チュー吉「どう?僕たちはそう簡単には捕まらないよ。」
ミーナ「(大きく息を吐き。)ええ・・・分かった・・・分かったわよ。
チーズの代わりにあなたたちを食べようだなんて、もう考
えるのはよすわ・・・。それにしても、すばしっこいネズミた
ちね。」
じいさんネズミ「ホッホッホ・・・年寄りでもネズミはネズミ・・・じゃ
よ。」
ワン太郎「(笑う。)人間たちの間では駿足と言われているネコ
様も、さすがにネズミたちのちょこまか走り回る様子に
は、お手上げみたいだな。」
ミーナ「そうね。そんなに小さい体のネズミたちが食べる量なん
て、たかがしれてるわね。よかったら私のチーズ、これか
らもどうぞ。」
チュー吉「本当!?」
ミーナ「ええ・・・」
チュー吉「ありがとうミーナ!(手を差し出す。)」
ミーナ「(チュー吉の手を握り返す。一瞬ニヤリと微笑んで。)な
ぁんて言うと思ったら大間違いよ!!(笑う。)」
チュー吉「え・・・?」
ワン太郎「ミーナ?」
ミーナ「馬鹿ね!油断したわね、子ネズミくん!!(チュー吉を
摘み上げる。)そんな簡単に誰のことも信用すると、エラ
イ目に遭うわよ。(笑う。)さぁ、捕まえたらこっちのものよ
!こんな小さなネズミなんかより、力は大きな私の方が
何倍も強いんですからね!」
チュー吉「わあーっ!!助けて・・・助けてーっ!!」
ワン太郎「おい、なんて奴なんだ!!ミーナ!!チュー吉を放
すんだ!!」
じいさんネズミ「ネ・・・ネコさん!どうか・・・どうかチュー吉を・・・」
ワン太郎「おい、ミーナ!!チュー吉を放してやれよ!!」
チュー吉「放してーっ!!」
ミーナ「い・や・よ!フンフンフン・・・(鼻歌を歌いながら、誰の声
も耳に入らないように。チュー吉を目の前まで持ち上げ、
舌なめずりする。)いっただきまぁ・・・(壁にかかってあっ
た鏡に目を奪われたように見詰める。)あれ・・・?(思わ
ずチュー吉を放し鏡の前へ。)」
チュー吉「(じいさんネズミに駆け寄る。)おじいさん!!」
じいさんネズミ「チュー吉!!」
ワン太郎、ミーナから隠すように
チュー吉たちの前に立つ。
ミーナ「(鏡と自分の胸元を交互に見て。)ない・・・ない・・・ない
ないない!!ないったらないわ!!」
ワン太郎「・・・ない?」
ミーナ「私の・・・私の大切なネックレスの宝石がないのよ!!」
ワン太郎「宝石って・・・」
ミーナ「ええ!!あれは私がこの家へもらわれることになって、
ママと離れ離れになる時にママにもらった大切な宝石な
のよ!!命の次に大切な・・・ママにもらった思い出の宝
石なのに・・・(泣く。)」
チュー吉「大切な・・・」
ワン太郎「(棚の隙間を覗いて、何かに気付いたように。)ん・・・
?あれは・・・おい・・・おい、ミーナ!おまえの探してる
宝石ってあれじゃないのか?」
ミーナ「え!?どこ!?(急いで棚の隙間を覗き込む。)あ・・・あ
れよ!!あれが私の大切な宝石・・・(棚の隙間に手を伸
ばしてみる。)う・・・ん・・・駄目・・・駄目だわ・・・全然届か
ない・・・(棚の隙間を覗いて涙声で。)・・・ママ・・・」
チュー吉「・・・僕が取って来てあげようか?」
ミーナ「え・・・?」
ワン太郎「チュー吉・・・」
チュー吉「僕ならこんな隙間、なんてことないからさ。」
ミーナ「・・・本当!?」
チュー吉「うん。」
じいさんネズミ「駄目じゃ、チュー吉!!」
チュー吉「おじいさん・・・」
じいさんネズミ「見てみるんじゃ、この隙間を・・・(棚の間を指差
す。)」
チュー吉「(棚の隙間を覗く。)」
じいさんネズミ「宝石の前にあるカゴ・・・なんじゃと思う?」
ワン太郎「・・・ネズミ捕りだ。」
じいさんネズミ「そう・・・」
