りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“願いを叶える白い花をさがして” ―全7場― 2

2011年09月28日 11時52分51秒 | 脚本


  
                      ※



  ナナ「待って!!そんな帽子より、これをあげるわ!!(ポケット
     から、キラキラ光る石を差し出す。)ほら!!これは東の海
     で見つけた、いつもキラキラ輝く石よ!!」
  ピッピ「・・・え・・・?」
  ポロン「ナナ、それは君の宝物なんじゃ・・・」
  ナナ「この石は、滅多に見つからないのよ!!私だって、何日も
     かけて探し回って、やっと見つけたんだもの!!はい!!
     (差し出す。)」
  少年2「(石を受け取る。)ふうん・・・(空に翳す。)本当だ・・・キラ
       キラ綺麗に光ってる・・・」
  少年1「へぇ・・・(覗き込む。)本当だ・・・綺麗だなぁ・・・」
  ナナ「じゃあ、秋の国に行く道順を教えてくれる?」

         2人の少年、夢中で石に見入っている。

  少年2「いいよ・・・」

         2人の少年、下手方を指差す。
 
  少年2「あっちに真っ直ぐ行くんだ。そうすれば秋の国さ・・・」
  ナナ「ありがとう!!」
  少年1「綺麗だなぁ・・・」

         2人の少年、石に見入りながら上手へ去る。
         (音楽流れる。)

    ――――― 第 4 場 ―――――

  ポロン「ナナ、いいのかい?あの石、やっと見つけたって喜んで
       たじゃないか・・・。」
  ナナ「だって、ピッピの大切な帽子をあげる訳にいかないでしょう
     。さ、行きましょう!!」
  ポロン「うん!!」  

         ポロン、ピッピ、ナナ歌う。

         “行くんだ次
         行くんだ国へ
         願いを叶えてくれる一輪の花
         見つける為に
         皆で心をひとつに合わせて
         白い花を見つける為に”

         3人、下手へ走り去る。

    ――――― 第 5 場 ――――― 

         音楽流れる。
         上手、下手より秋の国の精、冬の国の精
         其々登場。
         中央でお互い気付いて、そっぽを向く。


  
            (左)冬の精、(右)秋の精。


  
  冬の国の精「早くどきなさい、秋の精!!」
  秋の国の精「いやよ!!冬の精の出番はまだまだよ!!」
  冬の国の精「いつまでも秋の精が、そんな風に踏ん反り返ってい
          ると、皆が待ち望んでいる冬の訪れが、どんどん先
          に延びていってしまうわ。」
  秋の国の精「あら、そうかしら・・・。」

         秋の国の精、歌う。

         “冬なんて寒いだけの
         凍えそうな季節だわ
         冬なんて全て凍る
         冷たい季節”

  秋の国の精「寒くて暗い冬が、早く来て欲しいなんて、そんな人
          一人もいやしないわよ。」
  冬の国の精「秋の方こそ、夏と冬に挟まれて、あってないような
          物じゃない。さっさと、おどきなさい!!」
  秋の国の精「なんですって!?秋は実りの秋よ!!」
  冬の国の精「秋程、中途半端な季節はないと思うけど・・・」

         冬の国の精、歌う。

         “秋なんてどっち付かずで
         中途半端な季節だわ
         秋なんて夏と冬の
         つなぎの季節”

  秋・冬の国の精「なんですって!!ふんっ!!」

         下手より、ポロン、ピッピ、ナナ登場。

  ポロン「こんにちは!」
  秋の国の精「誰?」
  ポロン「僕達、春の国のお花畑へ行きたいんだ・・・。」
  冬の国の精「それどころじゃないわ!!」
  秋の国の精「秋か冬のどちらが、この世にとって大切な季節か
          って、話し合ってたの!!」
  ポロン「2人共、そんな風に言い争うのはやめてよ。秋には秋の
       、冬には冬の良さが、其々あるんだと思うよ。」
  秋・冬の国の精「其々の良さ・・・?」
  ポロン「そうさ!秋は食物や草木がたわわに実る、収穫の季節
       、冬は疲れた体を癒し、心穏やかに過ごす静寂の季節
       ・・・。」            ※2

 
  



         秋の国の精、歌う。

         “そんな風に思えない全然”

         冬の国の精、歌う。

         “あなたの思い違いよ多分”

         ポロン歌う。

         “そんなことはないよ
         どちらも大切な
         なくてはならない季節だよ”

         ポロン、ピッピ、ナナ歌う。

         “秋は実り多い季節
         冬は静寂もたらす季節
         秋も冬も巡り来る大切な季節だよ
         みんなで輪になって踊り明かそう”

         全員で歌う。

         “秋は実り多い季節
         冬は静寂もたらす季節”

         秋の国の精、歌う。

         “そう言われれば
         まぁ確かにあなたの言うとおり”

         冬の国の精、歌う。

         “私達くだらない言い合いしてた”

         (皆で手をつないで踊る。)

  ポロン「だから、この世の中にいらない物なんてないんだよ。」
  秋の国の精「そうね・・・」
  冬の国の精「分かったわ・・・」
  秋、冬の国の精「春の国のお花畑は、この道を真っ直ぐ行った
             ところよ。(上手方を指差す。)」
  ポロン「ありがとう!!」

         ポロン、ピッピ、ナナ上手へ走り去る。
         秋、冬の国の精、見送るように手を振る。

    ――――― 第 6 場 ―――――  

         花が咲き誇る、春の国のお花畑。
         上手よりポロン、ピッピ、ナナ登場。


  
  


