吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

本日、令和5年最終診療日

2023年12月29日 06時43分54秒 | 日記
 今年は本日で診療は終了になります。今年もめまぐるしくいろいろなことがありました。
 コロナは落ち着いたということで5月から感染症5類に引き下げられましたが、実際はおちついたのではなく、かわりにインフルエンザが猛威を振るっているので一時期「沈静化」しているにすぎません。また政府の「マスク自由化」で感染症の拡大が起こっています。飛沫感染のものではマスクはずしたら感染拡大するのは目に見えていますね。 
 一方、大谷翔平の大活躍、阪神タイガースの日本一など世の中の経済回復につながるようなものは好ましいです。
 しかし、何やら無制限の増税には困りものです。インボイス制度の導入は明らかに税収アップを狙っているでしょうし、健康保険証のマイナ化も、我々の診療報酬請求をオンライン化することによって厳しく管理することが目的なんでしょう。種々の事務的便宜をはかるのが目的とは言いますがそれは嘘でしょう。それが本当なら運転免許証をマイナ化にしないのは合点がいきません。運転免許のマイナ化は総務省に断られたと聞きます。各省庁の力加減もあるのでしょう。
 来年は感染症も落ち着き、無制限の増税にも歯止めがくるような平穏な1年であることを願っています。

無念の父「抜歯で亡くなるなんて」…支援学校生死亡、酸素チューブ誤挿入か その6

2023年12月28日 06時30分41秒 | 日記
 今回の話ではなく、いままでの自分の経験での話です。患者さんとご家族に危険性の伴う検査・処置・手術をするときには必ず、その内容と危険性をお話しし、それで同意されたなら行うことになります。その場合同意書というものにサインしてもらいます。
 しかしひとたび些細なことでも事故があると、「そんな話は聞いていなかった」と仰ることがあります。そこで同意書に「ここにお話ししたということは記載してあります」をお見せします。しかしそうおっしゃる方の次の言葉は「話されたのかもしれないがよくわからなかった。よくわかるように話す義務があるだろう」と言うことが多いですね。これでは理解できなかったけどサインした(認めた)ということになります。これが一番困りますね。理解できなければ理解できるまでお話しますので、分かったふりだけでサインをするのはやめて頂きたいのですが・・・。

無念の父「抜歯で亡くなるなんて」…支援学校生死亡、酸素チューブ誤挿入か その5

2023年12月26日 06時12分58秒 | 日記
 この医療機関のホームページですが「全身麻酔で安全に抜歯が行える」と誇大広告的なコメントでは誤解を招くでしょう。昔から一般市民の方は「麻酔は注射1本で眠らせることができ、安全に覚醒させることができる」と誤解されている方も多いようです。人の意識をなくしたり簡単に醒ましたりなど、そう安全にできるものではありません。
 施行前には家族にその合併症の可能性をきちんと話をするべきでした。あるいは話はしたのかもしれませんが、父親の「抜歯ぐらいで死ぬなんて」というコメントは危険性が理解されていなかったことになります。ご家族の中には、事前にきちんと話がされていても、いざ事故があると「そんな危険であるという話は聞いていない」と仰る方も確かにいます。きちんと、話を聞きましたと言う同意書の取得も必要だと思います。
 それにしても悲惨な事故で残念です。合掌

無念の父「抜歯で亡くなるなんて」…支援学校生死亡、酸素チューブ誤挿入か その4

2023年12月25日 06時36分41秒 | 日記
 処置時に安静の協力が得られない障害者の方への医療行為では、全身麻酔での処置ならば安全に行い得ることが可能です。ただし抜歯は安全になっても全身麻酔自体に危険性が伴うことを十分説明しご家族にご理解と同意を頂かなくてはなりません。全身麻酔では呼吸が抑制されますので呼吸補助のため気管挿管しそこから呼吸管理をすることが必要です。しかし低いながらもある一定の確率で食道に誤挿管されてしまうことはあります。しかしこの場合、パルスオキシメータなどで一刻も早くこの誤挿管に気が付き、再度正しく挿管する必要があります。この食道挿管という医療過誤は起こりえることなので、起こった時にすぐに認識して、再度気管挿管ができることが重要になってきます。昔はパルスオキシメータなどなく、術野の血液の色や血圧、脈拍数などをモニターして判断していました。今は血中酸素飽和度測定ができるので大昔より判断しやすいのですが。

