町内会業務で資源ゴミを集積するためのストックヤードの草刈りをしようとしたときのことだ。見慣れないイネ科の草が生えている。4~5本の花軸(総)が同じ方向に出ていて、そこに小穂が2列に並んで出ている。面白い形だ。あとで調べてみたらナルコビエと分かった。小穂が枝に並んだ様子を鳴子にたとえたところから付いた名前だという。
この植物にはかなり興味は引かれたものの、朕(ちん)の個人的意志に反してストックヤードの草刈りという業務を泣く々く実行したのであった。いつも思うのだが、日本人は几帳面すぎると思う。草がちょっと生えると直ぐにちょん切りたがる。枯れ葉が散ると直ぐに掃除したがる。もう少し自然に任せるところがあっても良いのではないだろうか。実際もっとも自然だと思われている日本庭園ほど不自然なものは無いと朕は思っている。そう思っている朕が任務のためとはいえ、ちょん切る役目を請け負うとはなんたる皮肉であろうか。
この草に合う頻度はそれほど高くはなかったが、昨年は他の数カ所で出合った。ナルコビエは小穂の第1頴が退化して小穂の基部を取り巻く環状の付属物となり、第2頴につく小花は退化し、第3頴に着く上部の小花だけが結実するのだという。穂は全体に毛むくじゃらなのも特徴だ。
ストックヤードに生えてきたナルコビエ。(花巻市桜台、2013年7月29日)
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同上。穂を拡大。(同上)
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どぜう庵でも見つけた。(花巻市松、2013年8月19日)
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同上。穂を拡大。花が咲いている。(同上)
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