先週のです。
タイトルは『選手はだれのもの』。
サッカーが急ピッチで商業化していく欧州では時代に合わせて合理的な制度が築かれている。欧州クラブ協会(ECA)と欧州サッカー連盟(UEFA)の合意に基づく補償制度もその一つ。
いわば「選手はだれのものか」という議論の産物であるこの制度に従い、UEFAは先月の欧州選手権に選手を出したクラブに巨額の補償金を払った。その額は1人当たり1日4000ユーロ(約68万円)に上がり、開幕2週間前からチーム敗退の翌日まで適用した。最多の9人を出したバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)は2億876万円を手にし、選手の保険とユース育成に回したという。
大会中にECA会長でもあるバイエルンのルンメニゲ会長と会談した、JリーグHRディベロップメントグループの中西大介マネジャーは「クラブが気持ちよく選手を送り出し、選手が気持ちよくプレーできる制度ができたのが大きい。この制度の確立が、今回の欧州選手権が盛り上がった要因の一つ」と話す。
一方、日本では神戸が大久保のオーバーエイジ枠での五輪代表への招集を拒否したばかり。神戸は「大久保のひざの状態が悪い」「2部降格の危機にあるなか大黒柱を出せない」と譲らなかった。「五輪に選手を出せばクラブの価値も上がる」という理屈はわかっても、下位クラブは、過労による故障や2部降格というリスクを負わされることに納得がいかない。
過去にもあった代表招集を巡る日本サッカー協会とクラブの衝突を防ぐには、欧州のような制度の確立が必要なのかもしれない。例えば日本協会がテレビ放映権料を原資に、選手を出したクラブにしっかりした額を分配する。浦和社長、Jリーグ専務理事を経た犬飼基昭氏が日本協会会長に就いたところ。制度構築を議論するにはいい時期にある。
選手の代表招集は札幌にはあんまり関係ないけど…去年藤田を持っていかれたときは・・・
選手にとってもクラブにとっても代表招集が大きな意味を持つことはわかっています。なのに、拒否するわけだから、そうするだけの大きな理由がクラブにはあります。その解決方法のひとつが『補償金制度』なわけです。
自分のクラブにお金が分配されるような錯覚に陥りますが、『選手を出すクラブ』には運悪く縁がないわけでしで…お金持ってるチームの収入源が増えるだけの話しな気がしてくるわけです。貧乏人のひがみです、ゴメンナサイ。
ところで、神戸は補償金制度があったら今回の大久保の招集に応じたでしょうか…???
北京五輪開催中はJリーグは中断しません。神戸はこの時期に磐田、名古屋、G大阪とあたります。神戸は決して弱いチームではありません。が、大久保はキャプテンマークを巻くエースです。他サポからでも彼が抜けることの意味がわかります。
もし大久保が疲労によるケガをしてしまったとしたら、神戸はその補償金で大久保の『補償』をすることになるのでしょうか。
もし神戸が降格してしまったら、神戸はその補償金でJ1昇格を目指すことになるのでしょうか。
そのどちらもない場合に初めて神戸はやっと『補償金』をバイエルンのように有意義に使用できることになるのでしょうか…。
欧州選手権の場合、本大会はリーグ戦のない時期に行われます。予選のある日にリーグ戦を行うこともありません。ケガや疲労、あるいはカードの累積等による欠場はまた別の話しですが、選手はチームが出場を必要とするリーグ戦に出場した上での『代表』なんです。
JリーグにはJリーグの事情(問題?)があります。
五輪とそれ以外の大会にも色々違いがあります。
何らかの形で補償(保障や保証も、かも?)することは絶対に必要ですが、『欧州のような制度』で解決できるほど世界もサッカーも単純ではないだろうとは思います。
お金で解決するのは大事なことだとは思ってます。それで選手を買い、結果、勝利を買えるのですから。チームにとってはとても重要なことです。
さて、選手が先か、お金が先か…。
スポーツナビ | 北京五輪への道 | メッシ派遣拒否で公式見解=バルセロナ〔五輪・サッカー〕
【ロンドン24日時事】サッカーのスペイン1部リーグ、バルセロナが所属するFWメッシ(21)の北京五輪のアルゼンチン代表への派遣を拒否している問題で、同クラブは24日、同選手の五輪出場を受け入れる義務はないとする見解を公式サイトで表明した。
国際サッカー連盟(FIFA)が23日、各クラブは23歳以下の選手の五輪代表への招集に応じる義務があると加盟協会に通達したが、これに真っ向から反論するもの。バルセロナはスペイン・リーグ、欧州クラブ協会から支持を受けているとしている。
AFP通信によると、バルセロナが出場する欧州チャンピオンズリーグ(CL)最終予選第1戦(8月12、13日)後に、メッシが北京五輪に参加する妥協案が浮上しているという。(了)
『欧州のような制度』といえばこんなニュースも。
スポーツナビ|Jリーグ秋春制移行を検討 10年シーズンから犬飼会長
日本サッカー協会の犬飼基昭会長は22日、Jリーグの開催時期を現行の春から年内までの「春秋シーズン制」から欧州で一般的な秋に開幕して翌年春に閉幕する「秋春シーズン制」に2010年秋から変更する方向で検討していることを明らかにした。
Jリーグのシーズンを欧州に合わせることは、外国人選手の獲得や日本人選手の海外移籍の面で利点がある。当初は06年をめどに「秋春シーズン制」に移行する方針を01年に固めていたが、積雪地帯にあるクラブの試合会場や練習場の確保、春に卒業する高校生や大学生の受け入れなどでの問題が解決できずに導入が見送られてきた。
犬飼会長は10年のシーズンを同年7月に閉幕するワールドカップ(W杯)南アフリカ大会後にスタートさせる意向。「日本協会とJリーグでプロジェクトを組み、かなり進んでいる。問題はたくさんあるが、手はあると思う。解決していけばいい」と話した。
09年シーズン後からのはざまとなる10年春にトーナメント方式のカップ戦を実施することなども今後検討する。
札幌の豪雪をどんな方法で解決してくれるのか。
とても楽しみにしています。
チームが勝手に解決しろというのなら、札幌はどうしようもありません。
だからといって、30度を超える夏の午後に試合するのがいいことだとは全く思いません。ま、そっちは問題じゃなさそうだし、観客(サポーター)の意見は聞いてくれそうもないけど。
で、いったいどんな手を使うのか。
サッカーではGK以外は使えないはずの『手』期待しています。