和牛オーナー制度が行き詰まり破綻した畜産会社「安愚楽牧場」(栃木県)をめぐり、全国安愚楽牧場被害対策弁護団(団長・紀藤正樹弁護士)は、国にも被害を拡大させた一因があるとして、国家賠償訴訟の提訴を検討していることを明らかにした。
弁護団は「和牛オーナー制度をめぐっては、以前にも同様の問題が起こっており、国が必要な規制権限を行使していれば多くの被害は防げた」と指摘。刑事事件としての捜査状況や、国側の対応も見据えながら、準備を進める方針。
弁護団は8月、「実質的な調査など対応を全く取らなかった」として消費者庁に謝罪や賠償、真相究明などを要求していたが、同庁は9月27日、「現時点ではコメントを差し控えたい」と口頭で回答したという。弁護団は「被害が露呈して約1年になるのに極めて不誠実」と批判している。
◆回収資産は債権総額のわずか0・5% 破綻の安愚楽集会で管財人説明
和牛オーナー制度が行き詰まり、4千億円超の負債を抱えて破綻した畜産会社、安愚楽牧場(栃木県)。管財人によると、債権総額に対して回収できた資産が現時点で0・5%程度にとどまる。届け出債権は総額約4264億円で、回収できた資産は現時点で約23億円。東京電力福島第1原発事故で受けた被害の補償として、東電から受け取った約2800万円の仮払金も含まれる。
なお,次回,第2回の債権者集会は来年1月22日の予定。
▼「安愚楽牧場」ブログーバックナンバー
・安愚楽問題で国賠訴訟検討 弁護団「行政の失態-被害拡大の一因」
・安愚楽牧場のその後 -詐欺被害はなぜ繰り返されるのか-2
・安愚楽牧場のその後 - 「詐欺被害はなぜ繰り返されるのか-1」
・愚楽牧場の二次被害トラブルが急増 2012-0606
・安愚楽牧場のその後 -栃木の子会社破産 / 鹿児島の会社(カミチク)が一部継承 2012-05-05
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・安愚楽牧場が破産へ=民事再生手続き廃止―東京地裁(2011-11-08)
- 東京地裁安愚楽牧場に管理命令(2011-11-04 23:09:10 )
- 安愚楽牧場-「自転車操業」の疑い,「景品表示法」違反の疑い
- 安愚楽牧場問題-全国各地の被害者救済の動き
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「安愚楽牧場」問題と被害者救済の動き (2011-09-07)
安愚楽牧場の経営破綻 -5000億円以上の被害規模が確実な情勢
和牛詐欺 人を騙す犯罪はなぜなくならないのか | |
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被害額4300億円、被害者7万人と、戦後最大規模の消費者被害事件となった安愚楽牧場事件。1990年代、そして2000年代後半に起こった「ふるさと牧場事件」など、怪しい和牛預託商法が行われ、そして摘発されてきた歴史があるにもかかわらず、悲劇はまたもや繰り返されたのはなぜなのか?
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