少し偏った読書日記

エッセーや軽い読み物、SFやファンタジーなどの海外もの、科学系教養書など、少し趣味の偏った読書日記です。

日本史の探偵手帳

2020-12-13 13:23:48 | 読書ブログ
日本史の探偵手帳(磯田道史/文春文庫)

著者は歴史学者。自分が思いついた歴史上の疑問について、古文書を探索して真相を見つけ出す。そのような作業を繰り返してきた著者が、その成果の一端を『探偵手帳』として取りまとめたもの。

内容は4章からなり、第1章では、日本文化の基調をなす武士の行動様式を、中世の武士と近世の武士の違いから読みとく。

第2章では、武士社会の教育システムに関する考察から、明治維新以降のエリートの質の変化を論じ、エリートの劣化が国を滅ぼした、と喝破する。

第3章では、古文書から明らかになる「おもしろネタ」の数々を披露し、第4章では、日本史を理解するための「必読の百冊」を紹介する。

期待どおりの「軽い読み物」であったが、内容は決して軽くはなかった。