カメブログ

聖蹟桜ヶ丘に住むおじさん(通称カメちゃん)のブログ

アイ,ロボット

2005年02月13日 | 映画
題名: I, ROBOT
監督: アレックス・プロヤス Alex Proyas
脚本: アキヴァ・ゴールズマン Akiva Goldsman
ジェフ・ヴィンター Jeff Vintar
出演: ウィル・スミス Will Smith デル・スプーナー刑事
ブリジット・モイナハン Bridget Moynahan スーザン・カルヴィン博士
公開: 2004, 米国
ジャンル: SF

ロボットの設定を使えば、スピルバーグ監督が徹底的に「無慈悲を施した」AIのような作品を作ることもできるわけですが、本作品ではロボットにそれほど激しい感情を持たせず、人間側の視点から描かれています。

ストーリーの骨子自体はロボットの反乱であり、古典的です。しかしウィルスミスに、いくつもの弱みを持たせる工夫が成功し、ストーリーに深みを与えています。描かれる世界観の斬新さと併せて、傑作とは言えなくても平均以上の仕上がりになっています。

摩天楼の街を行き交う人とロボットのショットが衝撃的。
リアリティ十分な映像もそうなのですが、ロボットが雑踏に紛れ込んでいるのに違和感がないことが驚きなのです。
ヒトとヒト同士はいがみあい、蔑みあい、家族を含めた内側の世界を守ろうとしますが、機械には気を許し、敵意を一瞬失うものなのかもしれません。曖昧な緩衝地帯の意味においてはロボットはオカマのような存在なのでしょう。

カルビン博士がスプーナー刑事の自宅のオーディオに向かって、「音量を下げて」と命令したのに反応しないことに混乱していました。命令には応答するのが機械と思いこんでいるのに、刑事の自宅のオーディオは手動のボリュームだったのです。
せめてわたしが生きているうちに、信頼できるだけの音声認識機能を持ったオーディオ機器が現れてほしいものです。騒音雑音の中でも声を峻別できる音声認識機能、もしかしたら実用レベルなのにコストが見合わないので一般化していないだけかもしれません。

一カットもダレたところがなく緊張感が最後まで持続されています。
CGのようなウィルスミスの上半身も見物です。