りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“自由へ・・・―リーザ旅立ち―” ―全9場― 3

2013年11月16日 10時20分44秒 | 新作(人形劇用)



    


         音楽流れる。

  リーザ「どうして?友達なんて、誰かに頼んでなってもらうもので
      はないわよ、ハンナ。友達って自然とできるの。」
  ハンナ「自然と・・・」

         リーザ、歌う。

        “無理をしたり
         思いは次
         そんなのおかしい       ハンナ“だけど
         友達って自然と             だって
         できる筈よ                本当に?
         誰かに頼まれて             それでも
         友達に会える?              いい”
         そんなことはありえない
         心があるの
  
         出会えるわ           ハンナ“私にでも
         あなたにもきっと”            そんな人が”

         リーザ、ハンナの手を取る。
         紗幕閉まる。

    ――――― 第 5 場 ―――――

         紗幕前。
         後方を見上げながら、アレク、サンド、ロス、
         何かを探すように下手より登場。


        



  アレク「やっとこさ、ここまで辿り着いたものの・・・」
  サンド「姫様のいるファインヅ寄宿学校は、この高い塀の向こう
      側じゃとは・・・」
  ロス「一体どうやって年寄りの我々が、この塀を乗り越え姫様の
     元へ辿り着けると言うのじゃ・・・」
  アレク「おまけに反対側は切り立った断崖ときておる・・・」

         音楽流れる。

  サンド「あぁ、困ったのぉ・・・」

         3人、歌う。

        “身を切られる思いだ
         いつもいつも姫様の
         心配ばかりしてる
         我々3人
         この高い塀
         どこだろう
         姫様は
         心配だ
         居ても立ってもいられないぞ
         今までは
         その側で
         成長を
         見守って大切にしてきたぞ”

  ロス「ここで指をくわえて、姫様の身を案ずるしかないのか・・・」
  アレク「なんと口惜しい・・・」
  ロス「リーザ姫様・・・」

         その時、下手よりアンドレ王子、登場。
         歌う。


    

    

        “父上の命を受け
         はるばるこんな場所まで
         我が家の姫はいずこ
         見えるのは海
         目の前は壁
         どこだろう妹は
         心配は
         いらぬと分かってはいるのに
         父上と母上のお心の
         痛みを拭う為
         馳せ参じた”

  アンドレ「アレク、サンド、ロス!」
  アレク「アンドレ王子様・・・」
  サンド「王子様・・・」
  ロス「どうしてここに・・・?」
  アンドレ「おまえたちと同じ理由に決まってるじゃないか。」
  アレク「え・・・?」
  アンドレ「最近のリーザの無鉄砲さが、少し心配だったからね。
       偵察と言う訳さ。」
  アレク「偵察・・・?」
  アンドレ「ああ、そうさ。・・・と言うのは表向きの理由で、本当は
       父上に頼まれたんだ。」
  ロス「王様に・・・!?」
  アンドレ「ああ。父上は、一人遠くの寄宿学校へ行かせたリーザ
       のことを、とても案じておいでだったからね。」
  アレク「王様が・・・」
  アンドレ「うん・・・。」
  ロス「あれ程、自由奔放なことをなさる姫様のことを、お怒りに
     なっておられたのに、兄上をよこされる程ご自分の命令で
     、ここへやられた姫様の身を案じておいでとは・・・」 
  アンドレ「父上はリーザを誰よりも一番可愛がっておいでだから
       ね。」
  ロス「なる程・・・」
  アンドレ「さて・・・それで?この塀を乗り越える方法は、何か考
       えついたのかい?」
  アレク「いえ・・・それがまだ・・・我々年寄りにはこの高さ・・・乗り
      越える術もなく・・・」
  アンドレ「そうか・・・ではこの僕がこの壁をよじ登り、内側から門
       のカギを開けて、おまえ達が入る道筋をつけてやろう。」
  ロス「それは有り難いお話しですが、王子様とてこの壁を乗り越
     えるのは・・・」
  アンドレ「何を弱気な!!さぁ、我々の前にそびえ、立ち塞がる
       強固な壁を乗り越えいざ行かん!!この未知の領域へ
       !!」

