはやパンフレットといっていいくらいの冊子で
詞章が載っているのたいへんありがたい
敦盛の詞章美しいな
いつか全幕通して見てみたい

---

私やっぱりこれだな
寝食放り出して一晩かけて長文でネチネチ綴らないとだめだ
見終わった気がしない
もういつでもできることではなくなったが
あっ書かなきゃと思ったから
少しほっとした

去年の森麻季さまをいまだに引きずっている
あまりに素晴らしすぎて
言いたいこと感じたこといっぱいあるのに
適切な言葉がまったく追いつかなくて何も書けなかった
時間と気力と語彙さえあれば今でも思い出して書きたいとは思ってる

PMFもSNSには書いたけど
こっちに書いてないのが心残りでちょっと不安
アイツは動向自体がもう怪しいから

ブログもSNSではあるが
こっちはフォロワー0とわかってるので
完全に気楽な壁打ち
どんだけクソ長くダラダラ書いても気にしなくていいし気にならない

私ほんとに社会不適合者だな


 

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8/23

2023-08-23 23:21:00 | oni

無事チケットも発券できたので
明日は5億年ぶりに能を観に行くのだ

仕事はてんこ盛り残ってるがもう知らん
この数日間やれるだけはやった
即死から瀕死くらいには抑えられたはず

土蜘蛛は人気だねえ
私が初めて観に行った時もそうだった
わかりやすいし
能にしては派手な演出もあるしね
源頼光とか渡辺綱とか
登場人物も知ってる人は知ってるだろう

半能だけど敦盛も楽しみ
十六の面はこの間能楽展でも見てきた
ほんと実物でそれだけ見ると女面かと見紛う中性的な美少年

狂言の清水も初めましてだが
太郎冠者が鬼のまねをするというあらすじだけでもうニヤリとしちゃう
敦盛とはなんのつながりだろう
水?(熊谷直実と波打ち際で戦った記憶)
それともとくに関係ない?

でも仕舞もタイトルしかわからないけど
難波と野宮と鞍馬天狗って
やっぱり全部なんとなく関係ありそう
今までの公演もナントカ尽くしってやってたし
一日かけて上演してた頃から多分そうだよね

狂言面の武悪も初めてだな
楽しみ
顰のパロディだっけ?
と手持ちの本をめくったらどうも癋見のようだった
まあそこまでドンピシャでなくとも
ニヤリとするには十分な含みがあるよね
ウフフ


 

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4/17

2023-04-17 23:06:19 | oni

さっき見た動画で
クイズにするとみんな真剣に聞いてくれるから
自分の好きなものを布教するために作問するまである
みたいな意見を聞いたのだけれど

待って
それってつまり
学生クイズ大会で能を布教したい人がいたかもしれない…ってコト!?

なんという浪漫
ちょっと寿命伸びたわ
そうでなきゃ卒塔婆小町なんて出さないよな

これからは能も出題範囲になりうると悟った才気煥発のZ世代たちが
困惑を浮かべながら
あるいは
渋面をこさえながら
能楽用語を覚えていく未来もワンチャンあるかと思うと
胸が熱くなるな

その中の何人かでも気付いてくれたらいいな
ぶっちゃけ悲劇と亡霊だらけの
この奇異ともいえる芸能がなぜ700年も演じ継がれてきたのか
社寺や武家をスポンサーとしながら
なぜ宗教宣伝や戦争礼賛となることなく愛され守られてきたのか
理由は私も知らないが
この事実だけでもうエモいということに

なにしろ能はオタクに向いてる伝統芸能
というのが持論ですから
クイズプレイヤーなんてだいたい何らかのオタクでしょ(偏見)

どなたか存じ上げないが卒塔婆小町の作問者殿には
ぜひこれからもアグレッシブな出題を期待したい
ああいつか答えになる日がくるのかな
胸躍る言葉を知ってほしいな
泥眼とか
節木増とか
千筋の糸とか
複式夢幻能とか
みんな言ってみたいでしょ

草子洗小町って答えてみたい
興奮してめっちゃ早口になっちゃって
聞き取れませんでしたって言い返されて
ドキドキしながらゆっくりと
そうしあらいこまちと言いましたって申し出て
正解ですって言われてみたい

小町物ではめずらしく
才気煥発なZ世代の(?)小野小町が活躍するスカッと爽快なお話

妄想がはやる夜はいい夜だ
このままねむりたい


 

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3/28

2023-03-28 23:34:02 | oni

クイズで答えてみたい単語は「卒塔婆小町」です

いや先日実際に出題されているのを目撃して
回答者は誰も答えなかったが
視聴していた自分だけにわかに色めき立った思い出

今時のクイズプレイヤーは卒塔婆小町も抑えてなきゃならんのか……
大変だな……
能好きだから嬉しいけどちょっと同情してしまった
Z世代に老女物かつ小町物はあまりに酷だろう
余程なにかの縁でもなければ

