島津亜矢 ★名月赤城山
YouTubeさんより
ラストショー 国定忠治役 三代目かずま座長
<演目>
裏町の母
<キャスト>
母 北條真緒さん
娘けいこ かな さん
息子たつお かずま座長
樫山ごうぞう 新吾座長
時代設定は昭和40年頃
今日は、月に一度可愛い我が子、けいことたつおが里帰りする日。
母は、ごっつぉをこさえて今か今かと二人を待ちわびる。
母の仕事は下駄のはま入れ。今日ばかりは、お得意さんが来ても取り合わない。
けいこが帰宅、けいこは大会社樫山のメードとして働き始めて3か月。
少ない給料から母に毎月お金を渡しに来る。二年前に町工場に就職した、
たつおも同じ親孝行な子供たち。
今日は里帰りするという自分に、樫山の会長さんから食事代をいただいたというけいこ。
封筒の中には5万という大金が入っていた。当時の五万は大金である。
きっと会長がけいこに気があるか、いやらしい考えで渡したお金であると勘ぐるたつお。
会長に問いただしてくると家を飛び出すたつお。追いかける、けいこと母。
会長宅に到着し、失礼極まりない言葉を浴びせかけるたつお。
話をするうちに誤解が解けて、ほっとする社長。
せっかく来てくれたのだから、親子三人ゆっくりしていってほしいという会長。
会長の昔ばなし、苦労して会社を興したが戦争で焼かれ、結核を患い生活苦。
妻は、入院費を払うのに一人で苦労した。このままでは親子三人無理心中しなければならないと思い、
可愛い我が子を捨ててきたという。ひどく怒り初めて妻に手をあげた会長、
すぐに捨てた場所に捜しに行ったが後の祭り。娘が生きているのか死んだのかわからないという。
生きていればけいこと同じ年という。
母は、よく似た話だと途中から気づいていた、そして会長の奥さんの写真を観て確信した。
大きな柳に木の下をうろうろしていた人は会長の奥さんだった。けいこは実の娘ではない。
会長が言っていた場所を通りかかった時に拾った子だった。
夢中になって会長と話すうち、けいこは会長の子だと言ってしまう。
横にけいこがいるにもかかわらず。焦るたつおだが、後の祭り。
娘の幸せを考えると、会長にお返ししようと思うが、会長のお金で事を解決しようというのが気に入らない母。
そういうつもりは毛頭ない、気を悪くしたらあやまるという会長。誤解が解ける。
お母さんの元を離れたくないと泣くけいこ。母にはたつおかいるが、会長の奥さんも今では亡くなり、
会長のそばには、誰もいない。本当に寂しい思いをしておられると母に説得される。
会長のところに行くことを決心するけいこ。いつでも遊びに来て下さいという会長に、二度とここにはこない
自分のようなものが出入りすると、こずかいをせびりに来ていると世間の人は言うだろう。
そうなると、嫁入り前のけいこに傷がつく。この家の前を通るときには、下駄のはま入れの掛け声を
大きな声でするから、元気なんだなと思ってほしい。はま入れの掛け声聞かせてほしいという皆の要望に
応える母。去っていく母と兄、残された父と娘が抱き合って泣く。 幕
生みの母より育ての親というお話。
春陽座では珍しい現代劇。昼夜二回観たのだから、ストーリーもわかっているのに、
かなさんとお母さんとの別れのシーンでダム決壊、本当に感動的なお芝居を観せていただき感謝感激!
いつもながら新吾座長の長台詞、説得力あります。