無念の父「抜歯で亡くなるなんて」…支援学校生死亡、酸素チューブ誤挿入か その3

2023年12月23日 06時12分08秒 | 日記
 被害者の父の「抜歯しようとしただけで亡くなるなんて、誰が想像できただろう」という言葉は無念さを表しています。
 今回の事件は、昔から時々みられる事故です。この父親の言葉でも分かりますが「抜歯くらいで」とあるので、これら一連の処置が安全な処置であると誤解されているようです。今回の事故は抜歯処置によるものではなく「麻酔事故」です。
 まず抜歯処置に伴う死亡はほとんどないでしょう。しかし亡くなった被害者は被刺激性の高い障害者であるので意識下で抜歯を行うことは危険であります。まずその時点から「抜歯処置にはリスクが伴うこと」が大前提です。安全性については、処置時に安静の協力が得られる健常者と同じではありません。
 特に医療行為においては「絶対安全」はありえません。飛行機事故は10万フライトに1回と言われていますが、例えば医療行為10万回のうち1回でも死亡事故が起これば「なんでうちの子が・・」とご家族は思うでしょう。まずはスタートラインから十分な処置の危険性の説明とご理解を頂く必要がありました。

無念の父「抜歯で亡くなるなんて」…支援学校生死亡、酸素チューブ誤挿入か その2

2023年12月22日 06時36分07秒 | 日記
2023/12/16  読売新聞オンライン
 日本歯科大の砂田勝久教授(歯科麻酔学)は「血中の酸素飽和度が下がった時点でチューブが食道に誤挿入された可能性を疑い、挿管し直す必要があったのではないか」と話している。
 堺市重度障害者歯科診療所は、市歯科医師会が2008年に開設。ホームページには全身麻酔について「体の動きがなくなり、治療を安全に行える」「気管挿管を行うので、呼吸は完全な管理が行える」と記されている。市歯科医師会は読売新聞の取材に「何も答えられない」としている。
 亡くなった生徒の父親(48)は「抜歯しようとしただけで亡くなるなんて、誰が想像できただろう」と無念の思いを口にした。
 抜歯手術当日の7月13日、母親が診療所内で待っていると、救急車が突然到着し、顔が真っ青になった生徒が運ばれていったという。
 父親は「息子には明るい未来があると信じていた。診療所は原因を調べてきちんと説明すべきだ」と訴えた。

無念の父「抜歯で亡くなるなんて」…支援学校生死亡、酸素チューブ誤挿入か その1

2023年12月21日 06時34分54秒 | 日記
2023/12/16  読売新聞オンライン
 堺市の歯科診療所で7月、大阪府内の特別支援学校に通う男子生徒(17)が全身麻酔で治療中、低酸素状態に陥り、約1か月後に死亡していたことが関係者への取材でわかった。大阪府警は、気管に通して肺に酸素を送り込むチューブが誤って食道に挿入された可能性があるとみて捜査。診療所側は遺族にミスを認めて謝罪した。
 死亡したのは府立支援学校の高等部3年の男子生徒(大阪府大阪狭山市)。発達障害があり、7月13日、親知らずを抜くため、障害者向けに治療を行う堺市堺区の市重度障害者歯科診療所を受診した。
 専門医によると、発達障害などがあり、痛みに敏感でじっと座るのが難しい患者らには通常、全身麻酔下で抜歯などの治療を行う。チューブの挿入ミスがないかをチェックするため、血中の酸素飽和度や呼気中の二酸化炭素濃度をこまめに確認する必要があるという。
 診療所から遺族に提出された報告書などによると、歯科医が生徒の家族の同意を得て、同日午後1時過ぎ、親知らずを抜く手術に先立ち、全身麻酔を実施。麻酔で自発呼吸ができなくなるため、肺に酸素を送るチューブを鼻から入れたが、低酸素状態に。血中の酸素飽和度は正常なら96%以上とされるが、20%台に低下していた。生徒は約1時間半後に心肺停止状態となり、市立総合医療センターに搬送されたが、8月9日、低酸素脳症で死亡した。
 救急隊員は搬送時に生徒の腹部が膨張していることに気付き、チューブを挿入し直したという。

