ブリットの休日

大好きな映画や小説の感想や日々の他愛ない話と、
聴神経腫瘍と診断された私の治療記録。

NHK連続TV小説『らんまん』

2023年08月09日 | TV(ドラマ)

 現在放送中の高知県出身の植物学者 牧野富太郎をモデルにしたNHK連続TV小説『らんまん』を観て。

ずっとNHK連続TV小説を観ているファンとして、ちょっと小言をいいたい。

「エール」に続いて3年ぶりに主人公を男性に据えてのドラマで、その時点で若干テンションは下がっていたが、今回のあまりに傍若無人な主人公 牧野万太郎にまったく共感できないのだ。

 ここでちょっと今までのあらすじ。

老舗の造り酒屋「峰屋」の跡取りとして生まれ、何不自由なく育った万太郎(神木隆之介)は植物への熱が収まらず、何の計画もなく跡取りを放棄すると家を飛び出し、東京大学の田邊教授(要潤)のはからいでなんとか大学の植物学教室への出入りを許される。

まず万太郎は人は働いてお金を稼ぐという観念が全くなく、働かないくせに顕微鏡を買ったりするので実家からの大金もすぐに底をつくと、お目付役で付いてきた武雄(志尊淳)を働かせ、自分はただ植物学へと熱中していく。

運良く水生植物のムジナモを発見すると、田邊教授の助言により論文を書くことになるが、当然今までの恩も含め田邊教授との共著という形で発表するのが筋だったが、そこには田邊教授の名前はなく、そんなことにはまったく無頓着な万太郎は、教授の逆鱗に触れ大学への出入りを禁じられる。

ここまでで分ったことは、この主人公はいろんな人たちから助けられて植物学への道を歩んで行けているのに、彼らにまったく感謝の気持ちがないこと。

ただただ植物のことだけを考えていて、それ以外のことはまったく関心がないという、なんとも身勝手が際立つ主人公。

今週の万太郎は妻の寿恵子(浜辺美波)と生まれたばかりの子供を残し、何の躊躇もなく有り金を全部持って植物採取に旅立ってしまうという展開。

あまりに勝手な万太郎のモデルとなった牧野富太郎なる人物ってどんな人だったのか調べてみる。

驚いたことに、さらにとんでもないエピソードが満載だった(^^;)

まず実家の「峰屋」が店を閉じる原因は、ドラマと違い万太郎がひたすら実家にお金の無心を続けたせいで借金がかさみ、店を売り払うことに。

さらにこのとき「峰屋」を仕切っていたのは、富太郎の許嫁の牧野猶という女性で、富太郎は結婚していたのに東京で壽衛と結婚する。
まさかの重婚です。

しかも晩年出版した自伝には、そのことにはいっさい触れられていなかったとか。

富太郎と壽衛の間には13人の子供が生まれ、うち6人は死産または早世しています。

そして壽衛は享年55歳でこの世を去ります。

ちなみに富太郎は96歳という長寿を全うします。

 そんな史実も含め、とにかく浜辺美波演じる寿恵子が不憫でならない。

「万太郎よ、もっと寿恵ちゃんに感謝しもっともっと大事にしろ、ばかっ!」


「ちむどんどん」でもそうだったが、ホントはもう観たくない(笑)

それでも朝8時から絶対に観てしまうんだよねえ(^^;)

とにかく、
”寿恵ちゃんに幸あれ!”

さらに今週は遂に田邊教授がダークサイドに落ちるようです・・・