そこへ上手よりミルダ登場。
ミルダ「お姉様!どうしたの?こんなところで・・・」
ワンダ「ミルダ。」
ミルダ「(チュー吉を認め。)誰?」
チュー吉「あ・・・えっと・・・僕、チュー吉・・・」
ミルダ「チュー吉?チュー吉ですって?(笑う。)変な名前!丸で
ネズミね!」
ワンダ「ミルダ!失礼でしょ!ごめんなさいね、チュー吉くん。」
ミルダ「フン!」
チュー吉「(首を振る。)」
ミルダ「それよりお姉様!そろそろパーティの支度が整うころよ
!早く食堂へ行きましょう!」
ミルダ、上手へ去る。
ワンダ「さぁ、チュー吉くん、あなたも一緒にどうぞ。(チュー吉の
手を取る。)」
チュー吉「あ・・・でも・・・」
ワンダ、チュー吉の手を引っ張りながら、
上手へ去る。
「チュー吉ー!!」
ポン太「美味しいなったら美味しいな!美味しいなったら美味し
いな!(食べるのを止め、振り返る。)あ・・・れ・・・?誰も
いない・・・。チュー吉・・・?チュー吉ー!!どこ行ったん
だよ!!チュー吉ー!!」 ※
紗幕閉まる。
――――― 第 3 場 ―――――
音楽流れ、紗幕前。
ソワソワとネズミたち、上手下手より
それぞれ登場。歌う。
“大変だ 大変だ
どこにいるんだ ここじゃない
大変だ 大変だ
どこにいるんだ ここじゃない”
そこへ上手より、杖をついたじいさんネズミ
登場。
じいさんネズミ「皆の衆、チュー吉とポン太は見つかったかの?
」
ネズミ1「じいさん!」
ネズミ2「それがまだ・・・」
じいさんネズミ「一体2人はどこへ行ったんじゃろうか・・・」
ネズミたち歌う。
“おかしい 今まで 近くに いた筈
気になるものでも見つけたか
大変だ 大変だ
どこにいるんだ ここじゃない
大変だ 大変だ
どこにいるんだ ここじゃない”
じいさんネズミ「まさか人間の家の中へ行ったのではあるまい
な・・・」
ネズミ1「人間の・・・?」
ネズミ2「まさか・・・」
ネズミ3「おじいさん、そんなに心配なさらないで。さ、みんな!
もっとよく捜してみましょう。」
じいさんネズミ「チュー吉やー!!」
ネズミたち、チュー吉の名を呼びながら
上手下手へそれぞれ去る。
じいさんネズミ、上手へ去る。
――――― 第 4 場 ――――― A
紗幕開く。と、人間の家の中。(キッチン。)
音楽流れる。
鼻をクンクンさせながら、ポン太下手より登場。
歌う。
“どこだろう コーラス“ハッパヤ
いい匂い パッパドゥワ
屋根裏では嗅いだことない とてもいい香りだよ
初めて パッパヤ
この香り パッパドゥワ
美味しそうでワクワクするよ ハーブにミントだ”
ポン太「ここはどこだろう・・・。こんないい匂いの部屋、今まで来
たことないや・・・。クンクンクン・・・この部屋中から匂って
くる。」
(↓コーラス被る。)
コーラス1“素敵な コーラス2“気分
香りに 今
全て 包まれ”
幸せな気分に溢れる”
ポン太“どこだろう
この辺りかな
ここかも知れない
ここだろきっと
お腹が鳴るよ
いい香りに溢れてる”
ポン太、鼻をクンクンさせながら、部屋中を
ウロウロする。
ポン太「(後方に置いてあった鍋に近寄る。)わぁーっ!!何て
美味しそうなんだろう!!(お玉で中の物をすくい、口に
運ぼうとする。)いっただきまー・・・」
その時、音楽流れ上手よりコック登場。
コック「こら!!おまえは誰だ!!」
ポン太「ひゃあっ!!」
コック、歌う。
“どこから入って来たんだ見たことない奴
汚れた身なりしてこの部屋へ
大事なお客様の為用意した食事の数々なのに
なんてこと” ※2
コック「一体どこから入って来たんだ!!」
ポン太「ごめんなさい!!僕!!」
コック「今日は大切な大奥様のバースディパーティなんだぞ!!
