お世話になった司馬遼太郎の本を2021年から断捨離してます。
139冊ある本を全部読んで、面白くないものは捨てていくことにしました。
今回読んだのは「花神」、これは残します。
2010年夏に読んで以来です。最高でした。2度目の方が面白かったです。
頭が悪い私としてはどう伝えればいいのか。
まず、頭が悪くても理解できます。
全3巻ですが、主人公の村田蔵六の歴史上での出番は2冊分くらいで、1冊増えたのは余談が多いからです。村田蔵六が歴史の表舞台から出たり入ったりするんですが、そこを著者が余談で捕捉する形です。ツナギですね。このツナギがないと長編小説にはならず、短編を切り売りすることになり勿体ない形になります。
司馬さんの余談が嫌いな方もいらっしゃると思いますが、この余談は数ある司馬作品の中でも抜群です。なぜなら、幕末の流れを掻い摘んで書いてるからです。感心しました。各方面(長州・薩摩・幕府など)からの余談なので全体像がわかりやすいです。驚くことに一昨年の大河ドラマの主演だった渋沢栄一のいとこ渋沢成一郎(高良健吾が演じてた)まで出てきます。
じっくり流れを知りたい方は「竜馬がゆく」なんかがおすすめですが、いまさら坂本龍馬・・・って人には都合のいい作品です。
村田蔵六という主人公に好意を持てるか否かで変わってきますが、新選組が好きなタイプには不向きかもしれません。著者があとがきにも書いていますが"合理主義の信徒"です。合理主義に憧れる私としては理想的な人物です。
イネとの関係は不満でした。私ならガツガツ行って複雑な状況に追い込まれたでしょう。ただ、私にそういうチャンスがなかったのは幸運です。
この作品でも「坂の上の雲」でもそうでしたが、司馬さんは最低な人間に対して徹底的に書くところが好きです。具体的な名前は出しませんが、読んでいただければわかると思います。徹底的、具体的に無能さを詳らかにしてくれています。私はあの世にいる彼らに対し「ざまーみろ!」と声をかけたくなりました。
織田信長も坂本龍馬もこの村田蔵六も、天は役目を終えた英雄を連れ去るんですね。
これまでに処分したのは
故郷忘じがたく候、アームストロング砲1、胡蝶の夢4、真説宮本武蔵1、大坂侍1、北斗の人1、十一番目の志士2、手掘り日本史1、司馬遼太郎の日本史探訪1、尻啖え孫市1、俄-浪華遊侠伝-1、妖怪1、ある運命について1、司馬遼太郎が考えたこと1、歴史と風土1、風の武士2、風神の門2、坂の上の雲8、風塵抄2、功名が辻4、夏草の賦2、義経2、新史太閤記2、箱根の坂3、司馬遼太郎の世界1、城をとる話1、草原の記1、上方武士道1、日本歴史を点検する1、歴史の交差路にて1、ひとびとのあし音2、空海の風景2、韃靼疾風録2、ペルシャの幻術師1、アメリカ素描1
残す作品
果心居士の幻術1、梟の城1、最後の伊賀者1、一夜官女1、おれは権現1、軍師二人1、菜の花の沖6、項羽と劉邦3、国盗り物語4、翔ぶが如く10、覇王の家1、豊臣家の人々1、春灯雑記1、戦雲の夢1、播磨灘物語4、関ヶ原3、殉死1、余話として1、歴史を紀行する1、城塞3、馬上少年過ぐ1、酔って候1、世に棲む日日4、歳月1、最後の将軍1、幕末1、花神3、