空の色

Ricaの気まま日記と詩の世界

『天外者』レビュー(バレ有り)

2021-03-09 18:15:14 | ドラマ・映画(ネタバレ有もあり)


『天外者』レビュー(バレ有り)

監督:田中 光敏
脚本:小松 江里子
出演:

  • 五代 友厚:三浦 春馬
  • 坂本 龍馬:三浦 翔平
  • 岩崎 弥太郎:西川 貴教
  • 伊藤 博文:森永 悠希
  • はる:森川 葵
                    他…

 

[あらすじ]
薩摩藩士、五代秀尭の次男として生まれた五代才助(後の友厚)は、
幼少期に父が藩主、島津斉興から依頼された
「世界地図から地球儀を作る」という難題を
一人で解決してしまうほど"外の世界"への憧れを持つような子供だった。

青年となった才助は長崎海軍伝習所に伝習生として派遣され
西洋の学問や航海術を学ぶとますます海外への憧れを増していった。
さらに長崎では他の伝習生とはどこか違う才助に興味を持った
勝海舟や坂本龍馬らと出会う。

世間が浦賀沖へのペリー来航に開国か攘夷かと混乱を極める中、
才助はいち早く開国し、西洋の技術を取り入れることで
富国強兵を目指すべきだと考えていたのだ。
やがて開国という同じ思想を持った才助、龍馬、弥太郎、利助は
新しい日本の姿を見据え、共に戦う同志として固い絆で結ばれていく。

そんな中、才助ははるという、遊女に出会う。
はるは字を学び、本を読むことすらできないと嘆く。
そんなはるに才助は本を贈り、誰もが夢を見ることのできる、
新しい世界を作りたいと決意するのだった。

あるとき、武蔵野国にて生麦事件が起きる。
これに激怒したイギリス艦隊は鹿児島湾に現れ
イギリスと薩摩藩との間で薩英戦争が勃発する。
鹿児島湾での交戦で松木弘庵と共に捕虜となった才助は
イギリス艦隊の指揮官相手に怯むことなく、
薩摩藩の力を侮ってはならない、と強く詰め寄り
イギリス艦隊は撤退を決め、才助も横浜港にて解放されることとなった。
しかし、才助は藩の一部の武士からは薩摩の恥さらしとして
疎まれる存在となってしまい、才助はしばらく潜伏期間を余儀なくされる。

ようやく薩摩藩へと戻ることとなった才助は
後にその解放にはるが関わっていたことを知り
日本に戻っているという彼女を尋ねに行くのだが、
はるは病の床に伏しており
才助が「海が見たいという」彼女の願いを叶えるも
その場で息を引き取ってしまう。

その後外国と日本の国力の違いに危機感を持った才助は
薩摩藩に向けて、上申書を提出する。
そこには具体的な数値と計画が事細かく記されていたという。

開国し、他国の進んだ技術を取り入れ、
国を強くするには経済の発展が不可欠だと考え、
トーマス・グラバーの手引きで欧州へ渡り視察を行い
欧州との国力の差を実感することになる。

やがて幕府が崩壊し、明治政府が発足すると、
才助は五代友厚と名乗り、政府の役人として起用され、
大阪にて造幣局の設立を目指す。

しかし数年も経たず、友厚は大阪経済の復興尽力するため政府の役人を辞する。
そこで出会った豊子と結婚し、忙しい日々を支えられながら
大阪通商会社の設立や、英和辞書の発行、
さらには数々の鉱山を経営し、実業家として活躍していく。

そして、大阪株式取引所や大阪商法会議所を設立し、
改革を推し進める友厚に弥太郎を始めする多くの商人たちが反発する中、
地位や名誉を望まず、自らの財もなさず、
大阪の経済発展のために尽くすと宣言し、
商人たちの心を一つとし、大阪の経済が動き出していくのだった。

やがて友厚は病に倒れ、49歳という若さでこの世を去ってしまう。
大阪での葬儀では家族だけが静かに過ごす中、
伊藤博文がただ一人弔問に訪れると、
豊子は自宅の外にも弔問客がいることに気が付く。

すると、表に出た豊子の目は涙でいっぱいになる。
大阪発展の恩人を偲ぶ多くの弔問客の提燈の明かりが
自宅に続く通りをどこまでも煌々と照らしていたからだ。
その数は4300名に上ったという…。
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[作品レビュー]
三浦春馬さん主演ということで、拝見してきました(^^)
言うまでもなく、とても素敵な五代友厚でしたよ♪

