少し偏った読書日記

エッセーや軽い読み物、SFやファンタジーなどの海外もの、科学系教養書など、少し趣味の偏った読書日記です。

マカロンはマカロン

2020-11-22 17:29:58 | 読書ブログ
マカロンはマカロン(近藤 史恵/創元推理文庫)

『タルト・タタンの夢』、『ヴァン・ショーをあなたに』に続く3冊目。

「推理もの」だが、殺人事件などが起こるわけではない。フレンチのビストロを舞台に、日常に潜む小さな刺のような謎を、食の知識と洞察力に富んだシェフが解明する、という短編連作。

あるだけ全て読みたくなるような中毒性のある作品だが、料理をめぐる謎とき、という趣向から、ネタ探しは相当難しそうだ。文庫ベースで数えると、6年間で3冊目というのはずいぶん遅いと思うが、しょうがないのだろう。

個性あふれる登場人物、食べてみたい料理、行ってみたい店。読み口は軽やかですいすいと読めてしまう。注意深く、すみずみまで配慮の行き届いた作品。この作者の他の作品は読んでいないが、探してみたくなる。

なお、タイトルは一見、分かりにくいが、読めば必ず、なるほど、と思うはず。


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