りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“ミーナ” ―全○場―

2012年04月14日 22時22分13秒 | 新作(人形劇用)



   最近、私的なことでバタバタしてた為、頭が中々物書き
  モードに入らなかったのですが、そんな中、少し書き始めた
  作品が半分程度まで進んだので、そろそろ皆さんにご覧
  頂こうかと思います(^^)v
  
  今回は、春公演で“犬の国”のお話しをご覧頂くのに対し、
  “猫の村”のお話しなんかを書いてみようかな・・・と^^;

  どの作品でもそうですが、私の中にあるテーマの一つが
  この“姿形は違っても”・・・と言う、誰でも生きる者全てが
  平等なんだよ・・・と言ったことであり、今回もそんな思い
  を組み込んだお話しに書き上げようと・・・(思わなくても、
  勝手にそう仕上がるんですけどね・・・^^;)考えています
  ので、また、皆さんも一緒に読み進めて頂けると嬉しいで
  す♥



                              どら。




 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 


    〈 主な登場人物 〉

   ミーナ  ・・・  本編の主人公。
             人間に生まれたかった子猫。

   一番ネコ  ・・・  自分は、猫の村の村長の次に偉いと豪語
               している。

   ネコ吉  ・・・  ミーナの父親。

   ミータ  ・・・  ミーナの母親。

   老ネコ  ・・・  村の年寄りネコ。


   その他


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    ――――― 第 1 場 ――――― A

         静かに音楽流れ、幕が開く。
         と、真っ暗な舞台中央スポットに、一匹の
         子猫(ミーナ)、丸まって横になっている。

  ミーナ「うーん・・・(ゆっくり起き上がり、何かを見ているように。)
      わぁー・・・ここが、私が今から生まれる世界なのね・・・。
      へぇ・・・皆、楽しそうに行き来してるのねぇ・・・。早く、私も
      あんな風に素敵な格好で、颯爽と道を歩きたいわ!」

         その時、車の急ブレーキの音(“キキーッ”)が
         響き渡る。

  ミーナ「キャーッ!!(頭を抱え、座り込む。)」

         ミーナ、フェード・アウト。
         人々の声が聞こえる。

  人間の声「馬鹿野郎!!」
        「猫だ!!」
        「ゴミ箱をあさってた猫が、車の前へ飛び出したぞ!!」
        「全く・・・危うく引いちまう所だったじゃないか・・・。」
        「やれやれ・・・」
        「最近、この辺りはノラ猫が多いわねぇ・・・。」

    ――――― 第 1 場 ――――― B

         舞台明るくなる。と、猫の村の風景。
         ポーズを取ったネコ達、楽しそうに歌い踊る。

         “ネコ ネコ ネコ!!
         ネコの村へようこそいらっしゃい
         ネコ ネコ ネコ!!
         我らがネコのネコの為の村
         ここにいれば平和で安全
         何も怖いことはない
         我らが築いた安らぎの場所
         人間世界と隔絶された
         我らがネコの村!!”

         そこへ、ミーナの父(ネコ吉)に抱えられた
         ミーナの母(ミータ)登場。
 
  ネコ吉「みんな!!大変なんだ!!」
  ネコ1「ネコ吉!!どうしたんだ?」
  ネコ吉「子猫が生まれそうなんだ!!」
  ネコ達「えーっ!!」
  ネコ2「予定日は来月でしょう!?」
  ネコ吉「それが、さっき車に轢かれそうになって、そのショックで
      ・・・」
  老ネコ「ネコ吉!!早くミータを家の中へ!!」
  ネコ吉「あ・・・老ネコ!!ああ!!ミータ!!確りしろよ!!」

         老ネコ、後方家の中へ去る。
         ミータ、ネコ吉に抱えられるように
         老ネコに続いて去る。
         ネコ達歌う。

         “大変だ!!大変だ!!
         子猫が生まれる
         大変だ!!大変だ!!
         予定より早いけど
         でも大丈夫!!
         老ネコが付いている!!
         生まれる 生まれる ネコの村の住人が
         増えるんだおめでたい
         生まれる 生まれる 可愛い子猫!!”

         その時、子猫の泣き声が聞こえる。
         (“ニャー・・・ニャー・・・”)

  ネコ達「やったー!!」
      「生まれたぞー!!」
      「おめでとう!!」
      「バンザーイ!!」

         ネコ達下がり、紗幕開く。と、家の中。

    ――――― 第 1 場 ――――― C

         中央ミータ、膝に寄り掛かり子猫(ミーナ)、
         眠っているよう。横にネコ吉、その様子を
         微笑ましく見詰めている。

  ミータ「可愛いわねぇ・・・」
  ネコ吉「ああ、本当だ・・・。綺麗な毛並みは、ミータそっくりだ・・・
      。」
  ミータ「この気高そうな耳は、あなた似ね・・・。」
  
