ブリットの休日

大好きな映画や小説の感想や日々の他愛ない話と、
聴神経腫瘍と診断された私の治療記録。

ハリウッドが作れなかった名作映画ベスト100!!

2014年09月28日 | 映画

 映画雑誌Cut (カット) 2014年 10月号 の特集は「ハリウッドが作れなかった名作映画ベスト100!!」だ。

この雑誌たま~にこういう映画のランキングを特集するので、ちょいちょいチェックしている。

例えば「世界の映画オタクが選んだ史上最高の映画ベスト500!」とか、結構ボリュームのある素晴らしい特集もやってくれる。

今回はもう表紙が「七人の侍」だったので、すぐにチェック網に引っ掛かり、おっ!なかなか良さそうな企画やってんじゃん、ということで購入してみた。

 ハリウッドが作れなかったとか言ってるが、どういう基準で選考されているかというと、まずそもそもが「エンパイア」っていうイギリスの映画雑誌の企画で、「英語以外の言葉が使われた映画」を定義にして、ライターや評論家が選んだものらしい。

ふ~ん、なかなか面白そうじゃないか。

で、その選び抜かれた100作品の堂々のNo.1が、日本の「7人の侍」だったのだ、素晴らしい。

この黒沢作品は世界中のたくさんの監督たちに影響を与えてるっていうのは周知の事実だが、やはり嬉しい。

続いて2位がフランスから「アメリ」でしょ、で3位がロシアから「戦艦ポチョムキン」に4位がイタリアから「自転車泥棒」・・・。

あれ~、わざわざ改めてランキングするタイトルじゃないぞ~、これは。

100位まで見たがほぼ知ってるタイトルで、結構王道の作品ばかりじゃないか。

ええ~、もしかしてやっちゃったんじゃないかぁ(^^;)

期待してたんだけど、さして目新しい情報はなかった。

「ニュー・シネマ・パラダイス」とか「ミツバチのささやき」なんて、わざわざ発表してもらわなくても、いい作品だっていうのは知ってます。

まあそうは言いながらも、100本もあれば思わず「これは観たいな」っていう作品が何本かあった。

まずは、

・2003年/ドイツ : 「グッバイ、レーニン」
なんとドイツのコメディ映画。

レーニンって言っちゃってる時点で堅そうなんだけどねえ。

なんでもその年のヨーロッパの映画賞を独占したとのこと。そしてもう一本が、

・2001年/インド : 「ラガーン」
インド映画といえば「ムトゥ 踊るマハラジャ」しか思いつかないが、あの映画より面白い作品があるというのがそそる。

ここでは“痛快すぎるスポーツ・ミュージカル超大作”って紹介されていた。

これだけでもう観るしかないでしょ(^^)

 結局ちょっと拍子抜けの企画だったが、別のページに、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマーティとデロリアンのフィギュアの写真が載っていたんだけど、この記事がよかった。

一応価格が税込72,000円っていうのは置いといて、なんでも来年の2015年が「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の30周年で、過去最大のイベント・イヤーになるとのこと。

そして改めて知って驚いたのが、「パート2」でマーティが向かった未来が、なんと2015年だったんだって。

そういえばそうだったかも。

でも「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を含めいろんな作品で未来が描かれてきたけど、時代がそこに追いついてきて、その未来世界を現実に自分たちが生きてるということが、なんだか不思議な気分だね。

そして改めて思うことは、なんか未来って思い描いたほど、文明もそうだけど、人類は精神も含めてほとんど進化してないんだなあ。


筒井康隆『旅のラゴス』あらすじと感想

2014年09月27日 | 本(小説)

 筒井康隆の『旅のラゴス』を読む。

筒井康隆といえば「時をかける少女」しか思いつかず、しかも原田知世の映画を見ただけで本は読んでないという、筒井ファンブーイングの、この作品は筒井作品まさかの初読の本である。

 ある目的のために旅を続けているラゴス。

リゴンドラの南西数キロの牧草地で、放浪する総勢40名ほどの遊牧民ムルダムの集団に加わることになる。

南方諸都市の一人旅は、追剥にあったり殺されたりと危険なためだ。

リゴンドラに到着し牛馬を売った彼らは、降り出した雪に急いで帰郷する支度をする。

リーダーのボルテツが叫ぶ。

「一刻の猶予もならぬ、全員で転移する」

転移とは全員の精神力で、一瞬のうちに別の場所へワープすること。

経験の浅いボルテツのあわただしい指示によって不安が増し、全員の緊張感が高まり精神力が下がってきた時、ラゴスが進み出る。

「俺にパイロットをやらせてくれ」

 まだまだ文明も未熟なある星の世界で、スカシウマにまたがり旅をするラゴスの生涯を描いたお話。

ラゴスが何のためにひたすら旅を続けるのか、目的はここでは明かせないが、危険と隣り合わせの旅の中でつづられる、いくつかの出会いと別れ、そして理不尽なほどの災難に、あたかも自分も一緒に旅をしたような、不思議な疑似体験を味あわせてくれる。

