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一週間前ですけど…
久保切って巻!ジーコ監督コンディション重視…日本代表発表 (サンケイスポーツ) - goo ニュース
久保を切った! サッカー日本代表のジーコ監督(53)が15日、都内のホテルでドイツW杯の日本代表登録メンバー23人を発表し、エース格とみられたFW久保竜彦(29)=横浜M=の選出を見送るサプライズ人事を敢行した。体調面の不安が理由だが、落選必至とみられたFW巻誠一郎(25)=千葉=を逆転選出。非情に徹してドイツに吹き込んだ新しい風-。まさに“鬼”になって、17日からの国内最終合宿(福島Jヴィレッジ)へと進んでいく。
このことについて社説があるのは産経さん、日経さん、道新さん。
まずは道新さん。『サッカーW杯*ジーコ流で世界目指す』
代表選考で最大の番狂わせは主力フォワードとみられた久保竜彦選手の落選だった。体調万全でないとして外され、「体が強く、ペナルティーエリア内で仕事ができる」(ジーコ監督)巻誠一郎選手が抜てきされた。最後までやり抜く姿勢が評価されたのだろう。
ジーコ監督は選考を「すべてのポジションで悩んだ」と語るが、チーム全体では、W杯アジア予選などでの実績を積んだ選手がほとんどを占めた。
ともに二十九歳の中田英寿、宮本恒靖ら充実期にある選手が多い。W杯開幕時の平均年齢は二七・五歳で、前回より二歳ほど上がった。
この四年間、日本代表チームはトルシエ前監督の選手を型にはめて動かす指導から、ジーコ監督の創造性を引き出す方針への転換に当初、選手が戸惑い、アジア予選も苦戦した。
だが、危機感を抱いた選手が練習や深夜のミーティングで意見をぶつけ合うようになり、がっちり結束した。ジーコ流が世界で花開くことを期待したい。
(略)
選手の個性を最大限に生かすジーコジャパンを応援し、サッカーの魅力を楽しみたい。同時に、言葉や文化、歴史も違う他の国への理解を広げるW杯大会にしたい。
もちろん期待したいです。
選手の平均年齢が前回より上がったことについて、充実期というのは正しいのかもしれないけど、新戦力がない、若手の台頭がないという面もあるのでは??
ブラジル代表は同じようにサプライズはないけど、日本代表のこの期待感のなさはなんなんでしょうか…。
花開くという言葉は、その前に、丹精こめて育てた期間があってのこと。
次は産経さん。『サッカーW杯 また感動を与えてほしい』
久保選手は腰痛の不安を常に抱えており、落選の要因になったとみられる。代わってジーコ監督が抜擢(ばってき)したのが巻誠一郎選手である。身長一八四センチの高さが魅力で最近、Jリーグでもメキメキ頭角を現してきた若手のホープとして期待される。本番でもいかんなく実力を発揮し、久保選手の分まで頑張ってもらいたい。
巻を『抜擢』と言ってしまう、言わさるという事実はとりあえず措いておいて、久保選手の代わり、という言い方はどうなんでしょうか?巻選手は巻選手として招集された、というべきでは??
しかも、『若手のホープ』。イングランドでは17歳が招集されているのに。
日経さん。『友だちをつくるW杯に』
2006年ワールドカップ(W杯)の日本代表選手23人の名前が15日、ジーコ監督から告げられた。発表の前置きが長くなったのは、誠実な監督の忍びない気持ちの表れだろう。選考には日本サッカー協会の川淵三郎会長もだれも関与しなかった。選手を絞り込む監督の孤独な作業はつらいものだったろう。
ブラジル人のジーコ監督は4年前、「運命変えて日本に来た」。以来、精魂込めてつくり上げた一つ一つの個性の集合は、欧州組6人、国内組17人の構成となった。日本の栄誉を担った集大成「ジーコ丸」の船出の準備ができあがった。
(略)
7月9日の決勝は、首都ベルリンの五輪スタジアム。1936年、ヒットラーのプロパガンダであふれたその会場である。歴史は流れ、ドイツではこれほど長く平和が続いたことがあるだろうか、といわれる。「友だちをつくるとき」。これが今大会のスローガンだ。12都市で開催されるW杯が平和な祭典として、笑顔があふれる大会であるように。
こちらは、日本代表がんばれ、期待してる的な文章はやや控えめ。
ある意味、正直です。
道新さんにもありましたが、『世界平和』の助けになるように、テロの標的になることのないように、という祈りや願いがこめられている感じです。
個人的には、テロリストにはワールドカップを狙わず、直接アメリカを狙え!!と言いたいのですが…
読売さんはよみうり寸評で。
ジーコが監督になって4年、この間、日本代表チームに招集された選手は66人に上る。うち23人がサッカーワールドカップ(W杯)ドイツ大会に臨む◆厳選だ。「一つのポジションに5人ぐらいが同じレベルになった」とジーコ監督。4年に一度の大会に技術も体調も万全にもってゆく難しさを思う◆ジーコが重用してきたFW久保竜彦が選にもれた。もっぱら体調への懸念によるものだ。ジーコの下、久保の11ゴールはチーム最多だが、それでも腰、ひざ、足首に不安があってはやむを得ない。若手のFW巻誠一郎が選ばれた◆W杯の攻防は互いの当たりが強く激しい。王様ペレ(ブラジル)でさえ「サッカーシューズの目標になるのはもうたくさん」と言ったほどだ◆ジーコ自身にもW杯でけがを抱えて不満足なプレーをした苦い経験がある。「個人的な感情を抜きに公平に、日本のために選んだ」とジーコ。23人は、3大会連続出場が4人、2大会連続7人、初出場12人となった◆〈正確に、シンプルに、積極的に前へ〉――ジーコの布陣が躍動するように声援する。
4年で66人。その間の国際A試合は70試合弱だったはず。
そう考えると、いかに少ない選手しか見てこなかったかがわかるのではないかと思います。
ブラジル人であるジーコ監督が『日本のために』というのはちょっと違和感があります。『勝つために』ならわかるんですが。
応援する、のはもちろんです。
体調不良の選手が外れるのはある意味当たり前のこと。
それなのに、久保が選ばれると思わされていたのはなぜなのでしょうか??
毎日さんは記者の目で。『W杯と政治権力=斎藤義彦(ベルリン支局)』
私は何もW杯のスタンドでおとなしくしろと言いたいのではない。その逆だ。味方を徹底的に応援し、サッカーを心底楽しもう。同時にその喜びを奪う暴力や差別に立ち向かおうではないか。
次回のW杯は南アフリカだ。アフリカには飢餓や内戦でサッカーさえできない所もある。選手や観客が何の心配もなくサッカーを楽しむのは実は難しい。そのことを忘れてはなるまい。
こちらは省略しましたが、歴史にふれています。
サッカーに限らず、スポーツは政治に利用され、戦争や対立に巻き込まれます。選手がつらい思いをしてきたことはまだまだ過去の出来事ではありません。
なかったことにしてしまいたい人も大勢いるでしょうが、本当は目をつぶってしまってはいけないのでは??
開催国ドイツでもそうです。
ワールドカップという熱狂の影に何か隠れてしまっているのでは??
とりあえずサッカーを楽しめるということに感謝しつつ、今回はここまで。