3月になると、どぎついほどに香ってくる花に沈丁花がある。個人的にはこの沈丁花の匂いが好きである。一方、桜という花にはどうも固有の匂いというイメージがない。満開の桜の下を歩いていてもあまり匂ってこない。しかしながら桜の蕾や葉の塩漬けは口に入れるとほのかに甘く上品な桜の香りを感じる。アンパンや桜餅を食す時以外にはあまり体験しないが、どうやらこれは餡子と相性がいいようである。満開時には直接匂いを感じないが人の手で処理をほどこすとようやく香りが出てくるなんぞは、なかなか手間ひまかかって面倒くさい。この前、クックパッドで桜の塩漬けの作り方を見た。「7部咲きの蕾を塩もみして重石をかけて一晩おいて水を抜き・・・」なかなか面倒であるが、投稿者曰く「きちんとつくると極めて香りがよくどんなスイーツにもあう」のだそうだ。確かにスイーツの中に隠れている、そこはかとないあの甘い香りは桜ならではのはかなさである。それにしても作るのが面倒というよりも「7部咲きの蕾」を大量に摘んでくる作業のほうが大変であろう。一つ間違えば警官が飛んでくるかもしれないし・・・(笑)。