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イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

地味で憂鬱、どこが十二単なのか セイヨウジュウニヒトエ

2014-05-11 07:13:10 | 日記
シソ科 Lamiaceaeキランソウ亜科 Ajugoideaeキランソウ属 AjugaセイヨウジュウニヒトエA. reptans
学名Ajuga reptans
和名セイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単)

 この植物から十二単(じゅうにひとえ)のイメージは湧いてこない。葉は濃い紫色で花は青く全体に毛むくじゃら。あまり華やかな感じはしない。地味で憂鬱な印象であり、一体どこが十二単なのかと思う。しかし、ヨーロッパ原産の園芸種が野生化したということなので、十二単に似ていなくとも無理はないか。
 色が地味で目立たないので、注意していないと見落としてしまうが、道路脇の土手や空き地等によく見かける。見かけは何だか毒々しい感じもするが特に毒になるとも薬になるとも報告は見あたらない。


近所の土手で見つけた。かなりたくさん生えていた。(花巻市星が丘、2014年5月3日)



花穂をズームアップ。葉も濃い紫色。全体に地味な感じ。(同上)



花をズームアップ。毛むくじゃらなのがますます目立つ。(同上)

キジとSL銀河

2014-05-10 05:31:44 | 日記
 桜台小学校の裏を散歩して道路の方に出てきたら、釜石線を見下ろす土手の上に人だかりがしていた。何だと思ったら、SL銀河が来る時刻なのだという。ついでなので一緒に見ることにした。釜石線をまたぐ跨線橋の上から見下ろすような場所なのだが、道路脇に駐車スペースもある。そこに次々に車が入ってきて、そこからカメラを持った人が出てくる。SLってこんなに人気があるんだと思ってびっくりした。
 さて、朕も良いポジションをゲットしてカメラを構えた。線路の方を見ると、なにやら小さな黒いものが線路の上にいる。良く見るとキジだった。なんということだろう。もうすぐSLが来るのに、きじ君もSL銀河を見物しようというのだろうか。しかし、このままでは轢かれてしまうぞ!
 ついに、フオゥオーッというSLの汽笛が聞こえた。そしてSLが見えた。きじ君はどうなった?良かった!きじ君は線路の脇で見物することに決めたらしい。線路脇にトコトコと歩き出している。
 SL銀河はどんどん前に進み、新緑の中をシュッシュッポッポと元気よく近づいてくる。なかなか良い光景だ。あっという間に近づき、通り過ぎていった。SL銀河をキジ君もどこかで見送っているのだろうか。(花巻市桜台、2014年5月5日子供の日)



土手の上にSL銀河を待つ人だかりがしていた。


線路の方を見ると何か小さな黒いものが。良く見るとキジだった!


ついにSLが来た!キジ君どうするんだ?


やっとキジ君も逃げ出した。脇で見物することにしたらしい。


新緑の中をSLはどんどんやってくる。


更にどんどん近づいてくる。かっこいいなぁー


そして、あっという間に元気よく走り去っていった。

長い柄にイガイガの穂をぶら下げる ゴウソ

2014-05-09 06:05:00 | 日記
カヤツリグサ科(Cyperaceae); スゲ属(Carex); ゴウソ (C.maximowiczii var. maximowiczii)
学名Carex maximowiczii Miq. var. maximowiczii
和名ゴウソ(郷麻)

  
 最初はコバンソウだと思っていた。しかし、小穂の形が何だか感じが違う。コバンソウよりもイガイガした感じなのだ。検討の結果、ゴウソと判明した。別名をタイツリスゲともいうらしい。
 見つけたのは田の脇の湿地。細長い頂小穂は雄性で長さ2~4cm。側小穂は雌性で長さ1.5~3.5cmの太い円柱形。長い柄があり垂れ下がる。
 湿った場所に生える植物で北海道から沖縄まで広く分布し、別に珍しい植物でもない様だが、見つけたときは面白い形の植物だと思い興奮した。しかし、圃場回りの整備などが影響して最近ではあまり見かけなくなってきているようである。
 名前の由来は田畑の周りに生える麻という意味で、葉を使って物を結び束ねるのに用いられたことによるという説もあるとのこと。


どぜう庵の用水路で見つけた。茶色で細長いのが雄性穂イガイガで円柱形なのが雌性穂。(花巻市松、2013年6月9日)




同上。小穂を拡大。(同上)

草むらに紛れてこっそり生き延びてるんだろう コナスビ

2014-05-08 06:15:25 | 日記
サクラソウ科(Primulaceae); オカトラノオ属(Lysimachia); コナスビ(L. japonica f. subsessilis)
学名Lysimachia japonica f. subsessilis
和名コナスビ(小茄子)

 水田の脇でコナスビを見つけた。図鑑には道ばたや庭にごく普通に見られると書いてあったが、そんな感じはしない。昨年出合うまで見たこともなかった。小さな黄色い花で、地面をはう様に生育するため、目立たないからかも知れない。直径5~7mmの小さな花を着け、花冠は深く5裂する。
 名前の由来は果実を小さなナスビにたとえたものというが、葉の雰囲気も何となくナスっぽい様な印象を受ける。しかし、分類上はナス科ではなくサクラソウ科のオカトラノオ属に分類される。同じ分類なのに白い小さな花を穂状に着けるオカトラノオとはコナスビは全く似ていない。
 背の高い草むらに紛れてこっそり生き延びているんだろう。意外にしぶとい植物なのかも知れない。


水田の脇でコナスビを見つけた。近くに生えているスギナを見てもその小ささが分かる。(花巻市笹間、2013年6月11日)



花をズームアップ。直径5~7mmで花冠は5裂する。(同上)
 

綿毛が無く頭花が卵球形 ヤブタビラコ

2014-05-07 06:37:26 | 日記
キク科(Asteraceae); ヤブタビラコ属(Lapsana); ヤブタビラコ(L.humile)
学名: Lapsanastrum humile
和名: ヤブタビラコ(藪田平子)

 水田脇に小さな黄色い花が咲いているのを見つけた。花が小さく、綿毛が無く、舌状花の数が少ないことからジシバリやオオジシバリではない。最初はこれが春の七草のひとつでホトケノザと呼ばれるコオニタビラコだと思っていた。しかし、写真をよくよく見てみると、コオニタビラコとは少し違うことが分かった。舌状花の数がコオニタビラコにしてはやや多く10数個ある。花後の頭花は卵球形であり、そう果の先端に突起がないことなどである。これらの特徴から、見つけた植物はヤブタビラコと判定した。ちなみにコオニタビラコの舌状花は6~9個、花後の頭花の形は円筒形でやや細長い、そう果は細長く、先端に2~3個の突起があるなどの特徴がある。
 残念ながら昨年はコオニタビラコには巡り会うことが出来なかった。ヤブタビラコも今回の1回だけで、水田脇でもっとも普通に見られる黄色い花はオオジシバリやニガナであった。コオニタビラコもヤブタビラコも個体数が少なくなっているのかも知れない。昔はコオニタビラコとヤブタビラコの区別は認識されてなかったという説があり、両者ともホトケノザと呼ばれていた可能性があるが、このように一般的だったのに簡単に見つけられないのはどうしてだろう。



水田脇に生えていた、ヤブタビラコ。(花巻市笹間、2013年6月11日)


花をズームアップ。舌状花の数は10数枚。(同上)


花後の垂れ下がった頭花。卵球形をしている。(同上)


頭花が割れ、中からそう果が出ている。先端には突起が見られない。(同上)