危機的状況に遭遇してなお、そして女性に惚れられしまったときも、あくまでもクールに、知的な立ち居振る舞いで対処するラゴスに、ある種の憧れを感じさせ、読んでいる間ずっと感じる大人感が心地いい。

そしてなにものにも束縛されず、ゆるぎなく目標へ向かって歩み続ける姿に、人生とはを問いかけられる。

現実では束縛のない世界などあり得ないが、知識と経験は自分の意志によって無限に吸収できるんだなあ、なんて改めて思い知らされる。

読後の哀愁感とそれを超える爽快感は、荒涼とした異世界で吹く一陣の風が全身を吹き抜けたような気持ちよさと、不思議な出会いを予感させるちょっぴりのときめき感をも感じさせる、素敵な作品だった。

この作品は雑誌「新潮」に連載されていて、1986年に既に出版されていたんだけど、こんな素晴らしい作品をずっと知らずに今読んでるとは・・・、悲しいなあ(^^;)


明石へ「明石焼き」を食べに行く

2014年09月23日 | おでかけ

 朝、急に明石焼きが食べたくなり、ドライブをかねて兵庫県明石市へ行くことにする。

高速を使えば2時間ぐらいで行けるんだけど、明石焼きは500円とか600円ぐらいで食べられるので、高速代のほうがかなり高くつく。

それじゃあ近くでご馳走食った方がいいんじゃない、なんて運転している間にふと思ったが、わざわざそこまで行って食べることが贅沢なんだよ、なあんて気分をまぎらす。

高速を降りてすぐ2号線の大渋滞に掛かるも、目的のお店へ13時過ぎ頃に到着。

遠目から店先の広い道路の両側に車が5台ほど路駐しているのが見えたので、嫌な予感がしたが、案の定お店の前には既に15人ほどが並んでいるではないか。

ここまで来たんだからと、同じように路駐し最後尾へと並ぶ。

この有名店、店内にテーブルが2卓しかなく、3組ぐらいしか入れないという狭さなので、30分ぐらいは待つことを覚悟したが、まあ10分が限界であり、そそくさと列を抜け出し駅前のどこかにあるであろう別の店に行くことにする。

だってぜんぜんお店から人が出てこないんだよねえ。

長い時間ならんでやっと食べられたので、一個一個かみしめてるんだろうなあ、まったく。

思い切りよく駅前に移動したのはいいが、パーキングはどこも満車で、しばらく周りをぐるぐるとまわり、やっと一つだけ空いていたコインパーキングに駐車する。

これはやばいパターンじゃないですかあ、なんて考えながらあてもなく魚の棚という商店街の方へ歩いていく。

商店街の入り口が見えた時、またまた10人ほどの行列を発見。

明石焼きのお店だ。

店内を覗いて見るとかなりの広さだったので、今度はすぐだろうとまたまた列の最後尾へと並ぶ。

なんだか最近行列に並んでばかりいるような気がする。

予想通りお客の回転がよく10分ほどで店内に入れる。

店に入ると店員の女性から「相席お願いしま~す」と言われる。

きましたよ、相席。

 以前日生のある有名店でカキおこを食べに行ったとき、同じように相席させられたんだけど、これが凄かった。

鉄板の6人掛けのテーブルに、向かい側若いアベックに、こちらは男2人。

全く知らないいちゃつくアベックと、同じ鉄板で食べさせられるという、気まずさMAXを味あわされた悪夢がよみがえる。

席に案内されると、見事に向かい側には若いアベックがおり、おきまりのいちゃいちゃで食べてらっしゃる。

まあ今回は鉄板じゃないのでいいか。

向かい側の女性が、「もうお腹いっぱいで食べられない」とか言って、男が代わりに食べてやるという、お決まりのいちゃいちゃを横目に、そこそこ待つことさらに10分、やっとまな板にのって明石焼きがやってきた。

