おそらくは開業医レベルでは少し「勇み足」的な早すぎる転送だったかなと思ったが、もし「明日また来て下さい」と家に帰していたら確実に手遅れなるところであった。それにしても敗血症性ショックになったらいくら早く手術してもなかなか救命は難しい。自分が救命センター時代はこの疾患ですでにひどい敗血症ショックになって転送されてきた患者さんをたくさん手術した。手術後も人工呼吸器管理を余儀なくされたり、あるいは血液中の毒素を除去するために血液浄化をしたりで集中治療に大変な思いをしたものである。しかしそれでも救命率は高くはなかった。それらに比べこの患者さんは割りと早めの対応だったようなので救命は期待できそうである。あとは都立病院の医師に委ねるしかないが、とりあえず開業医としての自分の職責は全うできたとホッとしている。それにしても年に1人は見逃したら手遅れになる疾患が忙しい外来の中に入り込んでくるので気が抜けない。