         上手より老ネコ登場。

  老ネコ「よお頑張ったな。」
  ミータ「老ネコ・・・」
  ネコ吉「ありがとうございました。」
  老ネコ「だがしかし、そんな体で人間の所へウロウロと出て行く
      など以ての外じゃ。今回は何事もなく、こんな可愛い子猫
      が無事生まれたから、よかったようなものの・・・」
  ミータ「はい。」
  ネコ吉「すみません。」
  老ネコ「まぁ、ゆっくり休んでいなさい。」

         老ネコ、上手へ去る。
         その時ミーナ、目覚める。

  ミーナ「ニャー・・・ニャー・・・」
  ミータ「目が覚めたわ!」
  ミーナ「うーん・・・」
  ネコ吉「おはよう。」
  ミーナ「(ネコ吉とミータを交互に見る。)・・・誰・・・?」
  ミータ「あなたのパパとママよ。」
  ミーナ「パパと・・・ママ・・・?」
  ミータ「ええ。さぁミーナ、こっちへいらっしゃい。毛づくろいをして
      あげるわ。」
  ミーナ「・・・え・・・?毛づくろいって・・・」
  ミータ「子ネコは生れて直ぐ、母ネコからこんな風に毛づくろいを
      してもらうのよ。」
  ミーナ「ネコですって!?」
  ネコ吉「ああ、その通りさ。(笑う。)さぁ、綺麗にしてもらいなさい
      。」
  ミータ「(ミーナの体を撫でるように。)」
  ミーナ「や・・・止めてよ・・・!」
  ミータ「変な子ね。そのままじゃ、毛並みが目茶苦茶よ。」
  ミーナ「毛並み・・・って・・・私・・・ネコなの・・・?(自分の体を見
      る。)」
  ネコ吉「当たり前じゃないか。」
  ミーナ「嫌よ・・・!!私は人間に生まれてくる筈だったのに!!
      如何してネコなの!?」
  ミータ「ミーナ・・・」
  ネコ吉「・・・人間だと・・・?」
  ミーナ「ずっとママのお腹の中から見てたのよ!!私はあんな
      風にスラッとした2本の足で歩いて、笑って楽しそうにお
      話しをする人間に生まれてくるんだって!!そう信じてた
      のに!!」
  ネコ吉「何を馬鹿なことを言ってるんだ!!」
  ミータ「あなた!この子は私がエサを探す為に、ネコの村を抜け
      出して、人間の町へこっそり出掛けていたのを、お腹の中
      から見てたんだわ・・・。」
  ミーナ「あの憧れた世界が、全部夢だったなんて!!嘘よ!!
      ニャア!!」

         ミーナ、下手へ走り去る。

  ミータ「ミーナ!!(追い掛けようとする。)」
  ネコ吉「放っておきなさい!!」
  ミータ「でも、あなた!!あの子はまだ生まれたばかりなのよ!
      !」
  ネコ吉「生まれたばかりでも、我々ネコは人間とは違う・・・。自
      分一人で生きていく力を、つけていかなければいけない
      のだから!!」
  ミータ「あなた!!」

         紗幕閉まる。

    ――――― 第 2 場 ――――― A

         紗幕前。
         音楽流れ、上手より一匹の大人ネコ(一番ネコ)
         登場。歌う。

         “俺はこの村の一番ネコ
         誰よりも偉い 誰もが一目置く存在
         迷いがあれば
         誰もが俺の意見を聞きに来る
         俺の考えを聞きたがる
         村長よりも頼りになる
         みんなの指南役
         この村の一番ネコ!”

         一番ネコ、舞台中央ゴロンと横になる。
         曲調変わり、下手よりミーナ登場。歌う。

         “如何して私はネコなの・・・
         体中毛だらけで短い足・・・
         何処から見ても憧れた
         姿形とあまりにも
         違い過ぎてショックが大きいの・・・
         如何して私は人間じゃないの・・・”

    ――――― 第 2 場 ――――― B

         紗幕開く。と、村外れの森の入口の様子。

  一番ネコ「ネコも悪くないぜ・・・。」
  ミーナ「え・・・?(振り返って、一番ネコを認める。)」

         一番ネコ、立ち上がりミーナの側へ。

  一番ネコ「よぉ、おチビさん。一人で何処へ行こうとしてるんだい
        ?」
  ミーナ「・・・誰・・・?」
  一番ネコ「俺・・?俺様かぁ・・・。俺様はここで困ったネコの仲間
        に声を掛け、手助けする役目を、ネコ村の村長からお
        おせ使った、村長の次にエライ一番ネコだ!」
  ミーナ「じゃあ一番ネコさん!!私に教えて頂戴!!私、人間に
      生まれ変わりたいの!!如何すれば人間になれるかしら
      !?」
  一番ネコ「人間に生まれ変わる・・・?」
  ミーナ「ええ!!」
  一番ネコ「おまえ、人間になりたいだなんて、変わった奴だなぁ
        ・・・。人間になったって、いいことなんてありゃしないぜ
        。やめとけ、やめとけ。」
  ミーナ「嫌よ!!私は如何しても人間になるの!!」

         ミーナ、歌う。

         “人間になって2本の足で走り回るの”
  
  一番ネコ「ネコのままでも走れるじゃないか。」

         ミーナ、歌う。

         “長い髪を風になびかせ
         スラリと延びた長い足”

  一番ネコ「(自分の足を見て。)俺様には、この長さで十分だと
        思うがね。」

         ミーナ、一番ネコを睨み、歌う。

         “誰もが振り返るような素敵なレディに”

  一番ネコ「レディだって・・・。(笑う。)」
  ミーナ「もう!!」

         ミーナ、歌う。
 
         “人間になりたいのよ私は!!”