一週間も前から下ごしらえして準備した料理を、どこの馬
の骨とも分からん坊主に食われてなるもんか!!」
ポン太「わぁーっ!!」
コック、歌う。
“どこから入って来たんだ見たことない奴
汚れた身なりしてこの部屋へ
大事なお客様の為用意した食事の数々なのに
なんてこと”
コック「ええい、待てーっ!!」
ポン太「助けてーっ!!」
コック「さぁ、捕まえた!!」
ポン太「放してよーっ!!」(曲終わり。)
コック「この泥棒猫!!今直ぐ警察に突き出してやる!!」
ポン太「僕は猫なんかじゃないよ!僕はネズミだよー!!」
コック「何、訳の分からないことを言ってんだ全く!!」
ポン太「助けてくれよーっ!!」
コック、ポン太の首根っこを捕まえて、
下手へ去る。
――――― 第 4 場 ――――― B
背景変わる。(食堂。)
下手方、一人の老夫人、椅子へ腰を
下ろしている。
そこへ上手よりワンダ、ミルダ登場。
続いてチュー吉、不思議そうにキョロキョロ
回りを見回しながら登場。
(中央、テーブルの上には豪華な料理が
並んでいる。)
音楽流れ、ワンダ、ミルダ歌う。
“おめでとう おめでとう
おばあ様の誕生日
おめでとう おめでとう
美味しそうなご馳走
綺麗に着飾った人”
ワンダ「おばあ様!お誕生日おめでとう!」
ミルダ「おめでとう、おばあ様!」
老夫人「まぁ、ワンダ、ミルダ、ありがとう。」
ワンダ「おばあ様、今日もお元気そう。」
老夫人「そうね、こんな年まで元気に過ごせるなんて、思って
もいなかったけれど。(笑う。)」
ミルダ「いつまでも長生きしてちょうだいね、おばあ様!」
老夫人「まぁ、ミルダったら・・・」
ワンダ「そうよ、おばあ様!」
老夫人「ワンダも。(チュー吉に気付いて。)あら・・・?あなたは
・・・」
ワンダ「おばあ様、チュー吉くんよ。」
老夫人「チュー吉くん・・・」
ミルダ「ご存知ないの?おばあ様。」
老夫人「・・・ああ、そうだったそうだった。チュー吉くんね、思い
出したわ。よおく知ってますよ、あなたのことは。(微笑む
。)よく来てくれたわね。今日はゆっくりして行って頂戴な
、チュー吉くん。」
チュー吉「・・・はい・・・」
老夫人「ワンダ、ミルダ、少し冷えてきそうだから、お食事が始
まる前に私の部屋からショールを取って来てもらえないか
しら?」
ワンダ「はい、おばあ様。」
ミルダ「おばあ様の一番大切な、あの素敵なショールね。」
老夫人「ええ、そうよ。それとあなたたちも、何か一枚羽織る物
を持ってらっしゃいな。」
ワンダ「はい。」
ワンダ、ミルダ、頷いて上手へ去る。
老夫人「さぁ、2人きりね、チュー吉くん。」
チュー吉「おばあさん・・・僕のこと知ってるの?」
老夫人「(微笑んでチュー吉を見る。)いいえ。あなたは私のこと
を知っているのかしら?」
チュー吉「(首を振る。)」
音楽流れる。
老夫人「何だかあなたを見てると・・・昔々に私が出会った、小さ
な私のお友達のことを思い出すわ。」
チュー吉「小さな・・・?」
老夫人「ええ。」
老夫人、歌う。
“昔私が出会った コーラス“昔に
とても不思議な出来事 不思議な
夢のようで夢でない感じ
誰にも分からないわ 今まで
友達になれるなんて 心に
思いもしなかった私 秘めてた
小さな瞳で見上げてた
私の友達なの” 友達”
チュー吉「それは誰のことなの?おばあさん・・・」