今回はしっかりと出来上がりを写真に収め、おもむろにひとつ箸でつまむ。

ふわふわでぐずれそうになるのを慎重に摘み上げ、出汁にそっとつける。

途端にばらばらに崩れ、いきなり出汁が台無しになったような軽いショックを受けるが、気を取り直しタコがかろうじて入った一番大きなかけらを口の中へ。

熱々ふわふわの卵の生地と、大ぶりのタコのジューシーさがあわさってなんとも旨い。

まな板にのった15個を次々と口の中へ放り込んでいく。

後半になると、慣れてきたのか箸でつかんでも崩れなくなり、まるまる一個をそのまま口に入れれるようになる。

ただなんだか最初の方より旨くなくなってるような気がする。

そうだ、熱さだ。

口の中がやられそうな熱さだったものが、ちょっと冷めてる。

ちょっとした熱さで、こんなにも旨さが変わってしまうとは、なんてデリケートな食べ物なんだ。

なんだか凄いことを発見したような気になり、その微妙な違いを感じ取った自分の味覚を自画自賛する。

まあそんな薄っぺらい料理評論家気取りは置いといて、最後までおいしくいただきました。

遠くまで来たかいがあったかな。


にっぽん縦断 こころ旅 2014秋の旅 直前スペシャル

2014年09月20日 | TV(ドラマ)

294 私の大好きなTV番組の一つ、「にっぽん縦断 こころ旅」の秋の旅がスタートするということで、スペシャル番組が先日NHKの地上波で放送されていた。BSプレミアムで毎日放送されていて、録画したものを休みの日にまとめてみてるんだけど、見ている間ほんとに楽しくて、そして癒されて、いつまでも続いてほしい番組なのだ。この日の特番では、番組のファンだというタレントの吉木りさと芥川賞の柴崎友香が、印象に残るシーンをいくつか紹介したり、視聴者が選ぶ名シーンベスト10を発表したりと、とにかく名シーン続出で、最近見たTV番組の中では最高に楽しかった。もう絶対永久保存版ね。

これだけたくさんの中でどのシーンがベスト1に選ばれるのか楽しみだったんだけど、ずばり私が一番印象に残っていたシーンと偶然同じだった。フカヒレラーメンのおやじが注文を聞いて舌打ちをするという、もうありえないシーンも笑わせてくれたが、やはり人懐っこい小学生の女の子が目的地にまでついてきちゃって、最後は一緒に小高い丘の上まで歩いていくシーンが、私も含めファン納得のベスト1だった。丘の上に上がりきった時に、女の子が疲れちゃって座り込んじゃうんだけど、話を聞いたら激しい運動ができない持病があるということが判明しちゃう。ああ~、無理して登らしちゃったなあ~って、正平さんがスマンスマンってあやまるの。そして二人並んでベンチに座って景色を眺めていると、頂上から見える景色の美しさに、「風が吹いてるからなんか田んぼが動いてる」って女の子がボソッと言うと、正平さんが「あれなあ 風の足跡っていうんだ」って優しく教えてあげるという、番組の中でも言っていたがまるで映画のワンシーンを見てるような素敵なシーンに、なんかまたじ~んときてしまった。

視聴者からの心の風景を手紙に託されて旅をするんだけど、他の旅番組と明らかに違う正平さんのナチュラルさが、とにかくいいんだなあ。盛り上げようとして、いかにもっていうわざとらしい演出をしたり、無駄に喋りまくる騒々しさもなく、あくまでもナチュラルに地元の人達や自然に接している姿がいい。もちろんナチュラルに女性に声を掛けるところも含め。そしてやはり音楽の力も大きい。特に「一枚の絵葉書」っていう曲が、たまらなく素敵で、毎日通勤の間聞いている。

待ちに待った秋の旅がスタートする。正平さん、また素敵なシーンをいっぱい見せてくださいね。


百田尚樹『風の中のマリア』あらすじと感想

2014年09月16日 | 本(小説)

