少し偏った読書日記

エッセーや軽い読み物、SFやファンタジーなどの海外もの、科学系教養書など、少し趣味の偏った読書日記です。

小説の読み書き

2021-11-13 07:00:00 | 読書ブログ
小説の読み書き(佐藤正午/岩波新書)

2006年に発刊された新書で、最近になってこの本の存在に気付いた。

この作者の本は、『ありのすさび』、『像を洗う』、『豚を盗む』のほか『小説家の四季』を読んでいる。いずれもエッセーで、他の作品を読んでいないのは、私の偏りのせいだ。私は恋愛小説とホラーは読まない。そして、基本、この作者は恋愛小説を書いている。

小説家の目で文学作品を読むと、読む作業を通じて小説は書き直される。読むことは書くことに近づき、ほぼ重なる。そのような視点で川端康成、志賀直哉、森鴎外、永井荷風、夏目漱石、中勘助、樋口一葉、三島由紀夫、山本周五郎・・・と24人の大家の作品を題材に、この人独自の「読書感想文」が展開される。それぞれのファンが読めば、火を吹いて怒りそうな切り口も。

取り上げられた作品は、読んだことがあるものが多い。20代前半までに読んだものばかりで、そういえば昔はこういうのも読んでいたなあ、という感じ。数年前に昔の本を大量に処分したので、手元にあるものはほぼない。

この人の文章はちょっと癖になるところがあって、恋愛小説のほうに手を出さないでいるのも、ハマったら面倒くさいな、という気持ちがあるからかもしれない。


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