演目:命の纏
江戸の大火で多くの家屋が焼失したことによって、
大岡越前守が町火消に纏を持たせて、消火活動の士気を高めた。
またしても火事、このままでは江戸の町が火の海になると、
町火消、め組の頭 長五郎の判断で旗本の屋敷を壊した。
その罪で、長五郎は捕らえられた。
長五郎の今後を旗本は本人に選ばせた。
選択肢としては、
その1、罪を認め頭を丸めて謝り、組を解散する。
その2、長五郎が打ち首になり、組を存続させる。
長五郎は、迷わず自分が打ち首になることを選んだ。
しかし、長五郎の死後、約束は守られなかった。
め組の謹慎は解けず、火事が起きても出動はできない。
そうなると、世間の目は厳しい、最初は英雄今では腰抜け。
長五郎の一周忌、小頭(かずま座長)が腑抜けのようになってしまったことに
全ての組員、嫌気が差し組を出て行ってしまう。
しかし、それは大芝居、組を出て姉さんに迷惑がかからないようにという小頭の配慮。
このままでは、いずれそのうち同じようなことが繰り返される。
自分たちが歯止めにならなくては、組員5人の敵討ち、定火消との戦い、
最終的には頭を打ち首にした旗本の首を取るのが目的。
果たして結末は~
このお芝居は、三代目かずま座長が座長襲名2周年記念公演で作られ演じられた、オリジナル作品。
舞台のセットも、大きく頑丈で見ごたえがあり、殺陣師も6人呼ばれて
大迫力の立ち回りでした。
組員の最後は、座員のキャラクターと被り、より一層涙を誘いました。
本来なら、2周年記念公演なのだから座長一人がカッコイイ役でもよかったもの、
座員一人一人にスポットを当てられ、座長の感謝の気持ち、優しさが現れた素晴らしい作品だと思いました。