         アンドレ王子、下手へ走り去る。

  アレク「王子様!!」
  サンド「やれやれ・・・姫様の無鉄砲さは、兄上譲りとお見受け
      致した・・・。」
  ロス「本当じゃなぁ・・・」

         3人、下手へ去る。

    ――――― 第 6 場 ―――――

         紗幕開く。と、寄宿学校。(談話室。)


     
                     ※


 
         リーザとハンナ、楽しそうに話し込んでいる。

  ハンナ「あなたって、本当に何でもよく知ってるのね。」
  リーザ「そんなことないわよ。」
  ハンナ「学校に通うのは、ここが初めてだって言ってなかった?
       」
  リーザ「そうよ!今までは、アレク、サンド、ロスが私に色々と勉
      強などを教えてくれていたの!だから・・・」
  ハンナ「アレク、サンド、ロス・・・?」
  リーザ「ええ、私のじ・・・」
  ハンナ「じ・・・?」
  リーザ「じ・・・じいちゃん・・・近所に住むじいちゃん達よ!」
  ハンナ「ふうん・・・いいわね、リーザの村にはそんな風に何でも
      教えてくれる、物知りなおじいさんが何人もいて・・・」
  リーザ「そ・・・そうでしょ・・・」

         その時、下手より一人の生徒(アミィ。)
         登場。ゆっくりリーザ達の側へ。

  アミィ「あの・・・」


    



  ハンナ「(アミィを認め。)アミィ・・・」
  リーザ「アミィ?」
  ハンナ「ええ・・・彼女はジニーのグループのアミィ・・・」
  アミィ「私も・・・あなた達のグループに入れてくれない・・・?」
  リーザ「グループも何も・・・私達はただの友達よ。それに誰とで
      も友達になれるわ。だからあなたが友達になりましょうと
      言うなら大歓迎よ!」
  アミィ「本当に?」
  リーザ「勿論よ。」
  ハンナ「でもジニー達は・・・?」
  アミィ「私・・・もううんざりしてたの・・・ジニーのグループ・・・エレ
      ンのグループ・・・って・・・いつもいつもお互いを敵対した
      ような関係に・・・。そんな時、リーザがやって来てグルー
      プになんて入らないと言われたのがすごく格好良くて・・・
      」
  
         その時、生徒たち順番に下手より登場。
         (リーザの回りに集まって来る。)
         音楽流れる。

  生徒1「私達も・・・お友達になってくれる・・・?」
  生徒2「(頷く。)」
  生徒3「私も・・・」
  リーザ「皆・・・」
  アミィ「グループなんておかしいわよね・・・」
  ハンナ「ええ!」
  生徒1「同じ学校の生徒同士、皆で仲良くすればよかったのよ
      !」
  リーザ「その通りよ!」


    


         リーザ、歌う。

           “同じ場所で
         学び合う友達
         仲良くなれない筈がない
         手をのばせば直ぐに”

         生徒たち、歌う。

        “今まで気付かずいた
         直ぐ側に友達が
         こんなに沢山いた
         見えていなかった”

         リーザ、生徒たち、歌う。

      リーザ“やっと           生徒たち“気付いた
           そこに                 友達
           いることが分かった”        本当
                                仲良くしたい”

      リーザ“誰も同じ         生徒たち“同じね
           仲間同士よ             仲間よ
           お互い認め合う”          これから”

  アミィ「本当ね・・・」
  生徒1「私達、今まで長い時間を無駄にしたわ・・・」
  リーザ「大丈夫!気付いた時から変わればいいのよ。そうすれ
      ば、うんと楽しい学校生活にきっとなるわ!」
  ハンナ「リーザ・・・そうね・・・!」
  アミィ「気付かせてくれて・・・」
  ハンナ「ありがとう・・・!」

      リーザ“少し回りを見れば       生徒たち“隣に
           差し伸べる手に気付く          いたのね
           そっと握り返して              友達”
           友達になれる”

         皆、リーザを取り囲むように、嬉しそうに
         下手へ去る。
         入れ代わるように、エレン、ジニー、舞台上の
         生徒たちを陰で見ていたように、ゆっくり
         上手より登場。


