吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

マリオの公道カート その2

2017年05月31日 06時10分12秒 | 日記
 しかも13件の事故のうち10件は外国人観光客であるそうだ。確かに自分も時々都内で彼らの集団走行を見かける。概ね全員が観光気分で騒いでいる。観光でマリオの格好をしてカートに乗るのである。当然、記念撮影は走行中の自撮りである。これは日本の交通法規違反である。

 その他も信号待ちの間、カートから降りて同行者の写真を撮ったり、あるいは集団走行で先頭車が黄信号の場合、最後尾カートは平気で赤信号を無視して通過するのである。
 
 警察はカートのレンタル会社に「交通法規を守るよう指導を促す」旨の依頼書を出したそうである。でもそれはどう考えても違うだろうと感じたのである。
 カート会社への依頼書が最初ではなく、まずは違反している不良外国人の取り締まりが先でしょう。
 ただでさえ目立つ格好と車である。しかもほぼ間違いなく走行中スマホ撮影はするのである。覆面パトで追っかければ確実に取り締まれるはずである。

 善良なちょっとうっかり違反した日本人には厳しく取り締まるくせに、不良外国人を野放しにするのは如何なものか? 英語を話せないからか? 国際免許だと取り扱いが難しいからか? 不良外国人をとりしまっても自分の実績にならないからか? 
 理由は知らないがこの不公平感が警察の信用を無くしているのである。

マリオの公道カート その1

2017年05月30日 06時01分08秒 | 日記
 大昔、ゴーカート運転中、運転を誤り壁に激突したということで俳優の赤木圭一郎が死亡した。車事故での・・ということで和製ジェームスディーンと呼ばれ彼はレジェンドになった。
 まあレジェンドもいいが、カートは身体がむき出しのまま高速で移動する車両である。何の身体を守るためのものもないし、法規上はヘルメットもいらないしシートベルトもいらないそうである。当然危険な乗り物であるにもかかわらず、車高が低いので公道では他の車の死角にはいり、自らの存在も認知させづらく一層危険な乗り物出ることは間違いない。

 最近主に外国人観光客向けにマリオのコスチュームを着せて公道をこのカートで走らせる商売が有名になってきた。任天堂が権利侵害ということで提訴したらしいがその結果はどうなったのか?
 
 しかしこの危険な乗り物による事故がここ2か月で13件も起こっているそうである。さもありなんである。
彼らの公道上での傍若無人な振舞をみていると、さながら外来生物が日本の環境に入り込み日本の在来種を脅かしているような感覚に陥るのである。

山中湖ロードレース

2017年05月29日 05時55分27秒 | 日記
昨日、山中湖1周するマラソンレースに出た。
実はここ数年、この年1回の大会に出ている。健康維持のために始めたジョギングであるが、自分のようなグータラは何か目標がないと続かない。
 そりゃ、「健康維持」という立派な目標があるがなかなかこれだけだとmotivationが維持できない。
 そこでマラソンレースに申し込んで参加費を払ってしまえば、いやでも行かざるを得ない。

 というわけで毎年この5月の最終日曜に開かれる大会に出場しているのだが、時期的にいつも炎天下である。いくら標高1000mとはいえ暑いことこのうえない。
 しかし天気がよければ富士山が綺麗であり、それだけで来たかいがあるのである。

 ずいぶん前に亡くなった祖母であるが、富士山が好きであった。伊豆方面にドライブに連れていくと、富士山が見えるたびに、「ありがたい、ありがたい」と手を併せて拝むのだった。

 昨日は曇り空で寒かった。例年になく肌寒い気温であったが走るのには絶好の気温だった。おかげでそれほどばてることなく完走。
 でも富士山がまったく見えなかったのでここへ来た目的の半分は達成していないことになる。
 祖母の御威光も届かなかったようである。

