相棒

以前　7年間代表を努めた会社

当時私は　低迷している会社の立て直しを頼まれた

一年で結果を出し　取引会社から車を社用で買った

この時　BMWの社長から一番大きくて高い車を

『君の功績何だし　社長としてこれに乗りなさい』

そう言われて　選択肢も無くその車に乗った

私の人生で　最も誇れた称賛を頂いたと思った

代表を降りる時　私はその功績を会社に置いて出た

プライドもあったが　後の会社への期待もあった

きっと　その会社で作った自分の功績に

どことなく　満足していたのかも知れない

その車を降りた時　私は代わりの車を探した

友人からの紹介で　始めて行った車屋さん

まるで引き寄せられる様に　ある車と出会った

私の大好きな巨人の選手が　困って置いてある車だった



他の車を既に　商談に入っている時だった

それでも私は　その車を新しい相棒に選んだ

０に戻った自分が　頑張る為にこれだっ

そう思ったインスピレーション

あれから丸４年　私と共に全国を走った

昨年の大低迷の時も　私を勇気づけてくれた

その相棒が　先月末に遂に大きなダメージを受けた

車のお医者さん達も　口を揃えてもう無理だと言った

一ヶ月あれこれやって来た

それでも今日　相棒はトラックに乗せられて

最後の時を過ごす場所へと　旅立って行った

私は若い時から　自分の乗る乗り物は

私を守る強い味方だと信じ　大切にして来た

事故を起こした事もなく　私と共に戦う相棒

今の低迷期も借りて　本当に辛い別れであったが

彼は私に　その魅力的な背中を見せながら

もっともっと　頑張れと言ってくれている様だった

ありがとう　ただ彼にそう伝えただけの別れだった