~経済ニュースの森の奥~ ・・マクロな視点から。

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No.4 世界ワースト5位財政事情③ ~増税vs官の削減~ 

2005年10月02日 | 過去ファイルNo2~No10へ
②から続き

財政を破綻させないシナリオを描くための選挙後の動き・・・

自民選挙大勝後、政局が安定したのをいいことに、官による「増税」世論形成キャンペーン。
それに関して小泉は我関せずをつらぬく。あくまで「歳出削減=官の縮小」だと正論を吐く。国民は小泉に賭けるしかない。淡い期待はふくらみます。

しかし日本の政と官の関係の歴史をふまえて大局的に考えると、
小泉は国民信認を得るための「正義役」、官僚はそのコインの裏側で「悪役」
後で気が付けば同じコインの裏表だったことが判明する可能性が高いと見ています。

00年財政投融資改革法案、道路公団民営化法案、郵政民営化・・族議員だけでなく「官」によるあらゆる政治家や国民に対する根回しと理論武装が功を奏し紆余曲折の末、法案は骨抜きにされました。優秀な「官」にとっては法律にあいまいな部分さえ作っておいて、あとで目立たぬよう抜け道を通すことは得意技だから、あらゆる手段で時間稼ぎをするはず。「族議員」がもうアテに出来なくなった分、国民世論に直接「増税容認」プレッシャーをかけつつ、「官の削減」については妥協点で政治と合意する。 
政治はグレーゾーンの全くない法案など今まで通したことなどありません。ひとえに「官」の抵抗の成果です。

大増税が実現可能なタイミングは、マクロ景気がいいときだけです。
今、短期的にマクロ景気の数字が回復しているので政官にとって又とないチャンスが訪れているといえる。小泉人気が続いているうちに一気加勢といきたいはずです。
財政ひっ迫も景気回復も、なにせもうあまり時間がない。財政を破綻させてしまっては今の「政」「官」ともにツブれてしまうから元も子もない・・・。

この「時間がない」点が、政と官が妥協する最大のポイントになると予測します。


日本国民はビッグマウスを信じやすく、情にもろくお人好し、島国ゆえに他の世界のシビアな価値観もあまり浸透しない。
きっと妥協した歳出削減法案も大増税も、大半の日本人は一旦受け入れてしまうでしょう。でもきっと根本解決になってないことに気づき、すぐに又ブーイングの嵐が・・。

・・・・

そんな日本的なまどろこしいことをずっと容認するより
私は、むしろ大きなリセッション(再調整)が日本にもうそろそろ必要な時期に来ているのではないかと感じます。

(次回へ続く)