チュー吉「ネズミ・・・捕り?」
ワン太郎「そういや、この間の休みの日に、この家のご主人様
が、色々なところにあのネズミ捕りを仕掛けていたっ
け・・・」
じいさんネズミ「あの中におまえさんの大好物の何かが入って
おるじゃろう?」
チュー吉「(クンクン嗅ぐように。)あ・・・ミーナさんのと同じ、チー
ズの匂いがする。」
じいさんネズミ「そうじゃよ。その大好きなチーズを取ろうとして
あのカゴに入ったが最後・・・捕まえられたネズミ
たちはみな・・・」
チュー吉「・・・みんな・・・?」
じいさんネズミ「・・・だから行ったら駄目じゃ・・・」
チュー吉「おじいさん・・・僕たちはネズミだよ!走り回るのと同
じくらい狭い場所は得意中の得意じゃないか!それに
・・・(ワン太郎とミーナを見る。)この2人を見て!どう
見たってこの狭い隙間に入れるのは僕しかいないで
しょ?だから僕が行く!おじいさんが何て言ったって、
ここで尻込みしてちゃ、ネズミの名が泣くよ!!」
ワン太郎「チュー吉・・・」
ミーナ「子ネズミくん・・・」
じいさんネズミ「・・・分かった・・・だが気をつけるんじゃぞ。」
音楽流れる。
チュー吉「うん!!」
チュー吉、勇ましく棚の隙間に入って行く。
コーラス“進め いざ
誰も進めない
進もうと思ったこともない
さぁ 行け
勇気を出すんだ
誰もできなくとも君になら”
チュー吉の声「わぁーっ!!」
ワン太郎「どうした、チュー吉!?」
チュー吉の声「蜘蛛の巣が・・・」
じいさんネズミ「蜘蛛の巣・・・」
ワン太郎「おどかしやがって・・・」
その時、ネズミ捕りの扉が閉まった
音がする。(“ガシャン”)
ワン太郎・じいさんネズミ・ミーナ「チュー吉!!」
チュー吉「・・・大丈夫だよ!」
ワン太郎「(ホッとする。)」
コーラス“行こう 見つけた
探し物はそこ
すぐそこ邪魔する
ものはないぞ
見えた 届いた
大切なものだ
つかんだ やったぞ
大事に持って帰る”
その時、隙間からチュー吉が出て来る。
チュー吉「ただ今・・・」
ワン太郎「チュー吉!!」
音楽流れる。
チュー吉「はい・・・(ミーナへ宝石を差し出す。)」
ミーナ「ありがとう!!」
ミーナ、歌う。
“ありがとう コーラス“素敵
意地悪した私の為 言葉
あなたは 勇気
勇気出し向かってくれた 溢れ
ありがとう 思い
優しさと勇気溢れた 届く
小さな英雄と思う あなた
こんな私を許してね” 強く”
チュー吉、歌う。
“僕には コーラス“優しい
誰にも言えない思いが 心が
勇気が 少しの
出せずにいたどんなときも 思いが
けれども 届いた
大切な物への思い 確かに
感じたときに勇気出た 初めて
あなたの思いが届いた つかんだ”
ありがとう”
(音楽変わる。)
ミーナ「チュー吉くん・・・」
じいさんネズミ「そんな風に思っておったのか・・・」
ワン太郎「ただの無鉄砲屋じゃなかったんだな。」
チュー吉「・・・うん。」
チュー吉、歌う。
“今までと違うこの思い
仲間がいるんだ僕の回りに
ほんの少しの勇気を出すんだ”
ワン太郎、チュー吉の頭に手を置く。
チュー吉「えへへ・・・(照れ臭そうに笑う。)」
チュー吉、歌う。
“大切なことに”
ワン太郎、歌う。
“気付くことできる”
ワン太郎「そうだな、お互いに相手のことが分かれば、今まで
恐れていたことが、ただの思い過ごしだったと分かる
こともあるんだな。」
チュー吉「うん。知ろうとする気持ちが大切なんだって僕も分か
ったよ。」
ワン太郎「おっ、いいこと言うねぇ。」
じいさんネズミ「さすがチュー吉じゃ・・・(笑う。)」
ミーナ「さ・す・がね。(笑う。)」
チュー吉「ミーナさん!」
ミーナ“ほんの少し心開いて”
じいさんネズミ“相手を受け入れる寛大さを”