    



  エレン「頭にくるわね・・・」
  ジニー「本当・・・!」

         音楽流れる。 ジニー、歌う。

        “私達のチカラで
         築き上げた王国”

         エレン、歌う。

        “後から来たよそ者
         奪い去るなど
         許さないから”

  エレン「ねぇ、ジニー・・・今回だけ・・・私達、手を組まない?」
  ジニー「手を組む・・・ってどう言うこと?」
  エレン「このままじゃ私達が築き上げてきた、この学校の2人天
      下が、あのリーザ一人に奪い去られてしまってよ!」
  ジニー「そんなの許せないわ!!」
  エレン「だから・・・少し痛い目にあわせて、この学校から逃げて
      帰りたくなるようにしてあげましょうよ・・・」
  ジニー「痛い目・・・?」
  エレン「そうよ!!」
  ジニー「何か考えがあるのね?」
  エレン「ええ・・・」

         エレン、歌う。

        “私達が築いた
         私達の王国”

         ジニー、歌う。

        “2人だけの楽園
         他の誰にも
         邪魔はさせない”

  エレン「この学校には、昔々から地下に使われていない、大き
      な書庫があって・・・その奥は海へつながると言われてい
      るの・・・」
  ジニー「海に・・・そう言えば私も聞いたことがあるわ・・・」
  エレン「誰も怖がって近寄らないし、先生たちも迂闊に入り込ん
      で迷っては大変だからと、近寄ることを禁じられた場所だ
      から、本当のところは海につながっているかとうかなんて
      、誰も知らないのだけれど、その噂は上級生から下級生
      へと受け継がれ伝えられているもの・・・。」
  ジニー「そうだったのね・・・それで、その書庫がどうしたの?」
  エレン「しっ!その噂には続きがあるの・・・」
  ジニー「続き・・・?」
  エレン「その海から満月の夜に、海に住む魔物がやって来て・・・
      その書庫を徘徊すると言われる続きが・・・ね・・・」
  ジニー「え・・・?」
  エレン「そして今夜は、その魔物がやって来る満月よ・・・」
  ジニー「エレン・・・あなた・・・」

         紗幕、閉まる。(暗転。)








  ――――― “自由へ・・・―リーザ旅立ち―”
                        4へつづく ――――― 











   ※ この紗幕開けは、リーザちゃん肩手に私が途中まで
     開けています(^_^;)人手足らずの為であります・・・^^; 
     兎に角この作品・・・登場人物がやたらと多くて、人形操作
     の手が全く足らなかったのです(>_<)
     


― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 


   (どら余談^^;)
  
   来週からは新作の台詞練習が再開されます(^^;
   その録音日が12月9日に決まりました・・・(>_<)
   これは2月の保育園公演作品になるのですが、
   2作品でお邪魔する予定なので、もう一作品、至急・・・
   書き上げなければいけません・・・(ーー;)

   その合間に、12月に公演予定のエリィちゃん作品の
   編集に取り掛からなければ、公演に間に合わなくなり
   そうです・・・(ーー;)
   
   次回録音作品は、今まで登場したことのない生き物が
   主人公のお話しなので、お人形の使い回しなどが
   全く出来ません(;_;)
  
   ・・・と言うことは、色々な準備を進めながら人形作りも
   並行して行うと言った、チョー多忙な作業に忙殺される
   日々を過ごさなければなりません・・・(>_<)

   なのに・・・
   最近の私は「何もする気がおきない症候群」とでも
   言いましょうか・・・少しでもヒマを見つけては
   つい“ゴロゴロ”・・・
   こんなことでは駄目なことは誰が見ても一目瞭然・・・
   
   どんなに忙しくても、最後には全て終わらせることが
   出来た今までの私ですが・・・
   流石に今回は・・・少し(?)不安です・・・(>_<)

   パソコンの調子も良くないですしね~・・・(ーー;)
   頑張ります・・・(^_^;)



   11月13日(水)

   ここ何年か、毎年お声掛けして頂いている小学校から、
   今年も公演依頼を頂きました(^O^)

   上記の理由でドタバタ中の1月25日・・・
   頑張ります・・・(^_^;)