goo blog サービス終了のお知らせ 

吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

ガイドライン その2

2013年04月19日 06時06分46秒 | インポート

その患者さんは仕事で時々車の運転をしなければならない。仕事上運転が必要なのである。処方した薬は中でも一番眠くはならない抗ヒ薬だったので自分は運転の可否については説明しなかった。そのほかの抗アレルギー薬では余り効果がないので、この抗ヒ薬しか手はなかった。それにしても医師の裁量として「眠くなるかも知れませんがほとんど皆さん「眠い」とはいいません。でも運転するときはくれぐれも注意してくださいね」といって薬の内服を勧めるのが正しいのであろう。しかしながら結果的に車の運転中万が一事故でも起されてしまったら、「言語道断!抗ヒ薬を処方しながら運転を勧めた非常識医者」というマスメディアの見出しが目に浮かぶのである。前述のBCGの訴訟と同じで、患者さんへ便宜をはかることよりも、起こってしまった結果がすべてなのである。ということはやはり抗ヒ薬を処方したら患者さんには全員に対して「車の運転は何があっても絶対禁止ですからきちんと守ってくださいね」とガイドライン(効能書き)どおりの医療をするしかないのであろうか? 嗚呼、世知辛い世の中になったようだ。