6年前に発生したピンバッチ愛好家殺人事件は被疑者未定のまま
迷宮入りの様相を呈していた。
犯人は車ピン好きのコレクターという情報のみが錯綜し、何度も
その姿を追い詰めては遠のいていった、これは捜査本部解散前夜
の出来事である。
デカ長「これまでの我々の捜査を根底から見直す必要がある」
刑事A「!?。今、なんと!」
デカ長「犯人は現場に、そして逃走中の至る所に車ピンをばらまき、
我々は有力な証拠としてきた。そうだな?」
刑事A「そうです。その数およそ430。重要な手がかりです」
デカ長「そう、だがたったそれだけだ」
刑事A「それだけ?遺留品としては相当な数だと思いますが。それぞれ
のピンの持つ意味をつなぎ合わせることにより犯人から我々への
メッセージが浮かび上がる・・」
デカ長「それが甘かったのさ、デニー。」
刑事A「デ、デニー?」
デカ長「1匹見たら30匹いると思え・・、そう教えられてきたんじゃない
のか?我々は。つまり、430個の遺留品に対して母数は30倍の
1万3千個を犯人は保有してるってこった。分かるか、デニー」
刑事A「最近家で○キブリが出たんですね?」
デカ長「つまり、だ。車ピンは数あるコレクションの一部であって、
そればっかり集めてるんじゃねえってことだ。どうだ、まいったか」
刑事A「あんたにね」
こうして僕達の夏は終わった。
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