亡父命日

2017年05月27日 06時26分25秒 | 日記
 5月25日は、診療所先代の亡父命日であった。何となくその日は「亡父を偲んで外食」という流れになった。
 母は「お父さんは、御徒町のIのとんかつ好きだったのでそこに行きましょう」と言った。
 確かに生前、父はそのIという店のトンカツが大好物であった。心臓を患ってからは高脂血症の改善のため、食事は気を付けていたらしいが、このIのトンカツだけはやめられなかったようである。

 当時、通院していた循環器の教授に「トンカツ・・・だめですかね?」と聞いたらしい。その教授もたぶん根負けしたのか「まあ、ほどほどなら・・」と言ったらしいが、それを聞いて父は「教授がトンカツは食べていいって言ったんだぞ」と、喜々としてIに足しげく食べに行ったのである。それくらいIのトンカツが好きだったのである。

 でも「父を偲んで」という名目で命日に我々が食べに行ったら「俺は食えないんだぞ」と父は怒りはしまいか? そう母に告げたところ、「大丈夫よ、命日に故人の好きなものを食べてこそ供養の意味があるのよ」と答えた。
 何となくこちらの「ご都合」のような感覚がしたのだが。

 さて心地よい夜風に吹かれながら店に着いた。驚いた・・・。店は臨時休業で休みだったのである。
 「ほら、やっぱりオヤジは怒っているんだ」と思った次第である。

クレーム つづき-2

2017年05月26日 06時08分28秒 | 日記
 先進諸外国では、消防や救急隊は尊敬の対象である。市民生活の中に「制服」のままで溶け込んでいるし、かれらは優遇されている。
 24時間にわたり公的に市民の安全を守っている人達に対して、やれ「仕事中なのに・・」とか「制服のままでコンビニに・・」などというクレームをつける日本人の気がしれない。
 このような市民は勤務中、休憩中、食事中・・という時間割があって、それを遵守しないのがけしからんと思っているのだろうか? そのようなクレームをつけるパワーがあるなら、なぜそのパワーもっと彼らの仕事の便宜を図ってあげようという前向きな提案にむけられないのであろうか?
 誰がどう考えても、不必要な119番通報はまだまだあとをたたない。常識で判断できるくらいの病状把握で結構である。それくらいの判断だけで「明日医療機関へいけばいいな」ということになり彼らの仕事量は激減するはずである。

 さて「勤務中なのにコンビニで飲食を・・・」とクレームをつけた方への提案である。そこまでおっしゃるなら、あなたからの119通報の時には「今、救急隊は全隊、食事休憩時間中なので出場できません。1時間後にまたお電話くださいね。え?あなたのクレームどおり勤務時間には食事しませんので、休憩時間の食事としています」とお返事することになる。
 とてもとても日本人だって諸外国からみたら恥ずかしい人達は沢山いるようである。情けないったらありゃしない。

クレーム つづき-1

2017年05月25日 06時05分11秒 | 日記
 救急隊は24時間のオンコール体制であり、救急出場がかかれば、1秒を惜しんで救急車に飛び乗るのである。したがって休憩時間は基本的にない。食事中であっても中断して救急出場する。
 もし帰署する前にまた出場がかかれば、そこからまた別の現場へ急行する。24時間1度も署にもどれず1回の休憩すらないという勤務も多いのである。

 その中で、「制服でコンビニへ寄った。けしからん」「救急車で買い物にきた。けしからん」「車内で飲食をしている。勤務時間中ではないか」という、陳腐なクレームをつける市民の気がしれない。
 諸外国では、レジ待ちの行列では待っている人が救急隊員を一番先に順番をあけてあげる。あるいは消防署には食べ物の差し入れがよくある。
 某有名ドーナツ店では制服で来店すればドーナツを無料にするなど「業務中の彼ら」は市民から尊敬され優遇されるのである。
 市民の命と安全を守っているのだからあたりまえである。「コンビニに寄るな、飯食うな」はクレームにも値しない。彼らの業務内容の認識不足を露呈しているに過ぎない。