感染防御 続き11

2023年12月19日 06時18分55秒 | 日記
 ちなみに過去の例ですが、子宮頸がんワクチン接種で一時期、重大な副反応が起こったとかなり問題になりました。今では種々の追試研究でワクチンと有害事象は関連がないと結論付けられていますが、当時はワクチン被害者団体が「ワクチン接種撲滅」の運動を展開していました。当時の厚労省もそのため子宮頸がんワクチン接種の積極勧奨はしなくなりました。そしてそれから接種される年代の女性がガクンと減り、その時期に打たなかった女性の子宮頸がんによる死亡率は数年以上もの間、先進国の中で日本が一番高い状況になりました。
 その間、もしワクチンを打っていたら、そのかなり多く亡くなられた若い女性は助かったかもしれません。重篤な副反応を起こした個々の事例を見て社会全体を抑制させるのがよいのか、重篤な副反応を併発した個々の事例には手厚い補償をし、より多くの人の健康を守るワクチン行政をすすめたほうがよいのか、これはなかなか議論のある所でしょう。

感染防御 続き10

2023年12月18日 06時28分04秒 | 日記
 ワクチン接種の考え方は、個人的感染防御の側面と、もう一つは社会への感染蔓延の予防の二つにあります。
 ワクチン行政での考え方のウエイトはもちろん後者寄りになります。したがって感染蔓延により社会経済が停滞することを防止することが第一義となります。
 例えばワクチンを打たないで病気による死亡が1000人だと仮定して、ワクチンを打って、そのうち副反応で1人亡くなったとしてもワクチン行政ではワクチン接種の意義があったと判断します。もちろんワクチンで発病が抑えられ多くの人が死亡しなくても済むわけですが、しかしワクチン接種で亡くなる人も一定数いるわけです。亡くなった方の家族からすれば多くの方が助かったことより自分の家族が亡くなったほうが当然重大であり「ワクチン接種反対、ワクチン撲滅」と行動を起こすことになります。民主主義の世の中、ワクチン接種は任意です。どちらがよいのかはそれぞれの立場で異なるでしょう。

感染防御 続き9

2023年12月16日 06時43分34秒 | 日記
 ワクチンの副反応についてですが、まず最初にワクチン接種後における予期せぬ有害事象のことを副反応といいます。副作用ではありません。これはなかなかワクチンが原因であると証明することが困難だからなのです。確定が難しいのでワクチン接種後に起こった種々の症状は、ワクチンが原因であるか否かにかかわらずすべてを「副反応」と呼ぶことになっています。なかにはたまたま接種後にひいた風邪であっても「ワクチンの副反応」としてカウントされることになります。
 もちろん風邪程度ならば次第におさまりますが、何か重大なワクチンによる副反応もないとは言えません。頻度的には不明になりますが、ある一定数重大な副反応はみられる可能性もあります。もしそのような副反応を起こした方は国で認めるという方針が定期接種にはとられています。ただしそれが認定されるかどうかはケースバイケースということになりなかなか補償を受けられない方もいるかもしれません。

感染防御 続き8

2023年12月15日 06時25分56秒 | 日記
 ワクチン接種についてですが、これも感染防御という観点から重要です。もちろんワクチンによって体内の抗体産生の程度は個人個人差があります。ワクチンにて病気にかからなくなる人もいれば、罹っても軽症で済むという場合もあって様々です。「罹らないわけではないので無意味だ」というかたもいますが軽症で済むのであれば病脳期間の短縮にもなり効果的と言えます。また集団が免疫を獲得すれば感染拡大を防ぐことになり社会生活が維持でき、社会経済の停滞を阻止できることになります。個人的な観点だけでなく広く社会での利点も考慮すれば、お一人お一人にワクチンをお願いしたいところです。