チュー吉“僕の回りの大切な仲間”
コーラス“大切な仲間いる”
ワン太郎“新しい出会いに”
チュー吉“気付くことできる”
チュー吉、残して全員下がる。
そこへ下手よりポン太、走り登場。
ポン太「チュー吉ー!!」
チュー吉「ポン太!」
ポン太「今までどこにいたんだよ!じいさんネズミもいないし・・・
みんな凄く心配してたんだ。」
チュー吉「ごめんよ、ポン太!」
ポン太「でもよかった!無事ならそれでいいんだ。」
チュー吉「ポン太・・・ありがとう!」
ポン太「なんだよ、改まって。」
チュー吉、歌う。
“今まで築いた友情も
これから始まる新しい友
どちらも大切な僕の仲間”
ポン太「チュー吉・・・」
チュー吉「うん!みんな・・・大好きだよー!!ばいばーい!!」
――――― 幕 ―――――
8月23日(土)
長いことご無沙汰でした"^_^"
ようやく第8回公演が終わり、筋肉痛で体中がガタガタ
してたのですが、少しずつマシになり・・・
やっとこさ、ここへ戻ってくることができました^^;
これからは、第8回公演の脚本と、公演日記を合わせて
紹介していこうと思っていますので、またご覧になりに
いらして下さいね~♪
さて、来週には小学校公演があり、新たに某病院の保育
所からの依頼で、9月早々に公演が増え、次回からの
台詞練習の為に新作を書き始めなければ・・・と、相変わ
らずの多忙な日々が待ち受けております(>_<)
が・・・頑張りますのでヨロシクお願いします(^^)
(おまけフォト^^;)
第8回公演の為に、新たに作った主人公のお人形(モリー、
前方中央。)と、後方はこちらも新しく作った妖精たちの
お人形です^^;
これら今回新作で作り上げたお人形の数々は、公演
前日まで仕上げるのに時間がかかってしまい、実際に
動かすことが出来たのは、本番だけでありました(>_<)
・・・の割りに、結構上手に動いてくれたな・・・と・・・^^;
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
8月1日(金)
長いこと来れなくてごめんなさい
いよいよ8月に突入してしまいました・・・(>_<)
で・・・?・・・はい・・・^_^;
一体どこまで公演準備が進んでいるかというと・・・
ようやく1作品の編集が終了し、ただ今もう1作品
の編集真っ最中であります(^^)v
そんな中、今日は来年の第9回公演の会場取りに、
団員たちと行って来ました"^_^"
元来、あまりくじ運のよくない私が引いた予約取りの
順番に、殆ど希望日を諦めながら待っていたのです
が・・・
なんとか今年のようなお盆明けの月曜日などと、
「誰が観に来てくれるん・・・?」
と言ったような日ではなく、週末の比較的来て頂き
やすい日をゲットすることができました"^_^"
まだ第8回公演は終わっていませんが・・・
第9回公演の日程も合わせてお知らせしておきます♪
1年も前の今から、是非とも予定してお越し下さい!
私も来年こそ、作品の仕上げには余裕を持って
取り組んで行きたいと・・・心に固く誓う次第であります
^^;
先ずは第8回・・・頑張って間に合わせます~(>_<)
とても可愛い2作品に仕上がってきていますので、
是非今からの仕上がり具合を確認しに、足をお運び
下さい
会場でお待ちしております♪
♪第9回リトルパイン人形劇公演のお知らせ♪
2015年8月29日(土)
PM18:00開演予定
↑ これは今日、会場を取りに行って、
18日の公演チラシをボードに貼って頂いてたので、
それを団員に写メってもらったものなのですが・・・
どこに貼ってあるかなんて・・・全く分からないですね
・・・^^;