破李拳竜・日記

ここでは私・破李拳竜が行ってきた仕事やお遊びとかの日記を、つらつらと載せてあります。

「コアラ課長」公開。

2006年01月17日 00時16分12秒 | Weblog
   現在「コアラ課長」が公開中だ。監督はもちろん河崎実氏で、私がコアラ課長を演じた。
 ・・・本当に河崎監督作品たて続きの目白押しだ。「いかレスラー」を撮っている頃から「次は『コアラ課長』ってのをやるから。」と話していたが、いつものノリで話しているシャレだろうと思ったら、本気だったのね?ホントーに実現させてしまうところが凄い!・・・巨匠の大監督達が、数年に一本撮れるかどうか?という状況の中で、TVシリーズのレギュラーを持っているワケではないのに、年に数多くの劇場作品やVシネの企画を実現させ撮れる河崎監督は、あらゆる意味で天才なのだろう!

 しかしかつては「イコちゃんシリーズ」に代表され、アイドル物の監督という位置づけされていた河崎監督だったが、「いかレスラー」のヒット以来、「どうぶつ映画」監督というイメチェンをしたカンジ(笑)
  「コアラ課長」というそのタイトルから、かつての東宝映画「サラリーマン・シリーズ物」のノリの作品だろうと考えていたら、送られて来た台本を読んでマタマタ驚いた!ナンと!ホラー作品だったのだッ!


・・・しかしなぜコアラが課長をやって、お話しがホラーなのだろうか?

「いかなどより可愛い、女子が本質的に好む哺乳類「コアラ」を主役にして観客に日和る。しかもそのコアラが課長という意外さ。それを更に定番の人気のホラー映画にすれば、大幅な動員が見込めるだろう。『サイコアラ・ホラー』だ!」
                           (『コアラ課長』オフィシャルサイト 河崎実・談)

 ・・・との理由だそうだ。
  それでちゃんと残虐な殺害シーンもレイプ・シーンもしっかりある。だがプロデューサーの叶井俊太郎氏によると映画公開時、残虐シーンやレイプ・シーンがあるため映倫に引っかかり、R-18の成人映画指定になりそうだったが、コアラがやってる事なので結局一般映画上映でOKになったのだとか。なるほど!河崎監督はここまで計算してコアラを課長にしたのかッ!う~ん、さすがは天才だッ!!
 
 撮影は05年の6月下旬から行われた。造型はいつもの池袋の「アレグロ」。寸法合わせに行くと、コアラの他にうさぎとかえるの頭があった。この作品、コアラ課長の他にうさぎ社長とかえる店長が登場する。うさぎが社長の会社ってもう、いったいどんな会社だ?ムツゴロウもあっと驚く動物愛に満ちた衝撃のラストというのも凄い!


 
 それから千駄ヶ谷で衣装合わせとアクション打ち合わせ。・・・って、「ホラー物」でありながら激しいアクションバトルまであるのだ!あいかわらずの何でもありで先の読めない話だ。

6月21日(火曜日)新宿スポーツセンター
 今回、うさぎ社長とかえる店長役は安藤英行君に演じてもらい、また、スケジュールの関係から残念ながら私がフルでコアラを演じる事が出来ないので、穴埋め部分は私と同じ体型で、「いかレスラー」でしゃこボクサーを演じた谷口洋行君に演ってもらうので、谷口君にも試着に来てもらった。衣装合わせと言ったが、今回は全身でもぐり込む着グルミではなく、コアラの頭を被り、手を付けるだけのものだから、体は本当に衣装で済むのだった。
 アクションはヒロインでコアラ課長の妻役のエリローズ君とバトルするので、彼女を呼んで殺陣の練習をする。「ViVi」などの女性ファッション誌でモデルとして活躍する彼女にとって、今回が初めての演技でありアクションだが、基本的なパンチとキックを教えると学生時代バレエをやっていたというだけあって、体は柔らかいし動きも良い。それで河崎監督の要求を入れ、アクション・シーンの立ち回りの殺陣を作り、彼女へ教えていく。
 また、韓流ブームに乗って韓流大スター、ペ・ヨンジュンに出演依頼をしたそうだが当然断られ(笑)、代わりに彼の事務所の後輩でスターの卵のイ・ホ氏の出演が決定したとの事だが、彼との立ち回りもあり、彼も今回が映画初出演。しかしスケジュールの関係上、今日のリハーサルには来れない。だが彼が「シナンジュ」という韓国古武術を使うという設定で、その「型」を演武するシーンがあるのだが、私に「シナンジュの型」を作ってくれとの監督からの要求。そこで即席で「シナンジュの型」を作り、演武をビデオ撮りして韓国へ送り、イ・ホ氏に「シナンジュの型」を覚えてもらう事にした。
 ・・・「シナンジュの型」実はTV「サンダーマスク」で当時殺陣を担当した薩摩剣八郎さんが作った、特撮ヒーロー史上最も複雑な変身ポーズと呼ばれる「サンダー二段変身」を元に、色々組み合わせたものだ(笑)


  次回は撮影日誌を載せます。この映画はシネセゾン渋谷をはじめ全国上映中ですので、ありえない話に興味持たれた方はどうぞ観賞して下さい。