感染防御 続き7

2023年12月14日 06時30分14秒 | 日記
 自身の何気ない行為も感染拡大の原因となります。前回自分の手指を顔面特に口鼻を触らないようにと書きましたが、もし自分が各種感染症にかかっているとしたら唾液、鼻汁の中に病原体がいる可能性があります。ここで口腔や鼻腔周囲皮膚に付着している病原体を触れたら、その手が他人に菌を媒介する可能性があります。
 また咳やくしゃみをするときは無意識のうちに手で口を覆う行為をします。これは飛沫を周囲に飛ばさないということで構わないのですが、ただそのあとに手を洗わないと手に付着した菌を広げることになります。
 咳やくしゃみの場合、掌ではなく自分の上腕や肘の屈曲部で口を覆ってやれば衣服に菌が付着するので帰宅後、衣服を洗濯すればよいでしょう。上腕部や肘部は手のひらよりもほかのものに触れる自由度は高くないので感染防御には効果的です。

感染防御 続き6

2023年12月12日 06時28分19秒 | 日記
 手洗い方法についてもいろいろな手順があります。石鹸がなければ流水だけでもいいのですが、その場合は、指の股、指先、爪の中まで綺麗に擦ります。そして強力な流水で物理的に洗い流します。
 石鹸を用いる場合も同様で、手のひらで泡立てたら、指先1本1本を、もう片方の手のひらで握って回転させるよう洗浄して下さい。
 手のひらだけ擦って終わりにすると、一番モノをつまむ指先がほとんど洗われていないことになります。また最後は十分な水量で物理的に洗い流す必要があります。
 感染防御ではこまめの手洗いと同時に、以後手指で顔面、口鼻を触るという行為も慎んでください。せっかく洗浄しても1回口鼻を触ったらその手は汚染されたと自覚する必要があります。感染源は口と鼻からですので、自身の行動も要注意です。

感染防御 続き5

2023年12月11日 06時22分38秒 | 日記
 また最近よく見かけるビニール製やゴム製のディスポの手袋ですが、新品であれば「汚染」されていません。
 しかし1回1回交換しなければ、汚れた手のままでいるのと何ら変わりません。
 時々飲食店でみかけるのですが、いつ交換したのだかわからないような手袋のままでの調理や接客を見ていると、むしろこまめに手洗いをするほうが清潔なのになあと思うことがよくあります。
 「手袋をしている=清潔である」の図式は成り立ちません。むしろこの手袋着用は自分の手指を周囲の汚染から防御するものでしかなく、自分の汚染された手袋から感染を広げている可能性はあります。
 もし誤った使用方法であれば手袋着用はむしろやらないほうがいいでしょう。

感染防御 続き4

2023年12月09日 06時25分05秒 | 日記
 手指の消毒も重要ですが、時々見かける「形だけ」の消毒ではあまり効果がないでしょう。  
 よく見かけるのは消毒液を掌にかけてパンパンとはたいたり、手のひらだけに擦り付けたりでは不十分です。
 掌に消毒液を乗せたら、よく擦り込むこと、そして指を1本1本すべて指先にまで摺りこむことは必要です。ものをつまむときに使うものは掌ではなく指先ですので一番の汚染場所は指であるとの認識が必要です。
 そして完全に乾くまで待ってください。
 また消毒液は絶対ではありません。むしろ流水で両手を念入りに石鹸で洗うほうが物理的効果は高いと思います。また濡れた手に消毒液、特にアルコールを用いても消毒効果は劣ります。アルコール濃度が水で薄まればそれだけ殺菌力は落ちます。流水で石鹸洗浄したあとは良く乾かしてからアルコール消毒がいいでしょう。