さて、こちらは江戸時代末期から明治時代中期に活躍した実在する実業家、
五代友厚の生涯をドラマチックに描いた作品です。

私は歴史、特に現代史には疎いもので、
五代友厚の存在をこの作品で初めて知ることとなりました。
しかも坂本龍馬とは友人関係にあったり、
活躍した偉人たちと多少なりとも関りがあったりと、
自分なりに調べてみたら驚くことばかりでした。
♯有名な偉人ならなんとなくわかる、くらいで
 私の知識なんてこれくらいです(^^;

才助はとにかく世のため、人のため精神で
経済から日本の発展に尽力する人物です。
その目的を達成するためのビジョンもはっきりと示しています。
そして、不正な取引などには厳しく対処していたようで、
とても正義感の強い性格だったようです。

その上、財閥のように自身の財を成すことには興味がなかったなんて
こんな人が本当にいるのかなぁ、と思うと同時に
そういう人でなければ本当に世の中を変えることなんて
出来ないのかもしれないなぁ、と思いました。
#しかも、亡くなった時は多額の借金があったとか!
 とても驚きです。

作品が進むにつれて服装から風景から、
何もかもが変わっていっていく様子が表現されていく中で、
もともと商人の出ではなく薩摩藩の武士だった才助が
自国のために欧州へ視察に行ったり、
蒸気船の買い付けなどを行ったり、
明治の時代では役人として政府を支え、
最終的には経済に重きを置き実業家として活躍する。
これまた激動の人生ですよね。(なんと波乱万丈というか…)

新しいことに挑戦することは大変困難なことで
時代の変化に敏感で行動力も伴っていなければ
途中にある苦難や労力に打ち勝つことが出来ないですよね。
#私には到底無理なことばかりです(^^;

才助の目には数々の困難の向こうにある
もっともっと先の輝く未来が映っていたのでしょうか。

先見の明を持った人だったのでしょうね。


そして、型破りで才能豊かな才助を伸びやかに演じる
三浦春馬さんの姿がとても印象的でした。
自分の信じた未来に真っすぐに向かっていく純粋な瞳を
しっかりとこちらに伝えるような力強い演技でした。
おかげで歴史音痴の私でも物語にどんどん引き込まれていきました。

才助は刀は抜きませんが、三浦春馬さんの素敵な殺陣もあり、
役人、または実業家というインテリジェンスな姿もあり
とても見ごたえのあるシーンが盛りだくさんです♪
はるとの淡い恋の物語では切ないシーンもあるので
作品を通してたくさんの三浦春馬さんの表情が観れると思います(^^)

個人的にはイギリス艦隊の指揮官に詰め寄るシーンでの
気迫のある表情で力強い武士の姿とか、
大阪の人々が活気を取り戻したのを見届け、
ふっと微笑むスーツ姿の才助の表情がとても素敵でした(^^)


日本を変えたいという、大きな志を持った真っ直ぐな青年の瞳が
とても輝いていて眩しくすら感じる熱い作品です。
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[余談]  ※内容やや重めなので、苦手な方はスルー願います(^^;
最後に、余談となりますが、
この作品の上映後には会場から拍手が沸き起こりました。

初日舞台挨拶などがある場合の劇場ではよく起こることですが、
通常の上映で劇場で拍手が起こったのは私は今回を含めて
2回しか経験したことがありません。
それだけ観る側の想いが高まったのかもしれませんね。
♯もしくは、主演の彼に素晴らしい作品だったと
 伝えるかのような、そんな拍手だったのかも(^^)

なんだか三浦春馬さんはたくさんの人に愛されているんだなぁ、と
肌で感じ取ることができました。

上映後には制作陣の粋な計らいで
3分間のメイキング映像が流れました。
私は知らないまま観に行きましたので
不意を突かれてしまって大変驚きました。

そこにはスタッフと仲良さそうに会話する三浦春馬さんの姿があり、
くしゃっとした笑顔がたくさん詰まっていました。
特に、森の中で頭上近い木の枝の葉を触りながら、
カメラに向かって見せた笑顔は目に焼き付くほど輝いていました♪
♯同時にその笑顔がもう増えることが無いことに
 思わず目が涙でいっぱいになってしまいましたが(;_;)

メイキングの最後にはスタッフの皆さんと浜辺で記念写真を撮る時の
「イッツ、パーフェクトじゃー!!」と言うセリフが印象的でした。
このメイキング上映後も会場のあちこちから拍手が起こりましたよ(^^)

才助の役柄は三浦春馬さんのイメージと合うなぁ、と感じました。
演技や役に対してストイックだった、と言われていたこととか、
周りの人から愛される存在であったこととか、
#あくまで一個人の想像なので(^^;
五代の偉大さと比べることはできませんが、
いろんなの才能を持った人物だったのかなぁ、と思えます。

今後の映画2作品も必ず劇場で見届けたいと思います(^^)
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