  ナナ「わぁ・・・ここが春の国のお花畑・・・?」
  ピッピ「この中に白い花があるんだな・・・」
  ポロン「皆で手分けして探そう!」
  ナナ「うん!」

         ポロン、ナナ、後ろの方を探す。
  
  


  ピッピ「(独り言のように。)2人より早く見つけて、1人で願いを叶
      えるんだ・・・」

         ピッピ、花を掻き分け探しているように。

  ピッピ「あっ!!(白いハンカチを拾い上げる。)なぁんだ・・・ただ
      のハンカチか・・・。(ハンカチを放り投げる。)あっ!!(白い
      紙切れを拾い上げる。)なぁんだ・・・ただの紙切れか・・・。
      (紙切れを放り投げる。)おかしいなぁ・・・。一体どこにある
      んだよ・・・。(ポロン、ナナの方を向いて。)白い花なんか
      ないじゃないか!!本当にここが、春の国の花畑なのか
      !?」
  ナナ「こんなにお花が咲いているんだもの、きっとそうよ!」
  ポロン「もっと、じっくり探して・・・(何かを見つけたように。)あった
       !!ピッピ!!ナナ!!あったよ!!白い花を見つけた
       よ!!」

  


  ピッピ「本当か!?」
  ナナ「本当に?」
  ピッピ「ちえっ・・・」
  ナナ「やったわね、ポロン!!」
  ポロン「春の国の妖精さん・・・白い花を一本下さい。(花を手に
       取る。)」
  ピッピ「その花・・・僕にもちょっと見せてくれよ・・・」
  ポロン「いいよ。(花を差し出す。)」
  ピッピ「(花を受け取る。)ふうん・・・この花が本当に願いなんて
      叶えてくれるのかな・・・。試しに一つ、俺様の願いを・・・」
  ポロン「ピッピ!!」

         音楽流れる。

  ナナ「駄目よ!!その花は3本見つけて、初めて皆が一つずつ
     願いを叶えるのよ!!」
  ピッピ「おじいさんが何本もないって言ってたんだ!!白い花が
      3本もある筈ないだろ!!これは俺の願いを叶えるんだ
      !!」
  ポロン「ピッピ!!ナナの言う通りだよ!!皆で後2本の白い花
       を探そうよ!!」
  ピッピ「いやだ!!(逃げようとして、ナナにぶつかる。)」
  ナナ「キャッ・・・(ヨロけた拍子に、何かが湖に落ちる音がする。)
     あっ!!ママに貰った私の大切なネックレスが湖の中に・・・
     !!」
  ポロン「大変だ!!早くしないと沈んじゃう!!そうだ!!ピッピ
       !!その白い花で、願いを叶えてもらおう!!ネックレス
       を探すんだ!!」
  ピッピ「いやだ!!何、勝手なこと言ってんだ!!」
  ポロン「ナナの大切な宝物なんだよ!!君のその帽子のように
       ね・・・」
  ピッピ「ポロン・・・」
  ポロン「君のその帽子の代わりに、ナナは大切にしてた東の海
       で拾った、キラキラ光る石を、夏の国の精にあげたんだよ
       。」
  ピッピ「そんなこと・・・頼んでないや・・・」
  ポロン「頼んでなくても、友達のピンチに手を差し伸べるのは、
       当たり前だろ!!」

         ポロン歌う。

         “僕達は皆 友達じゃないのか”

  ピッピ「分かったよ!!この花を使ってネックレスを探せばいい
      んだろ!!(白い花を差し出す。)
  ナナ「ピッピ、ありがとう!!(ピッピの手を取る。)」
  ピッピ「ナナ・・・」


  
             「ピッピ!!ありがとう!!」








  
       白い花を使って、ネックレスは無事にナナの手元に
       戻ってくるのでしょうか・・・?
       それではエンディングです・・・。
       (この、ネックレスが湖からナナちゃんの手元に届く・・・
       を、どうすればそれらしく見せることが出来るか・・・と、
       色々と考え、次回掲載する写真のようになりました。)









   ※ ナナちゃんが手に、キラキラ光る石を持っているの・・・
     分かるでしょうか・・・?

   ※2、なんとな~く・・・難しい台詞を喋ってるポロンくん・・・
     一体いくつなんでしょうね^^;



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


   (どら余談^^;)

   私のお話しの中には、“お花畑”だったり、“花の妖精”さん
   だったり、お花に関係するものがよく登場します(^^)
   お花って、カラフルで子ども達に目で楽しんでもらいやすい
   アイテムの一つとして、使いやすいからなのですが、
   実は・・・当の私・・・ここだけの話し・・・お花にあまり興味が
   ありません~^^;私のママが昔お花の先生で、家の中に
   はいつもお花があったにも関わらず・・・(>_<)お花好きの
   主人が「綺麗な~・・・」と、お花を見て感動している横で・・・
   「ふ~ん・・・だから・・・?」と、つれない返事を返す私です^^;
   “花より団子”・・・とはよく言ったものだな・・・と(^_^;) 

   そんな私も、最近はちょっとだけ一輪差しのようなお花は
   可愛いかな・・・と、たま~にピンク色のお花を一輪飾って
   みたりするのですが・・・それをまたまた写メする主人に、
   冷た~い視線を送る私です~・・・^^;

   昔から、おばあちゃんに「あんたは男みたいやから・・・」と、
   よく言われていた私の、内緒のお話しでした・・・(>_<)











       http://www.geocities.jp/littlepine2005/ 

     http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
 
        http://blog.goo.ne.jp/axizgoo7227




      




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