クレーム

2017年05月24日 05時47分52秒 | 日記

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=220&id=4548997&from=home
 「救急隊は連続する出動などのため、食事が摂れない場合があります。そこで……ご理解をいただいた病院の売店等で飲食物を購入し、飲食を摂ることにしました」――。千葉県船橋市内の医療機関に貼られた告知文がネット上で話題になり、「そんなことでクレーム入れる人がいるの?」「世知辛い」といったコメントが寄せられています。どのような経緯で告知を出すことになったのか? 船橋市消防局に話を聞きました。
【画像】告知の全文はこちら。「出動体制は維持しておりますので……」。千葉市消防局が作成した文章も
ツイッターで話題に
 26日、ツイッターにこの告知文を写した画像が投稿されました。そこにはこう書かれています。
 ◇ ◇ ◇
 救急隊は連続する出動などのため、食事が摂れない場合があります。
 そこで… ご理解をいただいた病院の売店等で飲食物を購入し、飲食を摂ることにしました。
 救急隊が飲食物を購入している場合は、連続する救急出動で飲食が摂れないときです。
 出動体制は維持しておりますので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
 ◇ ◇ ◇

 なんでこんなことを「張り紙」にしてわざわざ告知しなければいけないのか?
 日本人もまだまだ諸外国に誇れるような国民性ではないな・・・という印象。

クリニックへのテロ攻撃 その5

2017年05月23日 05時34分57秒 | 日記
 その日、紙おむつをして来院された患者さんは一人しかおりませんでした。その方はほとんどうちのクリニックには来られない方でした。高齢でたぶん認知症もある方でしょう。今日は奥様が付き添いで来院されました。
 診療中奥様曰く、「紙おむつは自分で替えている。触らせてくれない」と言っておりました。もしかしたらトイレで替えてそのまま捨てられたのでしょう。
 でも自宅でもトイレに紙おむつを流しているんですかね~? 毎回自宅で詰まらせているなら、ちょっと事前に奥様から情報提供頂けたらありがたかったのですが・・。

 それにしてもひとつ勉強になりました。紙おむつは水に浸かると数倍にも膨れ上がり、まさにあの可塑性はつきたてのお餅みたいにグニュグニュしてかなりの重量になります。トイレの下水に嵌りこんだら少々のプランジャーなどではビクともしません。便器の汚水の中でこの物体をつかんだ時の手の感触は・・・ご想像にお任せしますが、ハレの食べ物であるつきたてのお餅を神様から授かったようで、とても清々しく幸せな気持ちになりました・・・。
 でっ、でもトイレにはトイレットペーパー以外のもの、それが神様からの授かりものであっても捨ててはいけないんだと痛感した次第でした。

 翌日、「トイレにはトイレットペーパー以外は流さないでください」と張り紙をしました。でも・・・一抹の不安が残ります。「トイレットペーパー以外は流してはいけない」と書いたら、まさかトイレの床に放置ウンコされはしないでしょうね? いや、真剣に心配しているんですけど(泣)。

【後日談】
 いや、実はこの張り紙をみて、「トイレにはトイレットペーパー以外はダメって書いてあるんですけど、ここのトイレで用を足してはいけないんですか?」と聞いてきた患者さんがいらっしゃいました。確かにこの張り紙は言葉足らずかもしれません・・・。


クリニックへのテロ攻撃 その4

2017年05月22日 05時22分46秒 | 日記
 それをつかんで引っ張り出そうとしてもちぎれそうで思い切り引っ張れない。
 だましだまし僅かずつであるが手前へ移動させた。
 すると白いその物体の表面に水色の四角い小さなテープ片がみえたのである。あれ? これはもしかして・・・。