 「永遠の0」「海賊とよばれた男」と次々とベストセラーを連発する百田尚樹の『風の中のマリア』を読む。

百田作品を読むならまず「永遠の0」だと思い、早速ネットで購入したが、文庫本のあまりの分厚さに怯んでしまい、それっきりになってしまった。

そして「みをつくし料理帖」の最終巻が出版される間に、何か読むの本はないかと思っていたところに、この本を発見。

レビューの評価の高さと、タイトルから全くイメージできなかったスズメバチの物語というところが気に入り、初めて百田作品を読むことに。

このタイトルからどういう訳か私は女性のマラソンランナーの話だと思ったんだけど、まさかのスズメバチの女戦士(メス蜂戦士)マリアの生涯を描いた物語だった。

女王と次々と生まれてくる妹たちのために、懸命に戦い続けるマリア。

彼女が生きる虫の世界は、ディズニーが描くようなお気楽で笑いの絶えない楽しい世界とは程遠い、日々生きるか死ぬかの極限の世界。

強力な顎と牙で敵を引きちぎり、毒針で貫く様子をあくまでも淡々と描き、殺戮を繰り返すスズメバチを冷徹に見つめながらも、本能に抗うように湧き上がる感情を、まるで人間のように個性として生き生きと描写する。

いつしか自分も森の中にひっそりと息づく虫の目線で、物語を眺めている。

あまりにも儚い命を、本能の赴くままに燃やし尽くして死んでいくスズメバチの戦士たちに、生きていくことの厳しさと、全力で駆け抜ける命の力強さを突きつけられる。その姿はあまりにも悲しく、そして美しい。

ただのハチたちの話をここまで昇華させる百田尚樹、素晴らしいです。

これはそろそろがんばって「永遠の0」読まないといけないかなあ。


高田郁『天の梯 みをつくし料理帖』

2014年09月15日 | 本(小説)

 シリーズ最終章 待ちに待った高田郁の『天の梯 みをつくし料理帖』をやっと読む。

前巻の「美雪晴れ」から待つこと約半年。

ちょっと長かったです。

その間ちょいちょい忘れちゃうし、せっかく上がったテンションも随分下がっちゃったのが残念です。

やっぱりこういう何巻も出版されるものは、全巻リリースされてから一気に読んだ方がいいかも。

ファン納得の、こうなって欲しいというすべての願いが叶えられた大満足の大団円でした。

シリーズの前半では何度も通勤電車の中で泣かされてしまったけど、途中からやはりマンネリになってしまい、ちょっと心配だったけど、最後はやはり涙させてもらいました。

偶然なんだけど、クライマックスの澪と野江の再会のシーンで、iPodから森山直太郎の「風唄」が流れてきて、おもいっきしシンクロしてしまい電車の中で涙ツ~だった。

読み終わった後も、いろんな場面が次々によみがえってきて、しばらくセンチメンタルな余韻に身をゆだね、素敵な本に出会えたという幸せに包まれていた。

登場人物のすべてが、自分のこと以上に人のことを想う、その心根の美しさがたまらなく愛おしく、埃にかぶれた心が洗濯板でごしごしと手洗いされたような清々しさが、早くも懐かしい。

完結したんだけど、さっそく続きを読みたくなっている。

あとがきでそれぞれの人物のその後を書く予定があると、作者がほのめかされていたので、もう待ち遠しいんだなあ。


この読み終わった興奮をそのままに、ファンの誰もがやってしまう楽しみの一つ、TVシリーズ化されたときに、誰をキャスティングするかを考える、脳内キャスティングを私もやってみた。

ちょっと前に、驚きの「みをつくし料理帖」が突然TV放送された時のメインキャストが

澪・・・北川景子

あさひ太夫・・・貫地谷しほり

小松原・・・松岡昌宏

永田源斉・・・平岡祐太

見事にイメージとかけ離れていたので、オンエアは見てない。

誰が考えてもあなん意地悪そうで気が強そうな(あくまでも私のイメージです・・・)北川景子の澪はあり得ない。

TOKIOの松岡が小松原にいたっては、ジャニーズよいい加減にしろ!だよ。

そして次が私が考えたキャスティング

澪・・・吉高由里子

あさひ太夫・・・比嘉愛未

小松原・・・内野聖陽

永田源斉・・・妻夫木 聡

芳・・・黒木瞳

種市・・・笹野高史

りう・・・樹木希林

美緒・・・北川景子

又次・・・江口洋介

清右衛門・・・古田新太

柳吾・・・近藤正臣

楽しい・・・、楽しすぎる(^^;)

いつかちゃんとしたイメージを崩さないキャスティングで、映画化・TV化されることを願ってる。


初めての札幌

2014年09月13日 | おでかけ

 先週仕事で初めて北海道へ行った時の話。

 どういうところから見つけてきた仕事なのか、なんと人生で初めて北海道へ行くチャンスがやってきた。

しかも一泊二日の仕事は夜通しの夜間作業。

泊といいながらホテルへもいけず、観光のチャンスは、翌朝6時に札幌ドームの近くにある、とあるビルでの徹夜の仕事から解放された後、帰りの飛行機が出発する18時までの限られた時間のみ。