老夫人「それはね・・・秘密よ。(笑う。)」
チュー吉「秘密?」
老夫人、歌う。
“遠い昔 思い出す
あなたを見ていると”
チュー吉、歌う。
“前に聞いたことがある
同じような思い出が
とても優しい人と出会った
初めての友達と”
チュー吉「僕のおじいさんが言ってた・・・。僕らにとって、人間は
いい人と悪い人がいるって・・・。おじいさんが昔・・・たっ
た一人出会った人間は、身なりの全く違う自分なんかと
仲良くしようと言ってくれた、とてもいい人だったって・・・
いつも僕に懐かしそうに話してくれるんです。」
老夫人「まぁ、おじい様が?」
チュー吉「あなたはいい人なんですね・・・。知らない僕を招き入
れてくれた・・・。」
老夫人「さぁ、どうかしら。(笑う。)でも・・・どんな方なのかしら、
あなたのおじい様。もっとお話が聞きたいわ。」
チュー吉「(頷く。)僕のおじいさんは・・・」
そこへ下手よりコック、ポン太を捕まえて
登場。
ポン太「放してくれよー!!」
コック「煩い!!静かにするんだ!!」
チュー吉「(ポン太を認め。)ポン太!!」
ポン太「(チュー吉に気付く。)チュー吉!!助けてくれよーっ!
!」
チュー吉「(2人に駆け寄る。)おじさん!!ポン太が何かしたの
!?」
コック「おまえもグルか!?」
チュー吉「グル・・・?」
老夫人「まぁまぁ、物騒なお話ね。(笑う。)」
コック「大奥様!申し訳ありません。こんな大切な日に大騒ぎし
まして・・・」
老夫人「そちらの坊やは、チュー吉くんのお友達かしら?」
チュー吉「はい!!僕の友達でポン太って言います!!」
老夫人「まぁ、可愛らしい名前だこと。」
コック「ふざけた名前の泥棒猫だ!!」
ポン太「だから僕は猫じゃなくてネズ・・・」
チュー吉「ポン太!!」
ポン太「あ・・・」
チュー吉「おじさん!!どうかポン太を許してあげて!!お願い
だよ!!」
ポン太「放してーっ!!」
コック「駄目だ!!」
チュー吉「おじさん!!」
――――― “僕といいひとたち”3へつづく ―――――
※ 舞台では一回ポン太くん去って、再び登場させました^^;
※2、この歌は“、”があまりありません(>_<)
きっとコックさん役の団員には歌い難い歌だったことで
しょう^^;かく言う私も練習用のCDに歌を入れるのに、
四苦八苦したものです^_^;
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(どら余談)
少し最近バタバタと私用に追われてて、中々更新しに
来ることが出来ませんでした(>_<)
公演が続いていたこともあってなのですが、中々新作を
書き上げることが出来なくて・・・どうしたものかと・・・
ちょっと最近は「書きたいから書く」感覚が薄れ、「書か
なければいけないから書く」・・・と言った義務的な感覚
が大きくなり、皆の感動もあまりなく・・・ただ公演の為
だけに書くと言った作業が、書きたい意欲を削ぐと言う
か・・・楽しみに待ってくれる読者が一人でもいるなら、
私は書き続けることが出来るのですが・・・・・・・・・ね・・・
11月12日(水)
ここしばらく朝晩の気温の変化大などで、風邪をひいて
しまいました(>_<)
止まらなかった咳が、漸く治まりつつありますが、明日
からは一段と寒さが増すそうで・・・
皆様も風邪など、体調の変化にはお気をつけ下さい"^_^"