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イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

加工しにくい日本の クリ

2014-05-06 05:27:46 | 日記
ブナ目(Fagales); ブナ科(Fagaceae); クリ属(Castanea);クリ(C. crenata)
学名: Castanea crenata Siebold et Zucc.
英名: Japanese Chestnut

 栗の葉っぱは細長く、脇にぎざぎざで尖った鋸歯があり先端が尖っているので、見分けが付きやすい。
 クリの花は他のブナ科の植物が風媒花が多いのに対して、虫媒花なのだという。そのためか花が咲くと独特の臭いがするのも特徴である。臭いの成分は人間の精液と共通のものが含まれるらしい。花は雌雄異花であり、雄花は白くて長い穂状になり、多数木から垂れ下がり、花の時期には遠くからでもよく目立つ。雌花は雄花の穂の基部に着く。
 栽培種だけではなく山の中には山栗が生えていて、子供の頃は山の中で拾って生のまま皮を剥いてよく食べた記憶がある。渋皮を剥けばクリは生でも結構おいしいのだ。
 栗林はたくさんあるのに、最近は生栗をそのまま茹でて食べる人が少なくなり、生栗はあまり売れなくなっているらしい。天津甘栗の様に加工してしまえば良い様なものだが、日本のクリは渋皮が剥けにくく加工に向かない。天津甘栗の原料となるクリは日本のクリとは異なりシナグリ(C. mollissima)という種類であり、渋皮が剥けやすい特性を持っている。現在渋皮まで向いて直ぐ食べられる様にして出回っている栗の原料もまた、中国産の様だ。生栗は意外に保存性が低いので、そのまま長期間保存することも出来ない。なんとか日本産の栗を上手く利用する方法があればいいのにな。


クリの花が咲いた。白い花穂がたくさん着いてよく目立つ。(花巻市不動、2013人7月1日)



クリの雄花と雌花。雄花の基部の雌花は既に受粉して果実がふくらみ始めている。(花巻市桜台、2013年7月2日)



クリの実が成った。(同上、2013年8月16日)



実をたくさん着けた栗の木。(同上、2013年8月30日)

豆科じゃないのに細長い果実をつける キササゲ

2014-05-05 07:59:24 | 日記
シソ目(Lamiales); ノウゼンカズラ科(Bignoniaceae); キササゲ属(Catalpa); キササゲ(C. ovata)
学名: Catalpa ovata G.Don
和名: キササゲ
英名: Yellow catalpa Chinese catalpa


 キササゲという名前が付いているが、豆科ではなくノウゼンカズラ科に属する植物である。なるほど、そう思ってこの木を良く見てみると、果実は確かにササゲのように細長く垂れ下がり、豆科の植物のようであるが、花は豆科特有の蝶形花ではなく、葉も羽状複葉ではなく豆科らしくない。
 盛岡では街路樹として良く見られる木である。また、我が宮殿脇土手下に自然に生育しているほか、あちこちで自然に生えているのをよく見かける。珍しい木ではない。ウィキペディアによれば「高さ5-10m。中国原産とされるが日本各地の河川敷など、湿った場所に野生化した帰化植物。花期は6-7月。淡い黄色の内側に紫色の斑点がある花を咲かせる。果実は細長いさく果でササゲ(大角豆)に似るのでキササゲ(木大角豆)と呼ばれる。」とのことである。
 葉は広卵形で大きく、先端とその両脇が尖っており、基部はハート型である。葉の感じはキリに良く似ている。また、木の感じはアオギリにも似ているが、アオギリの葉は3~5裂し大きく切れ込んでいるところが異なる。花は白い花を円錐形に立ち上がった穂状にたくさんつける
 キササゲの果実の乾燥したものを生薬で梓実(しじつ)・キササゲといい利尿剤として用いられ、キササゲの根皮は生薬名を、梓白皮(しはくひ)といい、解熱、解毒、皮膚のかゆみ止めなどにも用いられるという(イー薬草ドットコム参照)。


荒れ地に自然に生育したキササゲ。(北上市スーパーおせんの近く、2013年7月1日)



同上。花穂をズームアップ。(同上)



我が宮殿脇土手下の線を脇に自然に生えてきたキササゲ。(花巻市桜台、2013年7月15日)



真冬、すっかり枯れ上がり、豆の鞘だけがぶら下がっているキササゲ。(盛岡市、2014年2月11日)


子供が付け髪にして遊んだ カモジグサ

2014-05-04 06:58:33 | 日記
イネ科(Poaceae); エゾムギ属(Elymus); オニカモジグサ(E. tsukushiensis); 変種カモジグサ(var. transiens)
学名: Elymus tsukushiensis Honda var. transiens (Hack.) Osada
和名: カモジグサ( 髢草)

  子供が黒っぽい頴(えい)(注1)が伸びているものを採取して束ね、付け髪(かもじ)に例えて遊んだことに由来するという。なるほど芒の色が黒紫色で長く、髪の毛の様に見える。道ばたにはごく普通に見られるとウィキペディアには記載されていたが、近所ではそれほど一般的とは思えなかった。昨年はこの植物には2回しか出合っていない。


