破李拳竜・日記

ここでは私・破李拳竜が行ってきた仕事やお遊びとかの日記を、つらつらと載せてあります。

勝って兜の王、ビートル! 

2006年01月26日 00時11分35秒 | Weblog
〇兜王ビートル/プロレス日誌の後半。

3月8日(火)
本日もプロレス・シーンの撮影,他にマスコミ披露の記者会見も行う予定だそうで、取材スタッフも訪れ人間の数が多い。昼に南部虎弾さんが来て、「いかレスラー」の時同様いつもの解説シーン。霊波サトー氏も同じリングアナの役。「大阪プロレス」の若手レスラー達やエキストラもたくさん来て、賑やかな撮影となる。
 「大阪プロレス」の小林広和会長はそのまま会長役で出演。レスラーの英俊選手、KID選手もこっそり出演してやられる役。また、他の若手レスラーがくもレスラーの吐き出す糸に選手が巻きつかれるシーンは、「モスラ対ゴジラ」のラストでモスラの糸に巻きつかれたゴジラの演技で指示した(笑)
 夕方記者会見のため、叶井プロデューサーもやって来た。河崎監督が斉藤氏を指して、「この人イケメンでしょう。『海猿』に出てたんですよ。」と紹介すると叶井氏は「えっ?『海猿』に出てた人が、『兜王ビートル』なんかに出ていいの?」だって。ちょっと、プロデューサーがそんな事言ってイイんですか?(笑)
 そんな調子で河崎監督と相変わらず叶井氏との漫才になり、楽しい記者会見になる。会見終了後またぞろプロレスシーンの撮影。
 「特捜戦隊デカレンジャー」主題歌を歌ったサイキック・ラバーも来てカメオ出演。実はこの「兜王ビートル」の主題歌も彼らが歌うのだ。
 クライマックス、地球の運命を賭けてビートルとディザスターが対決するのだが、それをプロレス会場を使って試合するという発想も凄いし、ちゃんと客が観に来るというのも凄い、さらにちゃんとレフリーが付いて、試合をジャッジするというのも凄い!ビートルが技を掛けられ苦しむと、「ギブ、ギブ?」と確認する。オイオイ、ビートルがギブアップして負けたら地球は征服されちゃうんだぞ!とツッコむトコロ(笑)
 レフリー役は実際「大阪プロレス」でレフリーを行っている小山良久さん。ルックスがK-1正道会館の角田信朗氏に似ているので、「髭のばしたら角田さんっぽくなって、もっと受けますよ。」と軽く言ったら「いつもよくそう言われるんですよ。」と笑って答えてくれた。

  本日でプロレス・シーンは終了。他諸々の撮影も夜9時くらいで終わる。


3月9日(水)

   今日で最終日だそうだ。その最終日にビートルとディザスターの対決を四谷のビルの屋上で撮影。こちらはプロレスよりヒーロー物っぽいバトルシーンにしてくれとの注文。しかしこの日、実に天気が良いが花粉が異常に飛んでいる日で、河崎監督はいっぺんに花粉症になってしまったそうだ、見ていても辛そう。でもスポニチに昨日の記者会見出ていた。
 で、撮影開始。ビートルやディザスターがビルの最上階に現れた姿はTV「人造人間キカイダー」でライバルのハカイダーが登場した時のイメージに見える。
 それで二人の対決の殺陣だが、台本では二人が会話してから戦いに入るシチュエーションなのだが、私はこれを、戦いながら会話したほうが、「今風のアクション」になるだろうと提案、実践する事とした。
現在主に「平成ライダー・シリーズ」等のアクションでよく戦いながら会話するというシチュエーションが行われるが、特撮映像ではこういった演出は95年の映画「人造人間ハカイダー」での、悪のサイボーグ・ハカイダーVS正義のアンドロイド・ミカエルの対決からであろうか。漫画アニメの世界ではそれ以前から「少年ジャンプ」誌上における対決物の作品で行われていた。これは、ゲーム世代の読者のスピード感に合わせた演出で、昔の対決物は「姿三四郎」に代表されるように、主人公VSライバルの対決は、盛り上げるだけ盛り上げた果てに両者激突!戦いが行われるという演出であったが、ゲーム世代のスピード感ではそんなもったいぶった話ではすぐ見放されてしまう。そこで新たな強敵が現れたら即効対決バトル!してしまう。・・・しかしそのままでは敵キャラがあまりにも薄っぺらなキャラで終わってしまう。そこで戦いながらの会話によって、敵キャラの背負ってきた宿命や強さ、秘密等が語られる事により、相手の人間性も際立つという演出となるのだ。
 こういった演出の原型をつくったのは、劇画「男組」の主人公・流全次郎VS宿敵・神竜剛次の対決からではないだろうか。