同僚と二人だけ、どういう訳かお互いどこへ行きたいという観光地をまったく調べておらず、いきなりさあ、どこへ行こうか?という状態に。

 そして仕事はなんとか無事終了。

まあそうは言いながらも、昨日から寝てないのでどこかでちょっと休もうということになり、すぐ近くにある「つきさむ温泉」へ、一緒に作業した北海道支店の方に車で送ってもらう。

眠い中ありがとうございました。

 この温泉が凄いのは朝6時からやってること。

なんという偶然、こんな時間にオープンしてる、しかも温泉がこんな近くにあるなんて。

少し朦朧としてる状態だったけど、ちょうどいい湯加減の温泉の湯は、なんとも極楽。

たぶん体に何かが効いてる感の独特の湯ざわりは、周りの男どもの見たくもないものを見せられるストレスを緩和してくれる。

男らしさをアピールしているつもりなのか知らないが、私はマナーとしてタオルで前を隠して欲しい派である(笑)

程よく茹で上がった後、リラックスルームで仮眠する。

1時間ほどうつらうつらとした後、シートに横になりながらスマフォで観光スポットを探してみる。

せっかく北海道まで来て、どこか一つでもいいので有名な場所へ行きたいと思い探してると、日帰りの観光バスツアーがいくつかあるのを発見。

一日コースとして「白い恋人パークと場外市場コース」と「大倉山&羊ヶ丘展望台コース」があったが、男二人で白い恋人はないなと思い後者のコースへ行こうと決める。

出発時間はJR札幌駅前8時50分かあ、と時計を見ると既に8時を少し回っていた。

慌ててまだ寝てるだろう同僚へ電話をし、急いで外へ出る。

さあ、とりあえずJR札幌駅行のバス停を探そう。

 道すがらバスツアーの話をしながら歩いている途中、何気に信号機に「羊ヶ丘」という銘板が目に入る。

???。

これから行こうとしてるバスツアーの場所も羊ヶ丘だったよなあ・・・。

これがいけなかった。

やっぱり頭が回ってなかったんだろう、同じ羊ヶ丘だから近くなんじゃないかという結論になり、このまま歩いて行こうということに決定してしまう。

地図アプリで調べるが、距離がよくわからず、近い近い!なんていいながら歩くことなんと約1時間。

10時半ごろにふらふらになってやっと料金所入り口に到着。

車がどんどん追い越して中に入って行くのをしり目に、受付の女性に歩いて入ってもお金かかるんですよねえ、なんて言いながら最後のスロープの坂はあとどれくらいありますかと聞くと、800mぐらいですとやさしく教えてくれる。

その間も車がどんどん二人を追い越していく。

やっぱ北海道に来たら歩かないとなあ、なんて笑いながらひたすら展望台を目指す。

まず最初にやることは、駅へ向かうバスの時刻を確認すること。

もう一歩たりとも歩きたくない。

時刻表を見ると、驚くことに1時間に1本しかなく、しかも次の発車時刻が今から15分後だった。

慌ててクラーク像をスマフォで写し、とりあえず行ったぞという証拠を確保できたので、次はやっぱりビールである。

焼きトウモロコシを片手に缶ビールを飲む。

ぷはあ~、運動した後のビールは最高だねえ(^^)

今この記事を書きながら、どれくらい歩いたんだろうかと計測してみると、約4km歩いてた。

随分歩いてたんだなあ(笑)

 いい気分でバスに乗り込むと、車内には自分たち二人だけ。

一番後ろの席、両側の窓際に分かれて座り、すぐに襲ってきた睡魔に引き込まれ意識を失う。

しばらくして隣からかなりの圧力を掛けられて目を覚ますと、車内は超満員に。

自分たちの席の間にもおばさんが3人も入り込んでいてギュウギュウになっていた。

目が覚めたついでに、駅前の昼飯を検索してみる。

 札幌ラーメンを探していると、駅前のビルのエスタ10Fに札幌ら~めん共和国なる、人気のラーメン店が集まる一画があることを発見。

その中でも8月のら~めん王に選ばれた「らーめん吉山商店」を目指すことに。

 10Fにやってくると、観光客と思しきおのぼりさんたちが入口にすでに10人ほど並んでいる。

開店が11時なのであと5分ほど待たないといけない。

そして開店。

店の中に走りこんでいくおのぼりさんたちの後を追って、自分たちも思わず早足になる。

一画に8店舗のラーメン店が入っており、みんな同じ場所に行くんだと思い込んでいたが、いい具合にばらけて、吉山商店も余裕で着席できた。注文はもちろんら~めん王に選ばれた「焙煎ごまみそらーめん」だ。

