古い時代の、木造で、冷房はなく、暖房は石炭ストーブだったころの図書館が懐かしい。すでに読み切れないほど蔵書があったのに、建て替えられるたびに蔵書も増えた。しかも、自分の蔵書も莫大なほど膨れ上がる。図書館はこうなると、もはや借りにいくことはめったになく、むしろ自分の本を落ち着いて読む場所として選ばれるようになった。
読み切れないほど、目を通しきれないほど蔵書は膨らんでいるというのに、図書館に行くと、また、読んでみたくなる本が目につき、借りてしまう。しかも、その本も読む場所は結局、図書館になる。
読む場所は、自宅の布団の中、ファミレスもあるが、やはり図書館が一番落ち着いて読める。
図書館に行くための準備がある。筆箱にはシャープペン、サインペン、多色ボールペン、ポストイット、はさみ、定規、糊(折り紙したときに使ったりする)、辞書をめくる指サック、ロッカー用の100円硬貨が2枚。ペンキ塗り用の刷毛。これは、机上の消しゴムカスを払うもの。老眼鏡。メモ用の不用紙。椅子用クッション。水筒。図書貸し出しカード。スマホ。スケジュール帳。
どこもかしこも図書館は新しくなって、味わいがドライになってしまったが、その町の雰囲気が味わえる。
以前は、めんどくさい課題を1つだけ持って、遠くの図書館に出かけた。ところが最近は集中力がなくなり、せっかく訪問したのに肝心の課題や読書はパラパラめくってすぐ放棄してしまう。
図書館は次第に観光や息抜きの場所となってきている。それでいいかなあ。