 もう少し引っ張ったらなにやらギャザーで寄せてあるフリルが見えたのでした。かなり固く嵌っていましたがようやく取り出すことができて、全貌が確認できた。

 ななな・・なんとそれはディスポの紙おむつであったのだ。唖然、呆然・・・。
 しかもこの紙おむつはパッドの吸水物質が「タップリ」と水分を吸収してくれてブクブクに、それこそ溺死後1週間の死体のように醜く膨れ上がっていたのでした。

 以前、バリウムウンコで詰まらせたNさん、疑ってごめんなさい。貴方ではありませんでした。さて掃除をして片づけた後は本日来られた患者さんのカルテを一人ひとり見直しました。ハイ、容疑者(ごめんなさい「容疑者」と言わせてもらいます)すぐにわかりました。


クリニックへのテロ攻撃 その3

2017年05月20日 05時57分32秒 | 日記
 何回、プランジャーかけてもビクともしない。もちろんバリウム便のかけらも何も出てこない。それでも顔に飛び散る汚水を拭い、泣きながらプランジャーで何回も吸引をかけました。
 不思議とこの「反復運動」の繰り返しは、感覚がマヒしてくるのかエンドルフィンが分泌されるのか変な意味での「多幸感」を感じ始めました。いやそんなことはないと否定する感覚もありましたが何だかこの作業を横からニヤニヤして見ている離人的な自分がいるような感じがしたのです。
 これは強烈なインパクトにひしゃげてしまった自分の可哀想な情動反応なんでしょう。 

 さてしばらくすると便器の奥にかろうじてわずかに白い物体が見えてきたのである。ここでプランジャーをかけると、吸引する前に押し込む操作をするため、その押し込み動作でまた奥に戻ってしまいそうだったので手を入れて除去を試みました。
 汚水はやや黄土色である。確実にウンコが混ざっているのである。まあディスポの手袋をしてはいるが、恐る恐るトイレの奥に手を入れてその白い物体をつかんだのである。
 掴んだ瞬間・・・・あぁ・・ぐにゃりとした感覚、まさにスライムというグニュグニュのおもちゃがあったが、それの硬めのやつ・・・平たく言えばついて1時間経過したお餅といったほうが分かりやすいであろうが、そんな感じのものがつかめたのでした。

クリニックへのテロ攻撃 その2

2017年05月19日 05時37分52秒 | 日記
 プランジャーをかけながら、ふっと思い出しました。過去にも1回詰まって水浸しになったことがありました。
 それはある患者さんが胃のバリウム検査を他院で行い、その後便がでなくなったと来院したことがありました。とりあえず院内で浣腸して排便させたら真っ白のカチカチに固まったバリウム便が大量に出てきたのでした。
 その後、トイレがつまり排水があふれ出たことがあったのだ。この時もプランジャーをかけて何回もカチカチの大量のバリウム便を吸い出したのです。本当に脱力するような作業でした。

 それから当院では絶対に「院内浣腸」は行わないことにしました。実はおもいだしたのは、その時のバリウム便を排出したNさんが、今日は久々に午前中受診していました。
 しかしながら今日は肩に注射をしただけで、バリウム飲んだとも言わなかったしトイレを使用した形跡もなかった。
 でも・・・「前科」があるので目一杯彼のことを疑ったのであります。

クリニックへのテロ攻撃 その1

2017年05月18日 05時49分43秒 | 日記
 本当に参りました。まさにこれはテロ攻撃と言わざるを得ません。怒りを通り越して呆れてしまいました。
 実は・・・先だっての話です。午後の診療を開始したところ、来院した患者さんから「トッ、トイレが水浸しですよ!」と報告されました。
 行ってみるとトイレの床面が、便器からあふれ出た汚水で水浸しなのであります。もうそれを見ただけで脱力感と悲壮感を覚えました。
 さっそく、スタッフに掃除をさせ、プランジャー(トイレ用の大きなゴム製吸盤)で吸引をするよう指示しました。

 こちらは診療を続け、患者が途切れてから見に行ったところまったくトイレのつまりはびくともせずスタッフ「これはもう業者にお願いしないとだめですね~」と匙を投げられました。

