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イルミネーションに彩られたクリスマス間近のフランスのパリ

2012-12-22 12:00:50 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」落ち着いた華やかさ溢れるフランスのパリ。
11月後半から、街はクリスマス仕様に様変わり。
毎年趣向を凝らしたイルミネーションが、シャンゼリゼなどの大通りを飾り、老舗百貨店のギャラリー・ラファイエット、プランタン、ボン・マルシェのショーウィンドーには、自動人形が設置され人々の目を楽しませている。
シャンゼリゼ通りは、クリスマスの露天が立ち並び、オーナメントなどはもちろんのこと、さまざまなクリスマス関連グッズが売られるほか、体が温まるホットワインに伝統的クリスマスのお菓子パン・デピスなどの食品もあり、大賑わいだ。
パン・デピスは、ライ麦生地に蜂蜜とスパイスを練りこんで焼いた、クリスマスの贈り物にされる焼き菓子のこと。

パリの青空市場は、実に楽しそうだ。
多種多様な食材が並び、どの店も自分のところの商品が見栄えするように気張って陳列している。
眺め歩くだけでも楽しめるだろう。
今、市場の屋台で人気なのが、スープ専門店。
えんどう豆のスープにカボチャのスープなど、野菜たっぷりの健康的なスープが、数多く取り揃えてある。

パリは、グルメの街。
”ル・カセ・ノワ”は、ビストロブームを作った先駆けの店。
気兼ねなく本格的フランス料理を食べられるとあって、旅行者ならずとも入りやすい店だ。
”オウ・パッサージュ”は、そのビストロよりもくだけた感じの店。
スペイン発祥の小皿料理タパス・スタイルで、たくさんの料理を楽しめる利点が、パリっ子たちに受けたのだ。
基本的に他人とひとつの皿をシェアしない習慣があるので、当方から見るとなんて非合理的と思っていた。
彼らもそう感じていたのだろうけれど、習慣とはなかなか崩せないものでもある。
しかし、このざっくばらんな方式でもって、気になっていたほかの皿も楽しめることになった。
そういえば、タパスは、世界的にはやっているのかしら?
気の多い自分にとっては、なかなかいいスタイルだと思う。

マカロンブームの次は、プチ・シュークリームが、パリで流行っているとのこと。
さくさくのシュー生地の中に、十数種の味のクリームがたっぷりと入った一口サイズのお菓子。
”ポッペリーニ”は、そのプチ・シュークリームの店。
自分としては、マカロンよりもこのプチ・シュークリームを断然推してしまうな。

パリは、おしゃれの街でもある。
”デ・プチ・オ”は、トップス専門の店。
パリジェンヌのおしゃれを楽しむテクニックは、トップスの変化らしい。
顔を際立たせる狙いのためなのだろうか。
”ヴァネッサ・ドゥッチ”は、ヘッドアクセサリー専門店。
帽子にカチューシャなど、頭を飾るものを、オーナー自ら考案しているのだという。
インテリアも関心が高く、照明器具や壁紙などもおしゃれな店がたくさんある。
”レ・ザンヴァチオン・エフェメール”は、壁の装飾専門の店。
特に人気が高いのは、壁に貼るステッカー。
ほとんどが賃貸契約の住居に住む都会では、部屋を出るとき、元あった状態に戻すのが鉄則。
自分で壁紙を張ると、それを撤去しなくてはならない面倒を省くには、この壁ステッカーは重宝する。
最近、日本でも、この壁専用ステッカーが売られているので、気軽に部屋の雰囲気を変えたいときに便利だ。

今のパリ市長になってから、ある試みが公園でなされている。
それは、無料炭酸水給水所の設置だ。
肉食のためか、ヨーロッパなどでは炭酸入りの水が多く飲まれている。
水道の蛇口から出てはこないので、ペットボトルに入ったものを買ってくると、ペットボトルが大量に消費されることになる。
当然ペットボトル廃棄問題が起こり、そこでエコ推進派のパリ市長がこの無料炭酸水給水所を公園に設置してみたということだ。
なかなか好評につき、もう一箇所作ることになっているらしい。
いろいろな取り組みがなされるのは、いいことだ。
ただ、それを悪用しないよう、使う側のモラルを徹底してもらいたい。
必要な人が必要な分だけ使い、私的流用や悪いいたずらなどをしないように。

やはりパリも大きく変わってきているのをみると、ちょっと寂しい気がする。
イルミネーションの飾り方は、そうはいってもやはりすばらしいのだが、全体的に世界が均一化している感を否めない。
大都市の命運だとはしても、感傷的になってしまうのであった。