6月、畦道でカモジグサを見つけた。芒が黒紫色で確かに髪を連想させる。(花巻市東和町、2013年6月15日)


同上。穂の部分を拡大。(同上)


7月にはもう枯れ上がったカモジグサを見つけた。(北上市、2013年7月1日)


同上。穂の部分を拡大。(同上)


注1: イネ科植物の花序にある小形でうろこ状の苞葉(ほうよう)の総称。花を包む内・外花穎と小穂を包む二個の苞穎(ほうえい)より成る。

人間に拳法を教えた カマキリ

2014-05-03 06:57:57 | 日記
カマキリ目(Mantodea); カマキリ科(Mantidae)
オオカマキリ(T. aridifolia): 学名(Tenodera aridifolia Stoll, 1813); 和名(オオカマキリ(大蟷螂・大螳螂))
チョウセンカマキリ(T. angustipennis): 学名(Tenodera); angustipennis Saussure, 1869);和名(チョウセンカマキリ(朝鮮蟷(螳)螂))

 9月になるとテニスコートにカマキリがたびたび侵入してきた。カマキリといっても種類が多く、日本にはカマキリ科とヒメカマキリ科に属する2科9種が生息しているという。よく見かけるのはオオカマキリ、チョウセンカマキリのようだが、これも見分けるのはかなり難しそうだ。見つけたカマキリは一体何というカマキリなのか判別しようと努力してみたが、そのためには、背中からだけではなく、腹側からの写真なども必要であり、残念ながら今回はあきらめざるを得なかった。
 カマキリは実に印象的な昆虫だ。少林寺拳法の映画かジャッキーチェンの出演した映画化忘れたが、蟷螂拳(とうろうけん)という拳法を演じる場面を見た記憶がある。蟷螂拳とはその字のとおりカマキリの動きを真似た拳法なのだ。ウィキペディアによると、「蟷螂拳には、大別すると中国の山東省に起源のある北派少林拳系(道教系)の北派蟷螂拳と、広東省・福建省など中国南方地域を中心に伝承されている、南派少林拳系の周家蟷螂拳や朱家蟷螂拳などの南派蟷螂拳が存在する」のだそうだ。これも、カマキリがいかに印象的な昆虫かを証明している。人間に戦い方を教えるなんて偉いぞカマキリ君!
 また、カマキリはススキなどの茎に卵を産み付けるが、その高さにより翌年の天気が予報できるという言い伝えがあるということを天気予報士の森田正光さんが朝のラジオの番組で話していたのを思い出す。つまり、カマキリは翌年の天候を予測できるのだ。ますます偉いぞカマキリ君!
 カマキリの卵を見つけた人に忠告!カマキリの卵は見つけても是非そのままにしておいて欲しい。珍しいものを見つけたと持ち帰って部屋に置いておくと、気温が高くなるので春が来たと勘違いして、卵がふ化してしまう。真冬だと悲惨なことになる。孵化したカマキリの赤ちゃんがワサワサと出てきてあちこち動き回るのだ。しかし、残念なことにカマキリは肉食なので肝心の餌がない。多分アブラムシなんかを子供は食べるのだろうが、お腹をすかして皆直ぐに死んでしまうのだ。くれぐれも偉いカマキリ君の卵はそっとしておいてやろうね。


テニスコートに出現して最初にゲームを中断させた緑色のカマキリ。(花巻市金矢広域公園、2013年9月19日)


顔をズームアップ。なかなかりりしい顔立ちだ。(同上)


一週間後、またまたゲームを中断させた茶色のカマキリ。(同上、2013年9月26日)


顔をズームアップ。こちらはちょっと渋いおじさん顔。(同上)



空に浮かぶ氷の結晶が作り出す 環天頂アーク

2014-05-02 06:28:57 | 日記
3月末のどか雪も溶けて、やっと外でテニスが出来る様になった4月中旬、花巻の広域公園でテニスをしてふと空を見上げたら空に虹が架かっていた。しかし、まてよ、虹は普通太陽を背にして立ったときに地上にアーチ型に架かるのが普通だ。この虹は空の真上にかかっている。しかも、夕方なので太陽はかなり西に傾いているが、その太陽に虹のアーチの頂点が向く様に空の真上にかかっているのが不思議な感じがする。
 調べてみたら、これは虹ではなく環天頂アークという珍しい現象であることが分かった。虹は水滴による屈折現象により発生するが、環天頂アークは、空に浮かぶ6角形で平板状の氷の結晶が面を地上に対して平行に並んでいるときに、太陽の光がこの氷の結晶により屈折することにより起きる現象だという。色は太陽の側を向くアーチの外側が赤く、内側が青い色になっている。


環天頂アーク。空の真上にアーチ状にかかっている。アーチの外側の方を太陽の方に向けている。撮影時刻は16時32分。下の方に木が写っているが更に下の方に西に傾いた太陽がある。広角ではないので残念ながら太陽まで撮し込むことが出来なかった。(花巻市金矢、2014年4月18日16時32分)