『こんちわ、安造さん、田圃の草取りかね。日照不足で米が不作の地域もあるようだが、影響はなさそうだな、ハハハハ。このままなら豊年満作かね?、ならば楽しみだ。今年は輝さんが米作りを止めちゃって、毎年稲架掛けの新米を頂戴したが今年は駄目だ。蕎麦も殆どが作らなくなって、ソバ粉が手に入らないし、無耕作地が増えて行くな。あと5,6年したら農地は消えちゃうだろう、ハハハハ』
『おや、お珍しいな、翁さん。ええ?、枝豆があるか?、残念だが作らないわ。何か枝豆には健康効果があるそうで、人気野菜らしいね、ハハハハ。米の品種は3年前から全国区の銘柄米ではなく、県の推奨品種だよ。知らなかったが、全国の品種は800を超えるそうで、各県の農業試験場が競って地域ブランドの品種を開発しているようだが、俺の口にはどこの銘柄でも味は一緒だわ、ハハハハ』
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『この頃は、ササニシキやコシヒカリよりも北海道産のゆめぴりかなどが人気らしいね。今はどうか知らないが、高級な料亭や寿司屋、ホテルは、1年中同じ味の米が使えるように、産地銘柄を田圃で買い占めるそうで、ハハハハ。俺はここ数年は隣町の農産物販売所で、自然乾燥の米を2キロずつ7分搗きで買ってきて。朝食は米を炊き、味噌汁にお新香、温泉卵(自家製)、納豆、サケか目刺しが定番で』
『俺の場合は一人で米作りだから面倒な作業はできないので、田圃で機械で刈って籾に、乾燥も機械で終わりだ、ハハハハ。売れても売れなくても農産物販売所に並べて。俺の米で良かったら9月の半ば過ぎには精米をするから。・・・・まあ、農業もだが、林業も建具産業も次世代に繋がらなくなって、伝統的な産業文化が消えて行くわ。外国では未だに10世紀、15世紀時代の文化が息づいているそうだが』
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あとがき==「農村」がどんどん消えて行くが、民有地だからで無秩序な土地利用でスプロール化。外国の多くは公有地、だから整然と管理がされているわな、ガハハハ==放念の翁