私はおいしそうなものを頼むとき、すぐに誰かに教えたくなるので、まずカメラに撮ってやろうと思うんだけど、いつも食べている途中にそのことを思い出して、ほとんど来てすぐのものを撮ったことがない。

もちろん今回もすっかり忘れてしまった。

まずスープを一口。

「うっまあ~」。

こいつぁいけねえ~、いけねえよお~。

ちょっと今まで食べたことがない旨さだった。

ゴマの香ばしさに、普通のみそとは全然違う甘みと深みのある絶妙のスープ。

こんなにうまいラーメンがあるんだねえ、最高。

 店を出ると既に12時を回っていた。

ラーメンが旨すぎて満足してしまったのか、もう新千歳空港へいってゆっくりしようということに。

まあここまでで結構くたびれてしまってたこともあるが、空港内になんと温泉があることが判明していたため。

 空港に入ると、来たときはすぐに外に出てしまったので気が付かなかったが、とにかくその広さに驚いてしまった。

ふらふらと徘徊し、気が付けば展望デッキにでて、飛行機の発着陸をぼお~と見てた。

そして本日2回目の温泉に向かう(^^)

朝と全く同じ行動を繰り返し、お決まりのリラックスルームへ。

天井のエアコンの吹き出し口の真下の席に横になり、ゆっくりと眠りにつく。

程よい冷気が火照った体に心地よく、完璧に寝ていたところに、あり得ないほどの大きさで静寂をやぶるいびきで目が覚めてしまう。

時計を見ると15時30分。

18時までまだ時間はあるが、このいびきをずっと聞かされるのは堪らないので、仕方なく外へ出ることに。

 人ごみの中、フロアいっぱいにいくつも並ぶお土産屋さんを見て回る。

そこらじゅうに目に入る「白い恋人」という文字。

たぶんこの超有名なお菓子、食べたことない人はほとんどいないだろうに、なぜに北海道まで来てまたこのお菓子を買っちゃうのかなあ。

まあ余計なお世話なんだろうけど、自分は絶対に買わないぞと心の中で誓う。

じゃあ何を買えばいいのか・・・。

歩きながら新千歳空港・お土産・ランキングなんて検索していると目の前に15人ほどの行列を発見。

店の前にある看板に、シルシルミシルサンデーの北海道お土産スイーツ1位「焼きたてチーズタルト」という文字が。

さっそく最後尾に並ぶと、すぐに年配のおやじ3人が私のさらに後ろに並んできた。

既に大きな紙袋にぎっしりとお土産を買いこんだ3人のおやじ達が口々に、「あたしゃあ並ぶのなんか大嫌いなんじゃ」とか「並ぶやつの気がしれん」とか言ってる。

一番後ろに並んでるあなたたちがそれを言う、なんて思ってたら、なにを思ったのか、並んでいる自分たちのすぐ横の棚に積んであるクッキーの箱を手当たり次第にかごに入れだす。

この行列がチーズタルトでできているのが全く分かってない様子。

焼きたてということでちょっと待たされたが、やっとレジの前に到着。

少し前の外人の男性が、おいしそうにソフトクリームを注文して食べていたので、同じようにチーズタルトと一緒に濃厚ソフトクリームを注文する。

すぐ後ろに並ぶおやじ達の番が来たので、さすがに目の前でチーズタルトを焼いているので気が付くだろうと思ったが、そのままクッキーを5箱ぐらいづつ買っていった。

並んでいる間に教えてあげようかとも思ったが、まあいっか、お疲れ様。

その後もいくつかお店を回りいろいろと買ってしまいかなりの出費に。

まあいっか。

 やっと搭乗時間がやってくる。

北海道へは岡山から1日一往復しか便がないので、帰りも満員だった。

隣の席に座った赤ちゃんを抱えた若いお父さんに、ちょっとやばい予感がしたが、赤ちゃんは離陸時のGにも全然平気でぐずることもなく、他のいくつかの席で泣き叫ぶ赤ちゃんの声も気にせず、しばらくすると眠っていた。

そしてすぐに自分も眠りについていた。

 北海道感はほとんどなかったけど、なんか楽しい旅行・・・、いやいや出張だったなあ。