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「台湾のラフマニノフ」作曲家の蕭泰然さん

2010年01月22日 18時52分06秒 | 文化

(蕭泰然さんの合唱曲や交響曲、ピアノ曲などのCD。台湾をテーマにした書店などで入手できます。)

先週1月15日の夜、台北の国家音楽廳では、とても感動的なコンサートがありました。
アメリカ在住の台湾の作曲家、蕭泰然さんの作品、ピアノ協奏曲とチェロ協奏曲が、台湾のトップオーケストラであるNSO・国家交響楽団(日本では「フィルハーモニア台湾」の名前で知られています)によって演奏され、客席では蕭泰然さん本人が立ち上がり、鳴り止まない満場の拍手を浴びていました。

 


前列右側が蕭泰然さん。
後列は左から、ピアノ協奏曲でソリストを務めた張巧縈(CHIAO-YING, CHANG)さん、指揮者の簡文彬(WEN-PIN, CHIEN)
さん、チェロ協奏曲でソリストを務めたNSO首席チェロ奏者の熊士蘭(LANA, HSIUNG)さん(写真:国家交響楽団提供)

蕭泰然さんはよく「台湾のラフマニノフ」と譬えられます。
ラフマニノフは特にピアノ協奏曲第2番(「のだめ」の中で、学生時代の千秋先輩がミルヒーの指揮でピアノを弾いたあの曲です!)で有名なロシア出身の作曲家ですが、優れたピアニストでもあったこと、叙情的な旋律が印象的なロマン派の作風であること、裕福な家庭の出身でありながら、後に経済的に苦労したこと、祖国を離れてアメリカに移り住んだことなど、蕭泰然さんと多くの共通点があります。
ラフマニノフは1917年にロシアを離れて以来、1943年に亡くなるまで、二度と祖国に戻ることはなかったようですが、蕭泰然さんはブラックリストに載って18年間台湾に戻ることができなかったものの、台湾が民主化されてからは帰国することができるようになりました。

現在72歳で、長年心臓の病気を患っている蕭泰然さんは、何度も生命の危機をくぐり抜けてきています。
昨年も大きな手術をしたそうで、健康状態が心配されていましたが、今回無事に帰国でき、コンサートも聴きに来ることができて、本当に良かったと思います。

台湾で最も権威ある音楽ホールで、台湾のトップのオーケストラと指揮者、ソリストによって、台湾が生んだ偉大な作曲家の作品が2曲も演奏され、しかも会場にその作曲家本人が来ている。
こんな歴史的瞬間に居合わせた幸せを、その日会場に来ていた誰もが、きっと一生忘れることができないのではないでしょうか。

蕭泰然さんには、ぜひこれからもお元気でいていただいて、今後も、何度でも、この感動が味わえれば、と思わずにいられません。

なお、NSO演奏の蕭泰然作曲ピアノ協奏曲とチェロ協奏曲のCDが、来月兩廳院から発売される予定だそうです。(尾)

 


2010年1月8日、国立台東大学で行われた名誉博士号授与式(写真:国立台東大学提供)

※2010年1月22日(金)の番組「文化の台湾」では、蕭泰然さんの音楽の特徴やインタビューなどをご紹介しています。

番組を聴くには、上のバナーをクリック→1月22日をクリック→「文化の台湾」をクリックしてください。



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご教授願います (まるまる)
2010-02-06 16:15:56
初めまして。台湾のクラシック作品に興味を持って色々探しているのですが、台湾を専門にした書店が中々見つかりません。どこか良い書店をご存知でしょうか?
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お店の件 ()
2010-02-06 17:39:43
まるまる様、コメントありがとうございます。
国立台湾大学のそばにある「台湾e店」というところでは、蕭泰然さんのほとんどのCDを扱っています。
http://www.taiouan.com.tw/catalog/
「蕭泰然」で検索すれば、たくさん出てくると思います。
海外へも郵送してくれるようですので、お問い合わせしてみてください。
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有難うございます! (まるまる)
2010-02-06 19:27:28
早速調べてみます!
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