 それではと交替で今度は自分がプランジャーをガッポンガッポンとかけたのであります。やりながら、「はぁ、どうして突然こんなことになるんだよっ」と口からため息とともに愚痴が出ました。
 うちのクリニックは診療所とはいえ通常の家庭用の下水です。そんな大口径の排水口ではありません。
 「あ~あ」と言いながら、ガッポンガッポンを繰り返したのです。

傷害事件 その3

2017年05月17日 05時30分05秒 | 日記
 医者になるのには素質はいらない。医学部在学中であれば「俺は絶対、卒業して医者になる」という信念と、そしてガリガリと勉強を継続する根性さえあれば成りうるのであって、なにも特殊な能力が必要とされるものではない。

 え? 私?・・・大昔のことなので何とも・・・とてもいい時代でした。自分は講義をサボりがちで、そのため試験前の勉強は本当に苦労した。試験前は3晩徹夜などざらでした。
 確かに今と昔では比べられないほどの知識量を現在では要求されているのかもしれないが、でも当時の古い知見や知識は現在では教わらないのでその分過不足は相殺されているのではないだろうか?

 当時自分はまあ勉強しなかった方である。でも他の学部の学生から見ればかなり多忙な毎日を送っていたことは事実である。学生時代はクラブ活動に明け暮れた馬鹿な自分。でも他人にケガを負わせるような馬鹿者ではなかったのが救いかも。

 彼の敗因は女性に入れ込みすぎたことである。彼女にも振られ人生も棒に振ったのである。残念だがしょうがない。ああ女は怖い・・と思った。(当該女性が悪いと言っているのではない)

傷害事件 その2

2017年05月16日 05時46分58秒 | 日記
 医学部の講義で難解なものは何もない。ただ覚えなくてはならない知識量が半端なく多いのである。
 講義も6年間朝から夕方までびっしりであり、臨床講義がはじまればそれは夜遅くまで実習は続くのである。
 とにかく膨大な知識量を要求される。でもとにかく必死になって覚えればいいだけであって、難しい技術や能力を必要としないのが医学部での勉強の特徴である。

 一応、医学部は受験時には理科系になるが、入学してから理科系を要求される科目はない。かろうじて生化学で化学的知識が必要とされるかもしれないが、でも受験時の化学の知識はあまり必要とされない。
 また難しい物理や数学の定理なども必要としないのである。

 換言すれば医学部での講義はやる気と努力さえあれば「誰でも」ついていけるのである。彼が復学を許されたのであれば、心を入れ換えその女性との同棲を解消し、すべての講義に出席し、その他の余暇時間すべてをその日の復習に充てる生活を毎日送れば、医学部は卒業できたのである。
 ああ好事魔多しである。

傷害事件 その1

2017年05月15日 05時30分14秒 | 日記
 自分が長く勤務していたN医大の医学生が、T医科歯科大学の歯科医師に刃物で傷害を負わせ逮捕された。女性関係のもつれが原因のようである。
 もちろん悪いのは医学生であるが、同棲しているこの女性がカギを握っているようである。この女性が悪いというわけではないが、原因であることは事実である。

 この傷害を起こした医学生は成績不良で一度退学になっており、今回の事件は復学が許されて復帰した矢先のことであるとのこと。

 入学も難しいが復学はなおも難しいであろう。本来であれば心を入れ替えて勉学に邁進すべきであった。
 女性に心を乱しているようではまた成績不良となることは見えていた。
 
 というか、つらい表現になるが、成績不良で何回も留年しているような医学生に彼女は見切りをつけたのかもしれない。
 医学部は入学してからも大変なのである。甲斐性がない男ならば見切りをつけられても仕方ないだろう。復学できたことはまさに「神からの授かりもの」的なできごとである。なのにそのチャンスを棒に振ったのである。情けない。