  一番ネコ「如何しても・・・と言うなら・・・。」
  ミーナ「如何してもと言うなら!?」
  一番ネコ「いい薬屋を教えてやろう・・・。」
  ミーナ「お薬屋さん・・・?」
  一番ネコ「ああ・・・。この森をずうっと先に進んだ場所に、願い
        を持つ誰もが尋ねる・・・願いを叶えてくれる薬を売る、
        薬屋があるんだ・・・。」
  ミーナ「願いを叶えてくれるの!?私みたいに人間になりたいと
      か!?」
  一番ネコ「まあ、待て。そう慌てなさんな。願いを叶えてくれるに
        はくれるが・・・そいつは人間の願いに限ってのことだ
        。俺達ネコの願いを叶える薬を作ってくれるような、良
        心的な薬屋じゃあないぜ。それにたとえ人間だとして
        も、べらぼうに高い値で売り付けるとか・・・。」
  ミーナ「そんな・・・じゃあ如何すれば・・・」
  一番ネコ「そうだなぁ・・・。ちょいとこの身軽な体で、こっそりと小
        屋の中に忍び込み、その望みの薬を頂戴するしか・・・
        方法はないだろうなぁ・・・。」
  ミーナ「一緒に行ってくれるの!?」
  一番ネコ「ええ!?おいおい、冗談だろ?俺はおまえが方法を
        知らないかと聞くから、そう言えば、こんな話しがあっ
        たぜ・・・と教えてやっただけ・・・」
  ミーナ「(一番ネコの話しは聞いていないと言った風に。)嬉しい
      !!心強いわ!!何でも知ってて、村長さんの次に偉い
      あなたが一緒に来てくれたなら、100人力だもの!!」
  一番ネコ「いやあ・・・そりゃあ、俺様が行きゃあ・・・」
  ミーナ「じゃあ直ぐに行きましょう!!その薬屋へ!!」
  一番ネコ「え・・・あ・・・おい!!」

         ミーナ、一番ネコの腕を取り、上手方へ。
         音楽流れ、2人歌う。

      ミーナ“いよいよ道が見えてきたわ
          私の夢叶う”

      一番ネコ“やれやれ何だかエライことに
            巻き込まれたようだ”

      ミーナ“心強い仲間も出来た
          屹度願い叶うわ 人間になれる”

      一番ネコ“何てことだろう俺様は
            ただ面白ければそれでいい”

      2人“夢があれば叶えればいい
         それが不可能か如何かなんて
         やってみなきゃ分からない
         前を向いて先を見て一歩ずつ
         歩いていけば屹度目指す場所!”

  ミーナ「さあ、行きましょう!!」
  一番ネコ「(溜め息を吐いて。)エライことになっちまったぜ・・・。」

         2人、上手へ走り去る。
         紗幕閉まる。












          ――――― “ミーナ”2へつづく ―――――








    


                       

     (お詫び<(_ _)>)

     昨日は「眠いので・・・」と言い訳も出来ないくらい眠くて
    ・・・“ジェフリー”の更新をしたところでバタンキューでした。
    待って下さってた方が、いらっしゃったなら、本当にごめん
    なさいm(__)m



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 



       (おまけフォト^^;)
       

         春公演作品の端役の犬くんです^^;
      
       顔色が緑の為、分かり難いですが、意外と男前
       くんに仕上がったかな・・・と(^.^)
       飽く迄“端役”なので、簡単な服に、足は勿論
       ありません^^;


      
       

             犬の国の住人達(^.^)

       後方中央は主人公ジュリーちゃんの愛犬プッチ
       くん、前方右の少しエラそう(?)な犬が、村長
       さんです(^^)



       

          ジュリーちゃんとプッチくん(^^)v

      当初、ジュリーちゃんは同じ人形を3体作るつもり
      でした^^;(3パターンで登場する為。)・・・が、
      とても凝って作ってしまった為、ちょっと同じもの
      を3体も作る自信がなくなったので、このジュリー
      ちゃんに、小物を付けて変身させようかな・・・と、
      考えています^_^;中々美人さんに出来たのでは
      ないかと・・・(^^)v如何ですか・・・?

  
      


   今日は、グーグル版“ワールド”に、前に音声だけお聞き頂いた
   練習場面の完成音声を投稿致しました(^^)v
   またよければお聞き下さい(^^♪








http://milky.geocities.jp/little_pine2012/performance.html

         http://ritorupain.blogspot.com/

     http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
 







 



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