でも響きがかっこいいんだよね
何気に中二心くすぐる言葉にあふれてると思う
泥眼とか
殺生石とか
複式夢幻能とか
やっぱり能ってオタク向きの芸能だと主張したい
柱の名前の統一感のなさとか
囃子方の編成とか
橋掛かりはあの世とこの世を繋いでいるとか
綾鼓と恋重荷の関係とか
白式尉と黒色尉の対比とか
節木増と孫次郎の美女対決とか
そんなクイズならいくらでも答えたい
わからなくてもきっとめちゃくちゃ楽しい
深草少将とか
弱法師とか
鉄輪とか
言いたい単語が多すぎて

「草子洗小町」も言ってみたい
めずらしく爽快なお話で響きもよくて好き

能は整理文学とも言われるが
見ようによっては二次創作なんだよな
やはり血は争えないのか
オタクのDNAか

絶世の美女と謳われ六歌仙としても名高い小野小町
その老いさらばえた落魄の姿を
こんなにも執拗に想像して描写して上演して
救われるのは一体誰の何だったのだろう
だから能は面白い
そこに確かに残る鬼ごころ


 

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3/3

2023-03-03 22:48:54 | oni

ねえちょっと
今気付いたんだけど般若ってアゴが割れてる
えっショック
元は美女のはずなのに
しかも他にアゴ割れてる面全然ないじゃん
顰でさえ割れてない
えっなんで
元は美女のはずなのに
般若になった途端
角が生え眉が消え口が裂けアゴが割れる
鬼は有情の極みではなかったのか
無情すぎるだろ
ちなみに同じ般若系の泥蛇は割れてる
ただし角と髪はなくなる
あとは釈迦くらいか
でもあれアゴ割れというよりただのアゴ髭だな
じゃあやっぱり般若系だけか
なんでや
元は美女のはずなのに
異形の力を得る代償とはいえ
あまりに非情すぎる変貌ではないか

憎い男を呪い殺すためにアゴを犠牲にしてもいいのか
鬼女になりたいという方がいたら今一度よく考えた方がいい

桃の節句に何を言ってるんだろうね私は

まあそもそも般若は美しいし
じゃあいいか
アゴが割れても美女ってすごいよね


 

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2/26

2023-02-26 22:40:17 | oni

初めて翁を見られたわー
うれしー
なんかもっと儀式的な感じなのかと勝手に思ってたが
めっちゃエンタメ
めっちゃ楽しい
びっくりした
歌舞伎と能の違いのひとつに見得を切るか切らないかというのがあるけど
限りなく見得に近いキメの瞬間があったように感じた

「とうとうたらりたらりら」を聴けて感慨無量でございます
ずっと独特のリズムに乗って進行する
伝統芸能って意外と裏拍取るよね
小鼓って3人もいたっけ?
囃子方って笛と小鼓と大鼓と太鼓1人ずつじゃなかったっけ?
とにかくその小鼓隊がずっと独特のリズムを奏で続ける
大鼓が亀井広忠先生だわー
相変わらずお顔も音色もキリッとして素敵ー
前半まったく出番ないけど
鳴らさない間もなんかかっこいいムーブが
横向いてみたり意味深に紐を解いてみたり謎に大鼓を持ち替えてみたり
でも出番のことで文句言ったら太鼓の方に怒られちゃうね
ほんとに最終盤にしか出番ないもの

ああー白式尉かける瞬間見逃したー
ボンボン眉!
切顎式!
映ってたのかどうかもわからないけど
気付いたらいつの間にかかけてたー
舞台上で面をかけて外す唯一の曲ぅぅぅー
最初に舞い出した人じゃないんかーい
最初に謡い出した人の方かーい
そりゃそうか
だってお顔に見覚えあったもの
あとで答え合わせしたら観世清和先生だったわ
最初の舞は露払いですって
紐なっが
能面の紐ってあんなに長いんだ
1mくらいない?
他の演目だとだいたい髪(かつら)に隠れて見えないから
これも翁ならではなのかな

白式尉の面を外して完全に終わりの雰囲気を漂わせて
あれっ?黒色尉は?って思わせてから
柱の陰に控えていた方がやおら出てきて主役交代
えっこんな展開なんだ
ていうか激しい
舞が激しい
かつて融様の舞返にびっくりした時くらい激しい
やったー黒式尉をかける瞬間は見られたー
直線眉!
ぐるぐるほっぺ!
後ろ向きでめっちゃ後見さんが手伝ってたー
めっちゃ面白い

ていうか翁ってこんなに長いのか
なんかもっと短いのかと勝手に思ってた
総じていろいろ思い込みがひどい
今回は千々尉風流萬之式という小書きになっているが
ちょっとどこまでがオリジナルでどこからが特殊演出なのかわからない
いつかノーマルな翁も履修したい

