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イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

葉の形が牛の顔 ミゾソバ

2014-05-29 06:22:35 | 日記
タデ科(Polygonaceae); タデ属(Polygonum); ミゾソバ(P. thunbergii)
学名: Polygonum thunbergii または Persicaria thunbergii
和名: ミゾソバ(溝蕎麦), ウシノヒタイ(牛の額)
英名: water pepper

 9月になると田の脇や池の回りなど湿った場所に目立つようになる。名前のとおり湿った溝に生えるソバに似た草なのでミゾソバである。特に珍しい植物ではなく、湿地帯には群生しているのをよく見かける。葉も特徴的であり、もう一つの名前であるウシノヒタイのとおり、牛の顔を正面から見たような特徴的な形をしているので、見分けるのも容易だ。
 花は10数個かたまって咲く。根本の方が白く先がピンク色のかわいい花だ。花被片は5枚で萼に相当し花弁は無い。花が開く前も先の方がピンク色で、いくつかの蕾や開いた花のかたまりが金平糖のようだ。
 新芽や柔らかい葉はおひたしなどにして食べられるという。また、生薬としても用いられ、リュウマチ、止血、鎮痛に有効だという。


7月末道路脇の土手でミゾソバを見つけた。花が咲く前だが葉の形がウシノヒタイという別名のように特徴的な形をしているので見分けるのが容易だ。(花巻市笹間、2013年7月28日)



9月末、池の脇の水際からミゾソバが生えてきて花が咲いていた。(花巻市湯口自然休養村、2013年9月22日)



近寄ってみるとこんな感じ。根本が白く先がピンクの花が10数個かたまって咲いている。金平糖のようだ。(同上)



蕾をズームアップ。花が咲く前でも蕾の先がピンク色できれいだ。(花巻市笹間、2013年9月28日)



花が咲き始めた。花被片は5枚で萼に相当する。花弁は無い。金平糖のようで本当にかわいらしい花だ。(北上市和賀川グリーンパーク、2013年9月30日)



ミゾソバが土手に群生していた。面白いことに、ミゾソバの上に花期の過ぎたママコノシリヌグイが群生し、その下にミゾソバが帯状に群生し、更にその下にイヌタデが群生していた。(花巻市笹間、2013年9月28日)



池の側の湿地にミゾソバが群生していた。(北上市和賀川グリーンパーク、2013年9月30日)



10月末花が終わった。(北上市和賀川グリーンパーク、2013年10月28日)



花の終わった穂をズームアップ。中の実を確認したが何故か空っぽだった。蕎麦のような実が成るというが、今回は未確認。(同上)


「私を見て見て!」とアピールする マイヅルソウ

2014-05-28 07:21:43 | 日記
クサスギカズラ科 Asparagaceaeスズラン亜科 Nolinoideaeマイヅルソウ属 Maianthemumマイヅルソウ M. dilatatum
学名Maianthemum dilatatum(Alph.Wood) A.Nelson & J.F.Macbr.[1]
和名マイヅルソウ(舞鶴草)
英名snakeberry

新鉛温泉愛隣館の裏山で見つけた。葉が2枚しかない。葉には葉脈に沿った深い溝の模様があり、鶴が羽を広げた様子を連想させることから付いた名だという。山地から亜高山帯の植物。小さな白い花を多数総状につける。スズラン亜科に属するが、スズランは下向きに咲くのに対して、マイヅルソウの花は4枚の花被片が完全に開いて反り返る。その中から4本の雄しべと1本の雌しべが露出する。スズランが恥ずかしがり屋で控えめな感じなのに対して、一生懸命私を見て見てと自分をアピールしているようだ。


木の根元に群生していた。(花巻市鉛愛隣館裏山、2013年5月25日)



葉に葉脈に沿った溝があり、これが鶴が羽を広げた様子を連想させることから付いた名だという。(同上)



花をズームアップ。4枚の花被片は完全に開いて反り返っている。その中から4本の雄しべと1本の雌しべが露出している。(同上)

花が終わると足の長い変な虫に変身する ボタンヅル

2014-05-27 06:02:11 | 日記
キンポウゲ科(Ranunculaceae); センニンソウ属(Clematis); ボタンヅル(C. apiifolia)
学名: Clematis apiifolia DC.
和名: ボタンヅル(牡丹蔓)

 8月になるとあちこちでボタンヅルの花が咲き始める。つる性の植物なので急激に伸びて他の植物の上に覆い被さるようにして茂っているのをよく見かける。葉が3出複葉でボタンの葉に似ているからこの名前が付いたといわれる。花は白く、径1.5~2cmの花が多数つく。花びらのように見えるのは萼で、花弁は無い。十字型に開いた萼の中心から多数の雄しべや雌しべが出る。
 8月の末になると花が終わり実をつけるが、残った花柱が5~10本程実の先についた姿は、足の長いクモみたいな変な虫が何十匹もウジャウジャと飛んだりはい回っているように見える。熟してくると虫の足のように見えた花柱はタンポポの綿毛のようにばらけてくるそうだ。残念ながらその姿にはまだお目にかかっていない。
 センニンソウ属の学名がClematis(クレマチス)であり、花の雰囲気は大分異なるが、鑑賞用のクレマチスやテッセンもこの属に含まれる。これらの植物は有毒成分を含むので要注意。


