ブリットの休日

大好きな映画や小説の感想や日々の他愛ない話と、
聴神経腫瘍と診断された私の治療記録。

原田マハ『本日は、お日柄もよく』あらすじと感想

2018年05月06日 | 本(小説)

 “何度も泣きました” “言葉の持つ力に感動!!元気が出るお仕事小説”

文庫本の帯にそんなことが書いてあります。原田マハの45万部突破のベストセラー『本日は、お日柄もよく』を読む。

まあ泣こうと思って読んだんじゃないけど、通勤電車の中で3度は泣いちゃいました。

帯に偽りなし^^;

 恋ごころを抱いていた幼なじみ厚志の結婚式に出席している、失意の二ノ宮こと葉。

退屈なスピーチが続く中、突然襲ってきた睡魔でスープに顔を突っ込んでしまう。

顔を洗いにいったん披露宴会場の外に出る。

ロビーに戻り、長椅子に座ると小さな笑い声が聞こえてきた。

一目で出来ると思わせるその女性は、眠気を誘ったスピーチに、次々とダメ出しをする。

しばらくして会場の中に戻ったが、あの女性が何者なのか気になり、あたりを見回してみるがみつからない。

そこへ新郎の知人として紹介された女性が壇上に立つ。

それが伝説のスピーチライター久遠久美との出会いだった。

 偶然の出会いからスピーチライターという仕事することになる主人公。

挫けそうになりながらも、周りの仲間たちのサポートにより成長していく。

よくあるパターンのお仕事小説。

ただスピーチライターという仕事を、テーマにあげることに感心する。

だってほんとうに読者を感動させるスピーチを作らなければ、この話が成立しないんだから。

普段何気なく使っている言葉に秘められた力。

感情を揺さぶり、励まし力づけてくれる言葉。

ワードのチョイスや話し方のテクニックなんかがたくさん出てきて、普通にスピーチのノウハウ本にも使えそうだ。

でも私はそんなことより、単純に素晴らしいスピーチを聴いた時のような感動が心地よかった。

別に私はスピーチ力を付ける必要もないんだけど、何か心に残るフレーズを書いてみたいという、おこがましい欲求が沸々と湧いてきてしまう。

この読後の自らのモチベーションが上がる感じもまた素晴らしい。

ちなみにこの作品、もうTVドラマ化されてました。

主人公のこと葉を比嘉愛未さんが演じるという、嬉しいキャスティング。

こういう作品こそAmazonプライムで出してくんないかなあ。