今回が初世野村万蔵の生誕300年記念の祖先祭ということだから
初世の精霊が出てきたあたりから特殊演出かなあと拝察するけども
複式夢幻能のような
でも能と狂言の明確な境界がないような
不思議な構成に魅せられる

白頭に大飛出かな
随分アルカイックな趣のあるいい面だったなあ
色白なのが上品で
ほっぺが黒く変色か褪色(たぶん)してて野性味もあって
寿ぎ感満載の出で立ちがおめでたい機会にぴったり

酒樽の精霊www
観客が笑っちゃってるじゃんwww
もう完全に狂言www
初世さんのご実家が酒屋さんだったのね
酒樽の巨大な作リ物登場
箍が外れて各板がバーンといくかと思いきやそこはさすがに2分割だった
かつて見た殺生石と同じ方式やな
片付けるの大変だもんね
でも当代の九世も実はバーンといきたかったの面白いねwww
冠の装飾が酒なんだよなあ
小鍛冶の狐とか鷺の鷺みたいな感じで漢字で酒
飲まんぞうのダジャレとか
完全にふざけてるでしょwww
いいぞもっとやれwww

初世の精霊と人間国宝の父尉と黒式尉が3人揃い踏みで舞うおめでたさ
ほっこりしちゃった
合ったり合わなかったりする鈴の音も味わい深い
酒樽の精霊とともに初世の精霊が千鳥足で退場するところまで終始面白い
詳細を省いて精霊とだけ記されていたのズルいわー
まんまとハマったわー


 

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2/3

2023-02-03 19:35:37 | oni

たまには寿司でもと思ったらすべて恵方巻きに駆逐されていた……(´・ω・`)
じゃあ恵方巻きでもいいかと思ったが全部ファミリーサイズで極太クソデカなんよな
みんなあれを切らずに無言で食うのかすごいなあ(棒読み)
恵方巻きはペケで知ったクチです
ただもう巻き寿司を食べる日になってしまった
寿司業界の勝利
日本人の食欲の勝利でもあるからwin-winか
まあごちそうを食べる口実なんてなんぼあってもいいですからね

これで節分の風習が残って
したがって鬼もまた永らえるのならば
それでよかったのかなあ
調伏されるためだけの役割であっても

漫画やエンタメの世界ではもうちょい存在感あるしね

ちなみにお面は普通の赤鬼おじさんでした
そろそろまたジバニャンくらいのパンチがほしいところ
鬼滅も呪術もなかったからなあ
怖すぎない程度のコンテンツでなんとかひとつ


 

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5/30

2021-05-30 23:59:30 | oni

金剛流山姥白頭
拝見しました

深井かと思ったら曲見だったわ
正直能面ってどれも若干しゃくれてる気がしてわからん

前シテの装束めちゃめちゃ綺麗だったああ
金地に秋草の刺繍
青と紫の色合わせが美しい

百魔山姥がツレなのか
ワキ的役割に見えるけど
やっぱりワキは直面の男性しかいないのか

それにしても百魔山姥ってすごい名前
山姥の曲を歌って踊ってたら本物の山姥に声をかけられるって
芸能者冥利に尽きるよな

白頭は少し格の上がる小書き
青海波に車輪
山また山
水また水
あれはやっぱり輪廻を表しているのかな
中にはウロコ模様
思ったより何度も鬼とか鬼女とか言っとったね
花を尋ねて
雪を誘ひて
山廻りの歌美しかった

山の中で鬼に遭った
と聞いてイメージするおどろおどろしさは微塵もなく
山姥の哲学は透明な風のよう
いつかあらゆる妄執を脱いで自然に融けてゆきたいと
遠い目をした祈りのよう
面は普通に山姥かな
白頭上品で美しい
葉っぱのついた白い杖がかっこいい
ちょっと御幣みたいでもあって
やはり鬼といっても邪なものには思われない

アイ狂言のどんぐりころころ鬼の眼説可愛かった
とぼけた間もなんとも可笑しい

大鼓が亀井広忠さんで密かに沸いた
やっぱりめちゃくちゃかっこええ音


 

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5/28

2021-05-29 00:14:56 | oni

スウィートシックスティーン
花の17歳
娘十八

高校生の頃の部活で各学年の女子がそう呼ばれていた謎の習わし
を唐突に今思い出した謎

つっても20年以上前の記憶であるから若干怪しい
16と17は逆だったかもしれない
書き文字で見たことはないのでsweet sixteenかもしれないし
花は華かもしれないし
むすめじゅうはちはずっとひらがなで脳内変換していた

1年生の頃の2年生3年生の先輩ってやっぱ印象に残るよね
みんな面白かった

今は娘十八が鬼も十八だったという説を知ってガタッとなっている


 

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