近所の土手で大きく小山のように茂っているボタンヅルを見つけた。(花巻市桜台、2013年8月12日)



釜石の大天場山で見つけたボタンヅル。丸い蕾が見える。(釜石市中妻、2013年8月15日)



花をズームアップ。十字になった白い萼の中心からたくさんの花柱が伸びている。(同上)



8月末になると花が終わり、クモみたいな変な虫がウジャウジャ飛んだりはい回っているように見える。(花巻市桜台、2013年8月30日)



9月に入ったら、実が少し大きくなり、毛も少しばらけて綿毛になりかけてきているような感じがする。(同上、2013年9月6日)

葉っぱに触れるとフワフワして気持ちよい ヒヨドリジョウゴ

2014-05-25 05:41:55 | 日記
ナス科(Solanaceae); ナス属(Solanum); ヒヨドリジョウゴ(S. lyratum)
学名: Solanum lyratum Thunb.
和名: ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)

 我が宮殿のブルーベリー園に見かけない植物が生えてきた。葉が何となくアサガオの葉に似ている。アサガオと同じくつる性だ。全面に細かい毛が生えていて、触れるとフワフワした手触りで気持ちよい。珍しいので花が咲くまで放っておくことにした。暫くすると白い小さな花が咲いた。何となくナスの花に似ている。葉や花の形からヒヨドリジョウゴと判定した。
 ヒヨドリが好んで食べることから名前が付いたといわれるが、確かに我がブルーベリー園にはヒヨドリが良く訪れる。以前は無かったのに今回生えてきたのは確かに鳥が運んできたものだろう。
 ナス科の植物にはありがちだが、全草にソラニンを含み有毒だという。
 果実が付いている時期に全草を細かく刻み食酢につけたものを福島地方では帯状疱疹の治療に用いるという。また、中国では、ヒヨドリジョウゴを白英(はくえい)、全草を乾燥したものを白毛藤(パイマオティン)と呼び、解毒、解熱、利尿、ガンや急性黄疸型肝炎の治療に用いるとのこと(イー薬草ドットコム参照)。


庭に生えてきたヒヨドリジョウゴ。下の方の葉は何となくアサガオに似ている。葉には細かい毛が生えていて、フワフワした触感で気持ちよい。(花巻市桜台、2013年8月12日)



ヒヨドリジョウゴの花。何となくナスの花に似ている。(同上)



近所の公園でも見つけた。青い実が成っていたが、完熟すると赤くなるそうだ。(花巻市星が丘せせらぎ公園、2013年9月6日)

髭が長い小さなカラスムギ? ヒゲナガスズメノチャヒキ

2014-05-24 05:27:32 | 日記
イネ科(Poaceae); スズメノチャヒキ属(Bromus); ヒゲナガスズメノチャヒキ(Bromus rigidus Roth)
学名: Bromus rigidus Roth
日本名: ヒゲナガスズメノチャヒキ(髭長雀の茶挽)、オオスズメノチャヒキ(大雀の茶挽)
英名: ripgut brome, ripgut grass


 大正時代の初めに日本に入ってきた帰化植物で、ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア原産とのこと。
 ヒゲナガスズメノチャヒキとは随分長い名前だが、読んで字のとおり、髭が長いスズメノチャヒキということだ。チャヒキとはカラスムギの別名だという。それではどうしてチャヒキというのかというと、爪の甲に唾をつけ、カラスムギの実を乗せて吹くと実が回転するからだという。カラスムギにはまだお目にかかっていないので試してはいないが、どうやら実が茶臼でそこから出た芒を取っ手にたとえたものの様だ。つまりこの名前を解読すると次の様になる。「髭が長い小さなカラスムギ」やっと納得が行った。
 しかし、分類上はカラスムギはカラスムギ属、こちらはスズメノチャヒキ属であり、かなり異なる植物のようだ。
 この植物にもあまりお目にかかることはなかった。たった一回釜石の道端で見つけたっきりだ。どんな花が咲き実が成るのか観察したいところだが、ある程度伸びると草刈りが入ってしまうので、残念なことにあまり見かけない草はじっくり観察することが出来ない。詳細については今後の課題だ。


釜石の道端で見かけたヒゲナガスズメノチャヒキ。今までここでしかお目にかかっていない。(釜石市中妻、2013年5月24日)



穂の部分をクローズアップ。(同上)