
今朝のニュースを見て思わず「来たなあ」と独りごちてしまいました。なんとジョコビッチにフェデラーが勝ったというではありませんか(7―6、6―3、3―6、7―6)。

このところ全仏以外の四大大会の優勝からも遠ざかってしまいナダルに王者の座を奪われたばかりか、わたしとしては思いもよらぬジョコヴィッチの台頭ですっかり影が薄くなってしまった感のあったフェデラー。

よりによってナダルを相手にするにはもっとも不利なローランギャロスの赤土とはいえ、なんとか今回に限ってはナダルを破って復活の狼煙を上げてもらいたいと思います。わたしは彼のテニスのオールラウンドな能力と完璧な技術が王者にふさわしいとずっと思ってきたので。

と言いながらナダルのテニス--決してあきらめない、普通の人間には到底不可能と思えるような強靭なプレーぶり--にもまた最大限の敬意を払っています。フェデラーとはまったく異なるタイプだけれども、彼の鍛え上げられた肉体とハガネのごとき精神力もまた王者にふさわしい。故障以来このところフェデラーから王者の座を奪ったころの勢いを失い、少し心配してましたが今回は調子が戻ってきたようです。マリーにストレート勝ちはまったく予想通りです。

世界的に行われている完全なプロスポーツでまったくの個人が戦うのはテニスだけです。一人の人間の肉体と精神がプレーの一つ一つにくっきりと浮き彫りになる。本当に世界中の国や地域の人たちが参戦しているといえるプロスポーツは現在もなおサッカーのみでしょう、テニスでは唯一アフリカの選手はほとんどいない(昔は南アに強い白人選手がいましたが)。サッカーに続くのがテニスじゃないでしょうか。ベースボールは北米と東アジアのみにちかいし、バレー、卓球などは地域も限られ規模も小さい。ラグビー、陸上はプロ・アマの境があいまいだし、ゴルフは肉体的な意味ではスポーツとは認めがたい。アメフトやバスケ、アイスホッケーなどはほぼアメリカだけ。そう考えるとテニスというスポーツの存在意義は貴重だと思います。

WOWOWを解約してしまったのでたぶん試合を通してみることはできないんでしょうね。生中継は無理でも、NHKは四大大会くらいはきちんと放送してもらいたいと切に希望します。