 プロレスラーであるビートルはもちろんの事、ディザスター役の斉藤氏も「カポエイラ」を習っているだけあってアクションのキレがいいので、殺陣を付けるほうとしてはとても楽で助かる。今までは大抵、アクションどころか体を動かした事も無い女の子に殺陣を付けたりというケースが多かったので、立ち回りを手順を覚えさせるので手一杯、それどころか殴るパンチの位置やポーズの角度まで事細かに指示しなかればならない状況なので、凝った殺陣など組み立てられず、カメラの演出でごまかしてきたのが多かったが、今回は動ける二人の対決でアレコレうるさく細かい事など言わなくても実践してくれるので、スムーズに現場の撮影がはかどった。
 特にディザスターの足払いを受けてビートルが背中からコンクリートの上に落ちるカットでは、我々の感覚ではクッションを用意しろ!という事になるが、「背中にプロテクター付いてるから、このままで大丈夫ですよ。」と言って、薄い硬質ウレタン製の甲冑なのに、そのまま豪快に背中から落ちた様を見て、つくづくプロレスラーのタフネスさに感心させられた。

 そんな二人の頑張りで、昼食前にアクション・シーンの撮影は終了。スタッフからも「思ったより早く終わったな。」と喜ばれた、ビートルと斉藤君に助けられましたよ。

 それから元・ミニスカポリスの大原かおりさんが登場。インセクト・サイボーグ女改造人間マリ・ポッサ役だが、屋上で強風が吹きスカートがめくれ上がると「いや~ぁン!」とおだやかな笑顔でスカートを押さえるほのぼのセクシー癒し系女優だ。

 花粉で不快な河崎監督は残りのドラマ部分もパパッと撮った後は、ゴング編集部でのシーンだそうで、堀内正美さんが張り切り順調に終了したそうだ。。千駄ヶ谷に戻りナレーションなど録りりクランクアップ!

 完成した映画はいままでの河崎監督演出の中では一番シャープで切れ味が良く、サイキック・ラバーが主題歌が歌っているから正統派ヒーロー物らしくみえるぞ!。人間風車・ビル・ロビンソンに会いたかったな。
 ・・・しかし、河崎監督が「子供達がアニメ『ムシキング』と間違えて観に来たらOKだ!」と言っていたが冗談だと思っていたら、完成した「兜王ビートル」のキャッチ・コピーが「カブト・ムシキング・ビートル」ときたもんだ!・・・マジで云ってたのね・・・(笑)。

ビートルはまた元のミラクルマンに戻って、「大阪プロレス」で活躍しています!

 本人のコメント。
 「映画‘兜王’ビートルDVD!僕はド恥ずかしいので見ませんf^_^;TSUTAYA全店でのレンタルも同時開始のはずなので、皆様是非…芝居部分は早送りして見て下さい(笑)
 それで、某所の[TSUTAYA]にありました!!!陰の方にこっそり置いてあって、1本も借りられてなかったから、前面にディスプレイし直してきました(笑)まさか本人の仕業とは思うまい!(笑)」